1 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/03/28 20:30:16.70 SqgxtG7Q0 1/18

『まゆちゃんまゆちゃん。今大丈夫?』

『……あれ、もしかして忙しかった?』

『ごめんごめん』

まゆ『ああ、すいません。大丈夫です』

まゆ『どうしました?』

『ううん、暇だからまゆちゃんの部屋に遊びに行こうかなって思ったんだけど……』

まゆ『あー』

『……やっぱダメそう?』

まゆ『んー……別にかまわないんですけど……』

まゆ『今宿題してるんですよねぇ』

『宿題?』

まゆ『はい。学校の……』

『へぇ……』

まゆ『……なので、それが終わるまではあまり話せませんけど……それでもいいなら』

『ん、わかった』

『邪魔にならないように待ってるね』

『あ!』

『じゃああたし、お手伝いするわ!』

まゆ『お手伝い……?』

『そう!』

『まゆちゃんのわからないところをあたしが教えてあげる!』

2 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/03/28 20:32:41.04 SqgxtG7Q0 2/18

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「やっほー、まゆちゃん」

まゆ「こんにちは、朋さん」

まゆ「うふ……中へどうぞ」

「ん、お邪魔しまーっす!」

「……あ、本当に宿題してる」

まゆ「嘘だと思ってたんですかぁ?」

「いや、そういうわけじゃないんだけど……」

「……なんか机の上にノートとかプリントが広がってるの見ると懐かしくなるわ」

まゆ「そうですか?」

「うん。あたしは最近全然そんなことしてないし……」

「……あー、今この辺やってるのねー」

「昔勉強したわ……懐かしいなー」

まゆ「……お茶持ってきますねぇ」

「あ、ありがと!」

「あー、そうそう。これあたし苦手なのよねー」

まゆ「……」

3 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/03/28 20:33:30.58 SqgxtG7Q0 3/18

まゆ「お待たせしました」

「あれ……これどうやって解くんだっけ……?」

「うーん……」

まゆ「……」

まゆ「……えいっ」ピトッ

「ひゃっ!?」ビクッ

「な、何!?」

まゆ「ふふ……お茶ですよぉ?」

「あ、ありがと……」

「……びっくりしたぁ」

まゆ「隙だらけだったので悪戯しちゃいました……♪」

「もう……」

「そのお茶宿題にこぼしたらどうするのよ……」

まゆ「あっ」

「……考えてなかったのね」

まゆ「……はい」

「……ふふっ」

「もう、本当可愛いわねー。まゆちゃんらしいわ」

まゆ「……むぅ」

4 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/03/28 20:34:33.91 SqgxtG7Q0 4/18

まゆ「……それでは、まゆは宿題に戻るので……ノート返してもらっていいですか?」

「あ、ごめんごめん。はい」

まゆ「ありがとうございます」

「わかんないところがあったらいつでも聞いていいからね」

まゆ「……」

まゆ「……でも、さっきどうやって解くんだっけ、って……」

「うえっ!?」

まゆ「言ってましたよねぇ?」

「……聞かれてた?」

まゆ「聞いちゃいました」

「……」

まゆ「……」

「……そ、そこ以外なら教えられるから、大丈夫!」

「まかせて!」

まゆ「ふ……うふふっ」

「な、何……?」

まゆ「いえ……朋さんらしいなって」

「……仕方ないじゃん、この辺勉強したのだいぶ前なんだし」

まゆ「うふふ……頼りにしてますねぇ、朋さん」

5 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/03/28 20:35:01.19 SqgxtG7Q0 5/18

まゆ「……よし」

まゆ「……」カリカリ

まゆ「……」

「……」

(真剣ねぇ……ってそりゃそっか)

(でも……こんな表情のまゆちゃん……始めてみたかも)

まゆ「……」

「……」ジー

(……あ、そんなこともないわね)

(レッスン中もこんな感じの真剣な表情で……きりっとしてて――)

まゆ「……」ピタッ

(――あれ、止まった?)

まゆ「……あの、朋さん」

「どしたの、まゆちゃん。わかんないところでもあった?」

まゆ「いえ……」

まゆ「その、じっと見られると恥ずかしいです」

「あ、ごめんごめん」

まゆ「……」

まゆ「……」カリカリ

「……」ジー

まゆ「……朋さん」

「あはは……つい、ね」

まゆ「もう……」

6 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/03/28 20:37:05.45 SqgxtG7Q0 6/18

まゆ「……漫画貸しますからそれを読んで――」

まゆ(……そうだ♪)

まゆ「――あっ、いえ、朋さん」

「ん、何?」

まゆ「ここ……少しわからないので教えていただけますか?」

「わかったわ。えーっと……どれどれ……」

「……ってここ、あたしが苦手って言った場所じゃない!」

まゆ「そうでしたっけ……?」

「そうよ! わかっててやったでしょ!」

まゆ「そんなことありませんよ……うふっ」

「……」

まゆ「……教えてくれないんですかぁ?」

「う……」

「……ちょ、ちょっと待ってて!」

まゆ「はい……♪」

「えーっと……たしか、これがこうなって……」

「……ねぇ、まゆちゃん。ペンと紙借りても良い?」

まゆ「もちろん。どうぞ」

「ありがと!」

「こうだから……えっと……この二つをかけて……」

まゆ「……うふふ」

7 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/03/28 20:37:40.75 SqgxtG7Q0 7/18

「……よっし、解けた!」

「まゆちゃん、今から教えるわ!」

まゆ「うふ、お願いします♪」

「えっとね、まずここがこうなって……こうなるでしょ?」

まゆ「はい」

「でね、ここでこれとこれをかけて……」

まゆ「あっ、違いますよ?」

「えっ」

まゆ「そうすると求まるのはこっちになりますから……かけるのはこっちです」

「あ、そっか……」

まゆ「で、その後にこれとこれをこうすることで……求まりました♪」

「あ、ほんとだ!」

まゆ「うふ……わかりましたか?」

「うん! ありがとっ!」

「はぁ……なるほどねぇ……勉強になったわ……」

「……」

「……って何であたしが教わってるのよ!」

8 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/03/28 20:38:17.18 SqgxtG7Q0 8/18

「まゆちゃんわかってたでしょ!?」

まゆ「そんなことありませんよ?」

「そんな嘘すぐばれるわよ! あんなにすらすら解いてたのに!」

まゆ「あら」

「あー……もうっ、恥ずかしい……」

まゆ「うふ……おあいこですねぇ」

「……」

「……もしかして、さっきじっと見つめてたことの仕返し?」

まゆ「そんなことありませんよ」

まゆ「頼りになる朋お姉ちゃんが見たかったんです……♪」

まゆ「……二割くらい」

「残り八割は?」

まゆ「可愛い朋ちゃんが見たくて……♪」

「もう!」

まゆ「ふふふっ」

まゆ「……さて、宿題に戻らなきゃ」

「……」

「……まゆちゃんが宿題終わるまで穴が開くくらい見続けてやるんだから」

9 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/03/28 20:39:05.75 SqgxtG7Q0 9/18

まゆ「……」カリカリ

「……」

まゆ「……」

「……」

「……あ、そこ違うわよ」

まゆ「えっ」

「ほら、ここ。計算ミスしてる」

まゆ「あ、本当……」

「ふふ、おっちょこちょいね」

「別にあわてなくてもいいわよ。まゆちゃんが宿題終わるまでゆっくり待ってるから」

まゆ「……」

「……何?」

まゆ「いえ……」

まゆ「……お姉ちゃんらしい一面も見れたなって」

「まゆちゃんの見たいあたしは全部見れた?」

まゆ「そうですね……ふふ」

「ふふふっ」

「……さ、見守ってるから宿題続けましょ」

まゆ「はい……♪」

10 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/03/28 20:39:36.84 SqgxtG7Q0 10/18

まゆ「……」カリカリ

「……」

「……あ」

まゆ「……また間違えていました?」

「うん……ここ違うんじゃない?」

まゆ「えっ……?」

「だってほら……ここをこうしたなら……」

まゆ「あ、いえ。朋さんそうじゃないですよ」

まゆ「こっちをこうしますから……これで正しいはずです」

「あ、そっか……」

まゆ「……」

「……」

「……ごめん」

まゆ「……朋さんも一緒に勉強しますか?」

「いや、いいわ」

まゆ「あら、残念……」

11 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/03/28 20:40:19.50 SqgxtG7Q0 11/18

まゆ「……」カリカリ

「……」

まゆ「……」

「……」

まゆ「……あの」

「ん、何?」

「……あ、もしかしてまたじっと見てたこと?」

まゆ「いえ、それは慣れたのでいいんですけど……」

「慣れたんだ」

まゆ「ずっと見られてましたから、さすがに……」

まゆ「……っと、そうじゃなくて」

まゆ「教えてもらっていいですか?」

「ん、どこ?」

まゆ「ここです」

「あー」

「これはね――」

12 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/03/28 20:42:12.59 SqgxtG7Q0 12/18

まゆ「――解けました!」

「ふふ、おめでと」

まゆ「朋さんのおかげです……ふふっ」

まゆ「……ついでに、この問題も教えてもらっていいですか?」

「いいわよ」

「……」

「……」

まゆ「……朋さん?」

「……」

まゆ「あのー……」

「……まゆちゃん」

まゆ「あ、はい。何でしょう?」

「教科書見せてもらっても良い……?」

まゆ「……はい」

まゆ「……一緒に考えましょう」

「……うん」

13 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/03/28 20:48:07.79 SqgxtG7Q0 13/18

「――で、こうなって……こう!」

まゆ「わぁ……解けました……!」

「ね、解けたわ!」

「やった!」

まゆ「ふふ、やった♪」

「ああよかったぁ……何とか年上としての面目を……」

「……保てたことになるのかしら?」

まゆ「大丈夫だと思いますよ……きっと一人だと解けませんでしたから」

まゆ「ありがとうございました、朋さん」

「いえいえ」

「あたしだって、きっとまゆちゃんがいないと解けなかったから……これは二人でたどり着いた答えね」

まゆ「二人で……」

「うん……」

「……さ、次に行きましょ」

まゆ「はい……♪」

まゆ「……あれ?」

まゆ「朋さん。次の問題も一緒に解くつもりなんですか?」

「あっ」

「……そうだった。これまゆちゃんの宿題だもんね……あんまり一緒に解いちゃ意味ないわよね」

まゆ「うふ……また助けを呼ぶまでちょっと待っててくださいねぇ」

「そうね、まゆちゃん見て待ってるわ。ふふっ」

14 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/03/28 20:48:38.00 SqgxtG7Q0 14/18

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


まゆ「……」カリカリ

まゆ「……よし」

「あ、終わった?」

まゆ「はい、全部終わりました」

まゆ「……ふぅ」

「お疲れ様」ナデナデ

まゆ「ひゃっ……」

「ふふっ、勉強大変だったでしょ?」

まゆ「も、もう……子ども扱いしないでください……!」

「子供扱いじゃないわよ」

「妹扱いしてるだけ、ふふっ」

まゆ「同じです……!」

「頑張ったわねー、よしよし♪」

まゆ「……もう」

15 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/03/28 20:56:53.14 SqgxtG7Q0 15/18

「ふぅ……満足」

まゆ「そうですか……」

まゆ「……ありがとうございました、朋さん」

「ん、撫でられたこと?」

まゆ「そこじゃなく」

まゆ「……これ、たくさん助けてもらいましたから」

「あ、宿題のことね」

「別にいいわよ。あたしから言い出したことだしね」

「……それにあたしもいろいろ教わったし」

まゆ「……そうでしたね」

まゆ「ふふ……」

「何よ」

まゆ「いえ、自信満々に間違える朋さんを思い出して……ふふ」

「……忘れてくれない?」

まゆ「朋さんが言うなら」

まゆ「……」

まゆ「……ふふ」

「忘れてないでしょ!」

まゆ「そんなことありませんよ?」

まゆ「……ふふっ」

「……あー、もうっ」

「こんなことなら占いで解けばよかったわ」

まゆ「……占いで?」

「そう……まゆちゃんもやったことあると思うわよ?」

「こう……鉛筆をコロコロ……って」

まゆ「それは解いたと言わないと思います」

16 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/03/28 21:00:37.68 SqgxtG7Q0 16/18

「……さて、何はともあれこれでまゆちゃんも暇ってことね」

まゆ「そうですねぇ」

「ふふっ、じゃあ遊びましょ?」

まゆ「はい♪」

まゆ「……あ、でもちょっと疲れたので体力を使う遊びは……」

「部屋の中でそんなことしないわよ」

「そうねぇ……」

「……んー」

「……お話ししよっか!」

まゆ「ふふ、いつもどおりですね」

「ええ、いつもどおり」

「まゆちゃんと話すのは楽しいしね」

まゆ「まゆもです……うふ♪」




おしまい

17 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/03/28 21:03:54.44 SqgxtG7Q0 17/18

朋ちゃんとまゆちゃんは絶対相性がいいと思うので流行って

誤字脱字、コレジャナイ感などはすいません。読んでくださった方ありがとうございました

18 : ◆6QdCQg5S.DlH - 2017/03/28 21:05:27.41 SqgxtG7Q0 18/18
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