1 : ◆tMhnVrptgSx5 - 2017/11/07 20:11:08 l6B 1/47

「これ、馬鹿には見えない素材でできた服なんですよ」

……そう言って女性は何かを持ち上げた。

いや、もちろん正確には「持ち上げる仕草をした」。

何だったか、有名な童話にそんな台詞があったな……とプロデューサーは題名を思い出そうとするも

この余裕の無い状況、そしていつにも増してにこやかな事務員の笑顔が思考を阻んだ。

「……へぇ~、見える見える」

最早何を言えば正解なのか。目の前にいる事務員――千川ちひろ女史に対し萎縮しきった頭では、

せいぜい話を合わせようとするのが精一杯であった。

いや、だが。

……隣に目をやる。

「…………」

普段はやかましいぐらいに奔放で天真爛漫で、「口を開かなければただの美少女」とまで称されるほどの

いつもの元気はどこへ行ってしまったのか。

肩を震わせ歯を鳴らし、プロデューサー以上に怯えきっているのは彼の担当アイドル、堀裕子である。

「これ、プロデューサーさんにきっと似合うと思うんです」

目の前にいる得体のしれない悪意から、彼女を守るにはどうすればいいのか?

「ぜひ着替えてみてくださいませんか? 今、ここで」

元スレ
【モバマス】ユッコ「馬鹿には見えない服?」【R18】
http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1510053068/

2 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:12:07 l6B 2/47

ことの発端は何ということはない、彼と裕子の二人が仕事で犯したミスであった。

だがその内容がまずかった。無知と無礼が最悪の形で重なり、重要なスポンサーに粗相をしでかしたのだ。

無論のこと本人の人気低下どころの話では済まない。社はとてつもない損失を被る寸前であった。

そんな折、四方八方に手を尽くして事態を最小限の被害にとどめたのが千川ちひろである。

懲戒処分寸前であったプロデューサーを庇ったのも、裕子がアイドル業を続けていられるのも、

全て彼女の力によるものであった。



……そして事がひと段落した頃。

二人はちひろに、普段使用されることのない事務所の一室へ呼び出されたのだった。



「ユッコちゃん。プロデューサーさん。私はお二人を責めたり叱ったりするつもりはありません」

彼女はまず、そう切り出した。

普段とは全く意味合いの異なる笑みを満面に張り付けながら。

……そうして、何もかも彼女のなすがままの、仕置きの時間が始まった。

3 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:13:21 l6B 3/47

裸の王様よろしく、見えない服を差し出されたプロデューサー。

「……はい。それでは……」

拒否も口ごたえも良い結果をもたらさないことは充分に知っていた。ちひろとはそういう人物である。

素直に言う事を聞き続けるしかないのだ。彼女の気が済むまで。

それがいつになるのかは今考えるべきことではない。

プロデューサーは進み出て彼女の差し出す服……であろうものを受け取り、己の来ているスーツを脱ぐ。

……後ろでは裕子が見ている。いや、見ていないかもしれない。見ている余裕など無いかもしれない。

もちろん、こちらも気にしている余裕など無い。

ためらいなく紳士肌着とボクサーブリーフのみの姿になると、いつもスーツを着るときのように

手早く透明の服を身に纏う。

「……いかがでしょうか」

「まあ、やっぱり! とってもお似合いですよ、プロデューサーさん!」

嬉しそうに手を合わせるちひろ。

これで許してもらえるのだろうか? ……いや、それだけで済むはずはない。

「ねえ、ユッコちゃんもそう思いますよね?」

4 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:14:24 l6B 4/47

「え、へっ!?」

突然水を向けられ、狼狽する裕子。

「あ、え、あ……」

咄嗟に言葉など出ようはずもない。裕子は下着しか見えないプロデューサーの姿を直視できずにいた。

(ユッコ、とにかく話合わせろ)

声に出さずにプロデューサーが念じる。

「あれ? もしかしてユッコちゃん、見えないんですか? この馬鹿には見えない服が」

「う……」

馬鹿、の一言が裕子の胸に刺さる。

今自分たちが置かれている状況は己の馬鹿さ加減が招いたことなのだ。その事実が言葉を詰まらせた。

「それじゃあ、お得意のサイキックで見てみたらいかがですか?」

追い打ちをかけるように言葉が投げかけられる。

「サイ……キック……」

その単語に反応し、わずかに顔を上げる裕子。

(ユッコ!)

その瞬間を逃さず、プロデューサーが目配せをした。

5 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:14:59 l6B 5/47

(あっ……は、はい!)

プロデューサーの顔を見て少し怯えが取れたのか。あるいは空元気か。

「むむむーん、サイキック透視! はっ、わたしにもみえました! 見えましたよ!」

(そうだ、それでいい。それでいいぞユッコ)

よし、ひとまずはなんとか話を合わせられるところまで持ち直した。

プロデューサーは僅かに安堵した。

「それじゃあ」

しかしちひろは口角をつり上げ、こう続ける。


「次はユッコちゃんが着てみましょうか。それ」


「……え?」


裕子の体が強張る。

自分にも何かあるだろうとは思っていたが、その展開までは予想できずにいた。

「じゃあプロデューサーさん、それを脱いでユッコちゃんに渡してあげてください」

プロデューサーもまた戸惑いを見せた。が、しかし、やはり無言で従うより他は無かった。

6 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:15:35 l6B 6/47

恐る恐る服に手をかける。

目の前にはねっとりと絡みつくようにまとわりつく視線。

しかし自分を見ているのはプロデューサーではない……そう思うことでまだ少しは気が楽になれた。

トップスを脱ぐと、暖房も何もつけていない部屋の空気が肌にひやりと触れる。

スカートに手をかけ、ボタンを外そうとした瞬間。

「ねえプロデューサーさん、一体どこを見ているんですか?」

唐突なちひろの言葉にプロデューサーはびくりと背を震わせた。

「は、え……?」

「担当アイドルが着替えてるんですから、しっかり見ててあげないといけませんよね?」

理屈も何もあったものではないが、言わずもがな、これは紛れもなく強制だ。

「くっ……」

やむなくプロデューサーは裕子の方に向き直ると直立不動の姿勢をとる。

「え、ちょっ、や、プロデューサー……?」

遠慮がちに向けられる視線に、裕子の体は否が応でもすくんでしまう。

「ユッコちゃん、手が止まってますよ?」

7 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:16:49 l6B 7/47

「そんな……む、無理ですよ、こんな……」

しかしちひろは腕を組んだまま裕子を見下ろし、無慈悲に告げる。

「いいんですか? もう二度とアイドルを続けられない状況に戻っても」

瞬間、裕子は目を見開き肩を強張らせて叫んだ。

「まっ、待って! 脱ぎます! 脱ぎますから!」

「へえ……本当にちゃんと反省しているんですか? ユッコちゃん」

「は、はい! してます! 反省してますから……!」

叫び声に涙声が混じってゆく。

「それじゃあ、やる事はわかってますね?」

「はい……」

二方向からの視線を感じたまま、裕子が残るスカートを脱いでいく。

スカートを持った手を下ろすため前かがみになると、真正面にいるプロデューサーからは

ブラ以外に何も遮るものの無いふくらみが、重力にその身を委ねようとたわむのが目に入る。

「うっ……」

否応なしに胸へと注がれる視線を意識してしまい、止まりそうになる腕。

8 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:17:40 l6B 8/47

だがもう後へは引けない。一気に足首までスカートを下ろすと足を抜き、起き上がる。

しかしあまりに勢いよく起き上がったせいで、胸はその存在を主張するように激しく揺れた。

「おっ……」

「あ……っ!」

思わず声を漏らしたプロデューサーにつられ、あわててスカートで胸を隠す裕子。

(い、今揺れた……めちゃくちゃ揺れた……見られた!?)

「ユッコちゃん、それを置いて」

「え、う……」

「どうしたんですか? そのままでは服が着られませんよね?」

目を細め、ねっとりとした口調で語りかけるちひろ。

「ねえ……ユッコちゃん? ……そんなに自分の胸って、自信が無いですか?」

その瞬間。耳まで真っ赤だった裕子の顔色が、一気にさっと青ざめていった。

「は……? 自信って、一体どういう……」

「あ、あの、違うんですプロデューサー……」

異常に気付いたプロデューサーがおずおずと声をかける。が、しかし。

9 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:18:18 l6B 9/47

「そんなに胸を気にしているということは、やっぱりまだ悩んでいるんですねえ」

裕子の反応を見たちひろは、プロデューサーの疑問などは意にも介さずたたみかけていく。

「ユッコちゃんがぁ、セクシーギルティのぉ、」

「ち、ちひろさ、それは」

「『ボン、キュッ、ボン』の」

「やめっ……」

にいっ。

悪魔は微笑み、容赦なく続けた。


「……『キュッ』担当でしかないことを」




「あ……ああああああっ……」

ぼろっ、ぼろぼろっ。

大きな瞳から、大粒の涙が音を立ててこぼれてゆく。

10 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:18:42 l6B 10/47

「ユッコ、お前……」

「あらあら、プロデューサーさんは知らなかったんですか? ユッコちゃん、ずっと気にしてたんですよ」

「雫ちゃんと早苗さんに挟まれて、ずっとずーっと悩み苦しんでいたんですよ……?」

「常に二人と比較され、共演者からはイジられ続ける運命」

「巨乳好きのファンからはおまけ扱い、良くて二人の引き立て役」

「ネットじゃ『罰ゲーム』なんて言われ方までされてるんですよ。ご存知無かったですか?」

無慈悲に、的確に、裕子のコンプレックスが晒されてゆく。

「かわいそうに……。相談もできなかったんですね。まあ……女の子の悩みですし」

ちひろはつかつかと裕子に近寄ると、その顎をくいっと持ち上げ、瞳を覗き込む。

「プロデューサーさんに言えないのは、当然のことですよね?」

「う……うう…………っ」

「……それでも、」

そして呆然としているプロデューサーへと向き直り、言い放った。

「自分のユニットなのに、自分のアイドルなのに。気付いてあげられないようでは」

「信頼して相談されるはずもないですよねえ?」

言葉も出ない。己の罪をつきつけられ、プロデューサーは立ちすくむ他無かった。

「そもそも、なんで雫ちゃんや早苗さんと組ませようと思ったんでしょう?」

11 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:19:37 l6B 11/47

俯き、唇を噛むプロデューサーにちひろはさらにたたみかける。

「……ユッコちゃんなら傷付かないとでも思いましたか?」

「良く言えば天真爛漫、悪く言えば能天気。口を開けば残念な美少女」

「『キュッ』担当にされても大丈夫な、イジられ耐性バッチリの人材。そんな風に思ってました?」

「でもね、見てください。ほら」

すっ、とちひろが体をどかす。その向こうには胸を抱え、俯いて涙を流し続ける下着姿の裕子がいた。

「この子は、こんなになるほど気にしてたんですよ?」

「裕子……」

隠していたかった。気付いてほしくなんてなかった。自分だけで抱えて押し殺していたかった。

そんな胸の奥の奥の、最奥にしまっておいたはずの悩みを暴かれ、裕子の感情は混沌と渦を巻いていた。


「み、みないで」


……パリンっ。


何かが音を立てて割れた、と気付いたときには。

「見ないでええええええええええっ!」

パリン。……パリン。パリン!……ガシャアッ!

裕子の悲鳴に呼応するかのように。周囲にある備品が一つずつ、砕け散っていった。

12 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:20:32 l6B 12/47

「やっ……」

やめろ、と叫びそうになり、あわてて口をつぐむ。

裕子のサイキックは……本人の自覚するものではないのだから。

「あらあら、困りますね。どうしましょうか、プロデューサーさん?」

「ユッコ! すまない! 俺が悪かった!」

なぜこうも、月並みな謝罪の言葉しか出せないのか。

「お前がそんなに悩んでいたなんて……その、気付けないプロデューサーで、すまなかった!」

違う。そんな事ではない。わかっているはずだ。

無論、そんな言葉では裕子の潜在意識に働きかけられるはずもない。

バキィッ!

裕子の背後にあった机の脚が音を立てて砕ける。

ガシャアアア……

乗っていた備品は音を立てて崩れ落ち、砂埃をあげる。

13 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:21:07 l6B 13/47

……音がやんだ。

プロデューサーは目を上げる。

あちらこちらの備品が破損した部屋。全ては静まり返っていた。

「よしよし、ユッコちゃん。辛かったんですよね」

砂埃の向こうで。

悪魔は担当アイドルを抱きしめ、あやすように頭を撫でていた。

「ちひろ……さん……」

感情を爆発させきったせいか。瞳は虚ろで、どこを見ているのかも定かではない。

「苦しかったんですよね。でももう大丈夫です。もう無くすものはなぁんにもありませんよ」

「さあ、それじゃあ。ユッコちゃん。落ち着いたところで続きをやりましょう」

呆然自失の裕子の手からスカートを奪い取り、ちひろは悠然と椅子に腰かける。

「衣装は足元ですよ? ちゃんと見えますよね?」

「……はい」

虚ろな目のまま足元を見つめる。

まだやらせるのか。ここまで俺たちの心の傷を抉っておきながら、今なお。

プロデューサーは歯噛みしながらちひろを見つめるが、不意にこちらへ向いたちひろの視線に圧倒され

すぐに前へと向き直ってしまう。

14 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:21:42 l6B 14/47

視線の先では裕子が……何かを持つ仕草をしながら固まっている。

「どうしたんですか?」

「えっと、あの」

「何をそんなに困っているんですか?」

「その……おっ……」

「お?」

「男物の服ってちょっと……着にくいですねえ……」

なんだそんなことですか、と肩をすくめてちひろは脚を組みなおした。

「いつもプロデューサーさんが着ているように着ればいいんですよ」

プロデューサーの服。

脱ぎ棄てられた服を見る。

上着にズボン、そしてワイシャツ。

そうか、とりあえずまずはこのワイシャツから着ればいいんだ。

裕子は想像の限りに、着る仕草をはじめた。

15 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:22:11 l6B 15/47

ワイシャツと仮定したその服に片方ずつ腕を通す。腕を動かすたびに、双丘がその存在を主張する。

もちろん、別に自分が身にまとう物が増えているわけではない。裕子は依然として下着姿のままだ。

そのあられもない下着姿のまま、ボタンをひとつひとつはめていく仕草を続けながら

自分はいったい何をしているのかと、情けないようなやるせないような自問自答に陥っていった。

先程とは種類の違う涙が込み上げてくるのを裕子は感じていた。

「く……」

同じ屈辱をプロデューサーも痛いほど感じていた。

だが裕子の演技を見ているうちに、プロデューサーの目には裕子のワイシャツ姿がくっきりと

見えるようになっていた。

上下の下着の上に、さっき自分が着ていた男物のワイシャツ一枚がだけ。

ブラと合わせたベージュ寄りの薄黄色のショーツが、より強調されて見えてきた。

そのせいか。

いつの間にか股間は弾けそうなほど反応してしまっていた。

だが、ちひろが見ている。その視線はまるで膨らみを誤魔化すことさえ制しているかのようで、

プロデューサーは身じろぎひとつできないままユッコのたどたどしい手つきを眺めるしかなかった。

裕子はその怒張の膨らみを見ないようにしながら、今度はズボンを履こうとする。

……そして先程の、スカートを脱いだときのアングルを思い出してしまう。

16 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:22:51 l6B 16/47

「ユッコちゃん? 手が止まってますよ?」

「は……はい」

だが、どうしても前かがみになれない。

仕方なく身をよじって角度を変えようとするが、

「ダメですよユッコちゃん? ちゃあんとプロデューサーさんの方をまっすぐ向いててください」

そう言われては従うしかなかった。

(くうっ…………)

恥ずかしさ、悔しさ、虚しさ……解放したばかりの様々な感情がごちゃ混ぜになって押し寄せるのを

無理やり噛み殺しながら裕子は再び上体を下ろした。

苦悶の表情の向こうに、彼女の仲間と比べると平凡に見える――しかし一般的な女子高校生と比すれば

十分に立派な双丘が形作る確かな谷間がその存在を主張し、プロデューサーの怒張をさらに固くする。

(これはお芝居の稽古なんだ……そう、これはレッスン……レッスン……)

理不尽な辱めの極致にあっては、そう思い込もうとすることでしか、もう裕子は精神を保てなかった。

何もない空間を掴み空気でできたズボンを通そうと右足を持ち上げようとしたそのとき。

(あ、えっ……)

17 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:23:48 l6B 17/47

己の股間に違和感を覚える裕子。

(やだ、うそ、なんで)

くちゅ、と僅かな音をたてた秘部の濡れに気付き、困惑が一気に加速する。

(どうして……私、感じてるの……?)

下着だけで裸同然の姿も、抱えていたコンプレックスも何もかもを曝け出されたことで

新たなる快感に目覚めつつあることに裕子はとうとう気付いてしまった。

(は、早く終わらせなきゃ)

裕子は焦った。急いでズボンを穿き終えてしまおうとするが、

「あら? ユッコちゃん、だめですよ。ちゃんと穿けていないじゃないですか」

「えっ?……えぇ……」

焦りからか動きが雑になったのを見抜かれ、やり直しを強要されてしまう。

「お着換えもちゃんとできないんですか? 16歳にもなって、そんなわけないですよねえ」

「は、はい……できます……」

焦るな。お芝居の稽古、お芝居の稽古だ。

何も考えずに集中しよう。早くこの場を切り抜けよう。

(そしたら、あとで思いっきり……『すっきり』しよう)

もう一度。何もないものを身にまとう虚しい動作のため前屈姿勢を取る。

肩ごしにたれたポニーテールのひと房が、汗で濡れた頬にはり付く。

18 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:24:22 l6B 18/47

今度はゆっくりと。自然に、普段しているように。もうダメ出しはくらわないように、

完璧な演技でもって裕子はズボンを穿き終え、ベルトを締めた。

ここまでの過程のなんと長かったことか。

さあ、次は上着を着れば……

「あっ……」

突然、プロデューサーが声をあげた。

「えっ?」

顔を上げ、彼を見た。その視線は裕子の下半身に注がれている……

いや、おそらく凝視していたのは一点のみ。

その箇所の異変に気付いて裕子の顔は今日一番の赤さを見せた。

「ば、バカっ……!」

裕子は思わず秘所を手で隠した。

ぐちゅ、とあからさまな音をたてて、しとどに濡れたショーツがよじれる。

(もうこんなになってたなんて……!)

自分でも気付かないうちに、もう目で見てもわかるぐらい濡れてしまっていたことに裕子は戸惑う。

腕に力が入り、二の腕で挟み込まれた胸はいやらしく形を変え、深い谷間を形成した。

19 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:24:53 l6B 19/47

「あらあらあらぁ?」

嘲笑混じりにちひろが声をあげた。

「これ、『馬鹿には見えない服』なんですけどねえ?」

(……っ!)

今更そんな事を言われたとて、どうすればよいのか。

「プロデューサーさんは馬鹿になってしまったんでしょうか? ねえ、ユッコちゃん?」

「い、いえ」

「ですよねー? そんなわけないですよねえ」

「じゃあ、今ユッコちゃんはちゃあんと服を着て見えているはずですよねえ。プロデューサーさん?」

「は、はい」

「みたいですよー? さあ、安心して残りも着て見せてください」

……逆らえない。

今の頭の状態ではちひろの詭弁も、完璧な理論武装に聞こえてしまう。

そうだ。なりふり構ってはいられない。

さっさと解放されるためだ。恥ずかしいのは今だけ、見られるのも今だけ。

あとのことなんて知らない。とにかく、終わらせるんだ。

20 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:25:19 l6B 20/47

スーツの上着に袖を通す。

最後に、ワイシャツよりずっと少ないボタンを前でとめる。

「で……できました!」

縋るように裕子は叫んだ。

濡れたショーツが気化熱を奪い、股間がひんやりと冷えていくのを感じながらちひろの応えを待つ。

だが、ちひろは顔色ひとつ変えずに告げた。

「あら? まだですよね?」

「え……」

「ほらプロデューサーさん。何が足りないのか教えてあげてください」

ちひろはプロデューサーを一瞥し、状態を確認してほくそ笑む。

股間はぎんぎんに張り詰め、息を荒くしながら唾を飲み込むと彼は声を絞り出した。

「……ネクタイだ」

(あっ……!)

カラカラになった喉からでた枯れた声に、裕子は身を震わせた。

「ど、どうしよう……あの私、ネクタイの結び方なんて」

「知らないんですか?」

心底楽しそうにちひろは声を挟む。

「だったらプロデューサーさんにお願いすればいいんじゃないですか?」

「はあっ!?」

21 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:26:02 l6B 21/47

とんでもない提案が飛び出した。

だが。

(……それ以外に、ない……)

どう考えても、解決案はそれしか思い浮かばなかった。

仮にやり方を教えられたとして、今の自分の頭では理解も実践もできないだろう。それだけはわかった。

意を決し、落ちていたネクタイ……を手に取る。

そして、おずおずと差し出した。

「あ、あの、プロデューサー……」

これ以上なく真っ赤に上気した頬、潤んで揺れた瞳が困惑するプロデューサーを直視する。

「ね、ネクタイだけ……やってもらえませんか……?」

普段は絶対に見られないしおらしい姿に高鳴る胸を抑えつつ、プロデューサーはエアネクタイを

そっと受け取ると、裕子の背後に回った。

まとめた髪のむこうには、なまめかしいうなじと小さくて綺麗な背中。

一歩近づき、ゆっくりとネクタイを首にかける。

裸も同然の裕子が至近距離にいる。

わずかな香水のにおいに混じり、濃密な汗のにおいが鼻腔を否応なしにくすぐる。

眼下で揺れるポニーテールに顔をうずめたくなる衝動を必死に抑えながら、プロデューサーは

普段自分がネクタイを締めている動作を思い出しながらゆっくりと腕を回した。

22 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:26:42 l6B 22/47

だが、どうにもうまくいかない。

がくがくと裕子の膝が激しく震えているのだ。

「ゆ、ユッコ。落ち着け、な」

「そ……そんなこと言っても……」

震えは止まらない。

なんとか動作を進めようとするが、そのたびに手が裕子の細い首に、細い肩に、触れてしまう。

「っっ!!」

そのたびにビクンと体が跳ねる。

男を知らない生娘の体に手が触れるたび、彼の下半身にも熱いものが滾っていくのを感じていた。

(俺は何をしているんだ……自分の担当アイドルに、こんな……)

だが自分たちを解放するには早くこれを済ませなければいけない。

ちひろは相変わらずねっとりとした視線でこちらを見つめている。

適当に済ませようとすれば、またやり直しだろう。

「すまん、ユッコ」

このままでは埒が明かない。そう考えた彼は裕子に自分の体を密着させた。

「!!!!?」

裕子の体が驚きで飛び跳ねる。だがプロデューサーの手がそれを押さえた。

「すぐ終わるからな……」

23 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:27:12 l6B 23/47

そのままの状態で、するすると手を動かしていく。

「あ……あ…………」

背中にぴたりと密着している。

ボクサーブリーフ一枚を隔てて、プロデューサーの熱く滾った肉棒が脈動している。

「うああ……」

パニックの極致に至り、ユッコの体が硬直する。

今しか無い。

その隙にと彼はネクタイを締め終えようとする。

だが最後に、ネクタイの長さを整えようとする作業の際。

ぽいんっ。

「ひいっ」

「うっ……」

手が胸に触れてしまった。

股間は正直に反応し、びくんと震える。

その互いの感触に、二人はもう何も考えられなくなっていた。

硬直したまま、時間が過ぎていく。

自分の心臓の音が相手に聞こえてはいまいか。そんな心配が互いに頭をよぎったその時。

24 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:27:41 l6B 24/47

「はいっ。よくできましたね」

ぱんっ。

ちひろの打つ柏手に二人ははっと我に返った。

「うーん、とーっても似合っていますよユッコちゃん」

白々しい声だけが部屋に響く。

「二人ともお疲れ様でした。もう着替えて戻ってくださって構いませんよ」

やっと、やっと解放されるのか。

長かった。もううんざりだ。

「それでは私はお先に失礼しますね。最後に言っておきますが、」

「これに懲りたら……もう二度と、私の手を煩わせるようなことは無しにしてくださいね?」

この上なく冷たい目で二人を射すくめたちひろはそのまま身を翻し、ドアの向こうに消えた。

足音が去ってゆく。

……終わったのだ。悪夢は過ぎ去った。

プロデューサーは密着したままだった体を離し、裕子に声をかけようとした。

25 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:28:13 l6B 25/47

だが。

「あ……ああ…………」

裕子は激しく震え、股間を刷り合わせている。

「ど、どうした!? ユッコ!」

何事だ。彼女の身に何が起こったのか。

異常を感じ取り、裕子の顔を覗き込もうとするその刹那。

「いや、いや、駄目! 見ないで! 見ないで! 見ないでええええ!」

ぷしっ。

……ちひろの危機から逃れた安堵は、全身の筋肉を弛緩させていた。

そして、知らず知らず張り詰めていた膀胱から堰を切って尿が溢れ出した。

「……!!」

彼は全てを察した。

このままでは部屋が汚れる。

その惨状をもしちひろが知ったら?

考える間もなく、彼は跳ねるように動いていた。

26 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:29:05 l6B 26/47

尿を受け止め始めたショーツを強引にずり下ろす。

「があっ!!」

そして裕子の腰を掴むと己の口を最大まで開き、秘所を包み込むようにして密着させ、

勢いをつけ始めた奔流を受け止めた。

「いやあっ!! 何、何するんですか! いやあ、やめて!!」

何が起こっているのか理解が追い付かず、恥辱とパニックでプロデューサーの頭を引き離そうとする。

だが彼の理性は既に吹き飛んでしまっていた。

女の身では太刀打ちできない力で腰を掴み、流れる尿を一滴も逃すまいと顔を押し付ける。

「がふっ、がっ、んがっ、ごっごっごっ……」

口腔に、喉に、打ち付けるように放たれてくる尿にむせ返りながら、空気と一緒に飲み続ける。

時折、飲みきれなかった尿が口の端から飛び出し、彼の頬と裕子の内股を雫となって零れ落ちる。

「いやあ……いやぁ…………ああ……あ……あぁ…………」

止まらない。止められない。

がくがくと膝は震え続け、見開かれた大きな瞳からは光が消えていく。

「もういや…………もう……いやぁ…………」

か細い悲鳴をあげる裕子。

しかしその声すらも、放出され続ける尿とともに流れていった。

27 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:29:50 l6B 27/47

裕子の腕から力が抜ける。ついには声をあげることもやめてしまった。

暗い部屋に、打ち付ける飛沫の音と男の荒い鼻息と嚥下の音だけが響く。

……やがて、滝のように注がれ続ける尿は勢いを失った。

最後の一滴までを出し尽くし、意識とは裏腹に下腹部が解放感で満たされる。

無限とも思われた時間がようやく終わった。

「あぁ…………」

茫然自失となり、だらんと力なく崩れ落ちそうになる裕子。

だがプロデューサーはその腰を抱えたまま口内の尿を飲み干すと、恥丘を濡らした液体までも

舐め取ろうと舌を這わせはじめた。

「ひっ!?」

ざらりとした未経験の感触に裕子の身がすくむ。

しかし、あまりのことに極限まで高まったストレスに、裕子の精神は既に限界を迎えていた。

拒絶もできずに宙を仰いだまま、未知の感覚に身を委ねる裕子。

げふっ。

男は一度口を離し、食道から上ってきた気体を無遠慮に吐き出す。

濃密なアンモニア臭が鼻を突き、脳を侵し、獣の本能に働きかける。

28 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:30:35 l6B 28/47

もう一度男は唇を秘所へと戻す。

今度は尿のみならず、奥からゆっくり溢れてくる愛液までも舐め尽くそうと舌を蠢かせる。

「うぇぁぁ……気持ち悪い……きもちわるいよう……」

裕子はもう涙声でそう訴えるのが精一杯だった。

男は舌で大陰唇を割り開くと指で固定し、その内側を侵食しはじめる。

ぽたり。ぽた、ぽたり。

頭上に尿でも愛液でもない新たな雫が滴る。

「う…………うぅ…………ひっぐ……」

だがその嗚咽も、涙も、背徳感も罪悪感も、今の彼にはガソリンにしかならなかった。

丁寧に丁寧に全体を舐めまわし、尿道に僅かに残ったものをすすり取る。

そのたびに裕子の体は細かく震えた。

感じている。

感情とは裏腹に、つい先程の恥辱からずっと、この若い体は疼いていたのだ。

既に遠慮も何も無くなっていた彼は、いまだ何者も侵したことのないはずの入り口へ舌をねじ込む。

「うううぅっ」

全身を震わせて裕子がうめく。

男は暫くの間、舌の届く限りに入り口をまさぐり蹂躙した。

そのざらざらとした感触に裕子の腰が浮く。流れる愛液は徐々にその量を増していった。

29 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:31:02 l6B 29/47

「……おい」

不意に男は口を離した。

「どういうことだ、ユッコ」

その顔には獣の獰猛さと怒りが混在していた。

「お前、ずいぶんとほぐれてるじゃねえか。膜も見当たらねえ」

「え……?」

その言葉の意味を理解するまでに裕子は数秒をかけた。

「俺に黙ってどこかでヤってきたのか、ええ?」

「ちっ、ちがっ……これはそのっ、自分で」

「ああ!?」

「自分で……その、毎晩してるうちに、なくなってて…………う、うぅぅ……」

涙声で釈明する裕子に、男の嗜虐心は頂点に達した。

「お前……!」

男は舌先をすぼめ、割れ目の先端の莢を乱暴に押し上げる。

「ひぃあっ!!」

突然の強すぎる刺激に裕子の背が大きくのけぞる。

剥き出しになったまだ淡いピンク色の宝珠を咥えると、赤子が乳首にそうするように激しく吸い上げた。

「あああああああああああっっ!!!?」

30 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:31:38 l6B 30/47

快感より大きく勝る痛みが脳を灼く。

ぐらり。と、上体が大きく傾ぐ。

男は目をむいて失神しかけている裕子を抱えると、脚を一本失って斜めに倒れていた机へ押し付けた。

その衝撃で上下に大きく揺れるふたつの胸。

乱暴にブラを剥ぎ取る。

露わになった胸は、まだまだ発展途上ゆえか、支えを失いつつも重力に負けじと強気に上を向いている。

黒ずみはじめているその先端にむしゃぶりつくと、男はひたすら吸い付きはじめた。

「……ひっ!? あ、あっ、あっ、あっ」

その感覚が裕子の意識をこちら側へ呼び戻す。

左の指でもう片方もこねくり回す。

乳輪をゆっくりと撫で、触れるか触れないかの力加減で先端をつついてやると、

それを待っていたかのように乳首はいとも簡単に勃起した。

「ん、ううっ、ふ、ぁあぁぁっ」

裕子のあげる声がどんどん切なさを帯びたものへと変わっていく。

いじられるほどに、吸われるほどに、両胸の奥に様々な感情が噴出の時を待つかのようにこみ上げていく。

31 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:32:13 l6B 31/47

かりっ。ぎゅむっ。

前歯で左の乳首を、指で右乳首を、同時に強く押しつぶす。

「はっ、ぁあああああぁぁっ……」

これまでにない色艶を帯びた嬌声が部屋に響き渡った。

「こいつ……こっちは随分と使い込んでるみたいじゃねえか」

「はぁ、はぁ……だって…………だって…………」

必死に息を整え、裕子は絞り出すように告げた。



「私だって、おっぱいおっきくなりたかったんだもん……!」



潤んだ瞳から、またも涙が零れ出す。

はっとしてプロデューサーは顔を上げた。

「毎日揉んでたら……いっぱいいじったら……」

「わたしだって雫ちゃんみたいに……早苗さんみたいに……なれるかもって思ったんだもぅん……」

両手で顔を覆う。

「うう、うわああぁぁぁぁぁぁ……ああぁぁぁぁぁぁぁ……」

32 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:32:40 l6B 32/47

とめどなく溢れる涙、押し殺すすべも無くあげられる嗚咽。

そうだった。

彼女を苦しめ続けていたもの。それは明らかだったじゃないか。

全ては自分に起因する。

悩ませた原因も、悩みに気付けなかった己の馬鹿さ加減も、打ち明けさせなかった己の不甲斐なさも。

「プロ、デューサーにも……ひぐ……みそっかす、扱い、されなく……っぐ、なるかも、って」

胸が絞まる。

大切なものが何か、知っていたはずなのに。知っていたつもりになっていた。

手を伸ばす。

大切な大切な、自分のアイドルに。

「えうう……えうう、ああぁ…………ごめんなさい、ごめんなさいぃ、プロデューサー」

謝るな。俺などに謝るな。

「バカな……こんな、ばがな、わだじで、ごめんなざいぃ…………」

「馬鹿は俺だ馬鹿野郎!!!」

33 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:33:34 l6B 33/47

抱き締めた。

力の限り、震えるそのか細い肩を抱き締めた。

「二度と俺なんかに謝んな!! 謝んのは俺だ!!」

「ぅあぁああぁあぁあ……っ」

泣き声が途切れる。

強引に重ねた唇で、唇が塞がれる。

唇に注がれる雫からは、先程まで味わったどの液体よりも清く悲しい聖水の味がした。

34 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:33:52 l6B 34/47

……時間が流れる。

どのくらい経っただろう。

どちらからともなく、唇が離れる。

「……泣き止んだか」

「……まだでず」

「そうか……」

「すんっ」

「……ずっと、苦しんでたんだな。辛かったよな」

頭を撫でる。

「すんっ……はぁっ」

「悪かった。……不甲斐ない、情けないプロデューサーで、すまなかった」

「……はい」

「あと……酷いことして、申し訳ない」

ぺちっ。

平手が飛んだ。両の手の。

手のひらでプロデューサーの顔を挟みこみ、頬をぷくーと膨らます。

「謝るくらいなら…………さい」

「え?」

「最後までしてください!」

35 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:34:28 l6B 35/47

暫時、ぽかんとするプロデューサー。

「………………いいのか?」

「何度も! 言わせないでください!」

顔じゅうを真っ赤にしながら叫ぶ。

「……わかった」

頷くとプロデューサーは再び顔を近づける。

だがその顔は裕子の期待をよそに横へと逸れていく。

「あれ?」

気付いたときには、その真っ赤になった耳を唇が挟み込んでいた。

「ひゃわわわわわっ!?」

「あれ? こういうのはダメか?」

「もうー! バカなんですか!」

「んだとコラ! バカって言うほうがバカなんだぞバカ!」

「バカバカ言わないでください! 気にしてるんですから!!」

「あ……」

36 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:35:21 l6B 36/47

プロデューサーはうなだれた。

「こういうのが傷付けてたってのにな。……すまん」

「だから責任取って、その……」

涙目のふくれっ面で、裕子は精一杯胸を張る。

「私のおっぱい、おっきくしてください!」

「お、おう」

「その、ひとに揉まれたほうが……大きくなるって言いますから……」

無言で頷き、プロデューサーは胸へ手を這わせる。

先程はほとんど乳首しか触っていなかったが、改めてその乳房を手に取ると、

きめ細やかですべらかな肌の手触りが、続いて張りのある弾力が手のひらを迎え入れる。

「ああ……これだよ、これ。これなんだ」

ひとり呟きながら胸の感触を味わう。

「ん……んっ、ん……!」

優しく揉むたびに、裕子の声が少しずつ甘くなっていく。

汗の臭いのする谷間に顔をうずめ、両の手で包んだ乳房で挟み込む。

「ん……ん?」

すりすりすり。ぱふぱふぱふ。

「それ、楽しいんですか?」

37 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:35:54 l6B 37/47

「あ、ユッコはあんまり気持ちよくないか。ごめんな」

「いえ、まあ、いいんですけど何なんです? それ」

「ぱふぱふだ。……ユッコの世代は知らないか」

「知りませんよ……」

「ユッコの胸でやってみたかったんだ、一度」

「……雫ちゃんとか早苗さんじゃなくてですか?」

「……っ、お前なあ!」

裕子の体をひっくり返し、うつぶせにさせるプロデューサー。

よく育った胸とは裏腹に細い体に見合った慎ましい尻が丸見えになる。

「え、ちょっ、プロデューサー?」

長時間けなげに勃起に耐え続けて伸びきったボクサーブリーフを脱ぎ捨て、その背に覆いかぶさる。

「いいか、よく聞いとけ! 一度しか言わないからな!」

背後から両手を回すと、掬い上げるようにして胸を揉みしだく。

「あっ、はあ……っ!」

ひときわ大きい息をもらす裕子。

屹立したペニスを秘所に擦り付ける。

再び溢れ出していた愛液で、既に準備はできていた。

そのままゆっくりと、挿入を開始する。

38 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:36:37 l6B 38/47

「んん! ……んあああっ……」

やはり少し痛いのか、苦悶の声をあげる裕子。

その間も両手は胸に刺激を与え続ける。

「俺は、俺はなあ……っ」

両の乳首を指で優しく転がしながら、少しずつ、少しずつ奥へ。

「はぁっ、はぁっ、はっ……う」

「俺はな!」

固く勃起した乳首を指で押し込む。

「んふぁっ!」

裕子の背が大きく跳ねた。

それと同時に、ペニスが最奥までねじ込まれる。

「んんっ、ああ!」

「俺はユッコの胸が! 一番好きなんだよ!」

そりゃあ大胸筋でしっかり支えられた雫の奇跡の爆乳もたまらないし、

早苗の身長と比べてアンバランスに大きくて、ちょっと垂れはじめただらしない巨乳も捨てがたい。

それでも。

「いっつもぴょんこぴょんこ元気よく飛び跳ねて一緒にぽよんぽよんしてるお前の胸が」

「体の線はほっそいくせに歳の割に生意気に主張しやがるお前の胸がな! 大好きなんだよ!」

39 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:37:15 l6B 39/47

「ほ……本当……?」

体をよじってこちらを振り向き、おずおずと尋ねる裕子。

その潤んだ瞳を見て、一番の理由……裕子の胸だから好きなんだ、という言葉を飲み込んでしまう。

「本当だ! だからお前をセクシーギルティに入れた! 文句あるか!」

「そっか…………そうなんだ……」

一筋の涙が、つつ、と頬をつたう。

「ああもうっ」

その涙が優しくぬぐわれる。

「お前今日はなんべん泣いたら気が済むんだよ……」

「そんなの……何度だって泣きますよ!」

「こんなに嬉しかったら……わたし……」

その唇が再び塞がれる。

最奥で繋がったままの長いキス。

「……っはぁ」

ふたつの唇をつたう糸が垂れ落ち、胸の先端をくすぐった。

40 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:37:58 l6B 40/47

「……動くぞ」

「はい……ねえ、プロデューサー」

「なんだ?」

「私を女の子に、してください」

「……ああ、任せろ」

ゆっくりと腰を引き、ぎりぎりまで引き抜く。

そして再び、ひだをかき分けながら入ってゆく。

「っくっ……」

「まだ痛いか?」

「あの、プロデューサー」

「なんだ?」

「おっぱい……さわっててください。そしたらたぶん、へいきです」

その健気な一言に反応したのか、ペニスがさらに大きさを増した。

「んぎっ!?」

「す、すまん!」

ふるふる、と首を振る。

「ねえ、おっぱいぃ……」

苦しさからか快感からか、甘く切ない声で懇願する裕子。

「ああ、わかった」

41 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:38:24 l6B 41/47

もう一度、手のひらでその胸を包み込む。

全体を包み込むには余りあるその二つの山を優しく揉みながら、人差し指の先端で乳首を愛撫する。

「あっ、あはっ……それ、それですっ」

その反応を見て、再び抽送が開始される。

「もっと……っ、激しくて大丈……夫っ……ですっ」

息がどんどん荒くなっている。

もみもみもみ。こりこりこり。

「んふぅっ、んっ、う、んんああぁ……」

つい先程までは生娘だったとは思えない声が上がりはじめる。

こんなに敏感になるまで胸に執着していたのか。

そう思うと、改めていとおしさがこみ上げてくる。

無意識に腰の動きが速くなる。

膣内の潤いもどんどん増してきたためか、抽送がスムーズになっていく。

それでも不慣れなためか下腹には力が入り、常にきつく締まり続けていた。

「はあっ、はあっ、はっ……」

少し動きが自由になってきたのを見て、動きに変化をつけてみる。

「んあっ、ああっ、あんっ、あっ、あはっ」

声が、息が、荒さを増している。

もう既に胸無しでも十分に感じているようだった。

42 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:39:01 l6B 42/47

「……こっちも触るぞ」

まだ自慰では使ったことが無かったであろう、敏感な反応を見せていたクリトリスに手を伸ばす。

「ああっ、あああっ、……え、えっ? ち、ちょっ」

「ん、んああああっ!?」

莢の上から触れただけでも予想外の反応が返る。

「こっちはあんまり、慣れてないんだな」

「いやっ、おかしく、なるっ、んっ、ああっ!」

三点を同時に責められながら、裕子はなぜか登り棒を夢中になって昇り降りしている茜を思い出していた。

(あれってこういうことだったんだ……)

これまで試したことのなかった未知の刺激を加えられて、裕子の性感は次第に高みへ上っていった。

「ああっ、あああっ、プロっ、デューサーっ、もうっ」

「くっ……ユッコっ……俺も……っ」

初めて男を迎え入れながら激しく締め付け蠢動する膣内の感覚に、プロデューサーもまた限界にきていた。

「あっ、はっ、あっ、あっ、あっ、来てっ! 来てっ、くださいっ!」

「ユッコ! ユッコ! 愛してるぞユッコぉ!!」

43 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:39:14 l6B 43/47

乳首とクリトリスをぐっと摘み、同時に最奥に思い切り突き入れる。

「ひぁっ、あああああああああああああああ!!」

「おおおおおおおっ!」

獣のように全身を震わせ、二人は同時に達した。

そうしてそのまま重なってぐったりと倒れ込む。

「はあ、はあ……すまん、ユッコ」

「はあ……は……へ?」

「中に出しちまった……」

「え、ああ……」

やらかしてしまったことに気付いたが、ユッコは笑って首を振った。

「いえ、でも嬉しいです」

「ユッコ……」

「プロデューサー。私、明日からまた自信持って、アイドルやれそうです」

「そっか……ごめんな、今まで。俺も頑張るからさ」

「ええ。でも、もう……サイキック・大丈夫です!」

泣き腫らした顔を上げ、ユッコはいつもの満面の笑みで告げた。

44 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:40:01 l6B 44/47


翌日。


プロデューサーは再びちひろに呼び出されていた。

今日は一人だった。裕子はまだ学校に行っている時間である。

(まさか、また今日もお仕置きか……?)

ガチャ。

扉が開き、ちひろが姿を現した。

「おはようございます、プロデューサーさん。実は見せたいものがありまして」

「へえ……何なんです?」

「とーっても楽しい映像なんです。まあ観てみてください」

ちひろはうきうきしながらパソコンに向かうと、動画を再生した。

「昨日は徹夜して編集しちゃったんですよー。はいっ! さあどうぞ、じっくりとご覧ください」


『いや、いや、駄目! 見ないで! 見ないで! 見ないでええええ!』


「は……」

全てを理解し、プロデューサーは硬直した。

45 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:40:40 l6B 45/47

ちひろが去ったあとの顛末が、様々な角度から映され繋ぎ合わせられている。

「カメラ……そんなもの……どこに……」


『がふっ、がっ、んがっ、ごっごっごっ……』

『いやあ……いやぁ…………ああ……あ……あぁ…………』


「どうですか? よく撮れてるでしょう? 最近の隠し撮り用のカメラってすごいんですよ」

「ユッコちゃんのサイキックの暴走で一台だけ壊れちゃったんですけどね、あれさえ動いてれば」

「もうちょっと完成度を上げられたんですが。本当に残念です」

「あ、ほら、ここ! ここ見てください」


『俺はユッコの胸が! 一番好きなんだよ!』


「ここの、挿入の瞬間!」

「ここのプロデューサーさんの表情がちゃんと正面から撮れなかったのがもう残念で残念で」

「……やめて、ください」

怒りと恐怖とで、握りしめた拳はわなわなと震えていた。

途端にちひろの表情がすっと消える。

「プロデューサーさん。そんなことを言っていられる立場ですか?」

46 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:41:15 l6B 46/47

ぞくっ。

背筋の凍る音がした。

ちひろがシークバーをスライドさせる。


『あっ、はっ、あっ、あっ、あっ、来てっ! 来てっ、くださいっ!』

『ユッコ! ユッコ! 愛してるぞユッコぉ!!』

『ひぁっ、あああああああああああああああ!!』


「アイドルとのセッ○ス。アイドルへの告白。あろうことか膣出し」

「我が社の大事なアイドルをこれほどまでに私物化し傷物にした責任は、どう取るおつもりなんですか?」

細めた冷たい視線が見下ろす。その視線にプロデューサーは二の句も継げないでいた。

「……まあ、おわかりのようですからあまり多くは言いませんが」

悪魔が近づく。


「彼女のプロデューサーとして、今後の身の振り方にはくれぐれも――」


そして耳元に口を寄せ、囁いた。


「気 を 付 け て くださいね……?」


-fin-

47 : 名無しさ... - 2017/11/07 20:45:13 l6B 47/47

以上です。読んでくださりありがとうございました

人間の屑みたいなプロデューサーは書くのが楽しかったですが
ユッコには本当に酷いことをしてしまったのと
ちひろさんを過度に悪魔化させすぎてしまったと反省しています

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