746 : VIPに... - 2011/07/23 14:45:14.48 RHiatKv10 1/1920レスほどもらいます。
※なんやかんやあって平和になった後
※風紀委員はアニメ設定
※カップリングは特にない
※地の文が入るよ
打ち止め「この人は『一方通行』だよ!よろしくねって(ry」初春固法黒子「」
元スレ
【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-31冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1309616825/
PM 4:50 風紀委員活動第一七七支部
初春「そういえば今日でしたっけ?新しい人が入って来るの」
固法「ああ、そうだったわね。警備員の方から通達が来ていたわ」
佐天「どんな人なんですかねー?」ワクワク
固法「それが、詳細の情報をほとんど貰えてないのよ。『来ればわかる』の一点張りでね…」フゥ
黒子「警備員もいい加減ですのね」
初春「まぁまぁ、強い人だったら白井さんも助かるじゃないですか。固法先輩はあまり支部を空けられないですし、実質戦闘要員は白井さんになっちゃってますし」
黒子「それはそうですが…。この黒子、新人には引けを取りませんわよ」フフン
コンコン
佐天「あ、はーい!噂をすれば…」タタタ ガチャ
「こんにちはー!ってミサカはミサカは元気にご挨拶をしてみたり!」
佐天「あ、あれ!?ちっちゃい女の子が新人さん!?」
打ち止め「んーん、違うよ?ってミサカはミサカは勘違いを否定してみる」キョトン
「オラどけよクソガキ。無駄に混乱させちまってるじゃねェか…」カツカツ
佐天(うわぁ、真っ白……)
黒子(随分と華奢な…殿方?ですわね。杖をついていらっしゃいますし)
固法(ほっそいわねー。この子が新人?大丈夫かしら)
初春「」
打ち止め「この人が今日からこちらでお世話になる『一方通行』だよ!よろしくね!ってミサカはミサカは、付き添いです!」フンス
一方通行「第一位『一方通行』だ。ヨロシク」
佐天「」
黒子「」
固法「」
初春(あくせられーたんキターーーーーー!!!!!!白ぃいいい細ェえええええかかかかわいィいいいいいいいいい!!!!!!)
回想 数日前 黄泉川家 リビング
黄泉川「一方通行。お前そろそろ学校に復帰する気はないか?」
一方通行「あァ?今更…。必要ねェよ」
芳川「大学の方は?あなた遺伝子学の研究に興味あるじゃない。前言ってた仮説、中々おもしろかったし」
一方通行「単位とか授業とかめんどくせェ。一般的な大学の講義レベルの論文くれェもう読んじまったし」
芳川「それもそうよね。でも施設がないと遺伝子系は研究進まないわよ」
一方通行「研究か…。オマエの紹介でどっか捻じ込め」
芳川「そうねぇ……。考えておくわ」
黄泉川「だー!そうじゃないじゃん!!一方通行、お前も同年代と交流しろって話じゃん!」
一方通行「必要ねェっつったろ」ハァ
黄泉川「それはお前が今判断出来ることじゃないだろ?普通の人間として生きていくためには必要なことじゃん」
一方通行「普通、ね……」
黄泉川「別に学校じゃなくてもいい。そうだ、今ちょうど、知り合いが風紀委員を探してるじゃん」
一方通行「風紀委員だァ?俺がァ?」
黄泉川「お前が、だ。うんうん、ちょうどいいじゃん。それがいいな、そうしろ」ピピパポ モシモシー?
一方通行「うォい!!勝手に決めンな!」
芳川「いいじゃないの。どうせ今やることないでしょ?暇だって言ってたじゃない」
一方通行「だから、研究所に入るって…」ハァ
黄泉川「それはそれ、これはこれ!じゃ、第一位の威光で適性試験は免除になったから、早速来週から行ってくるじゃん!」バンバン
一方通行「いッてェ!!やめろ馬鹿力!だからやンねェっつってンだろォ!?」
黄泉川「やりなさい。もう行くって言っちゃったじゃん。私の顔を潰す気か?」
一方通行「……そンなンで俺が言うこと聞くと思ってンのか」
黄泉川「思ってるじゃん。お前は結構家族には甘いからなぁ」フフ
一方通行「うぜェ」
黄泉川「それに、きっと打ち止めも喜ぶじゃん?」
一方通行「…何でそこであのガキが出て来ンだよ」チッ
黄泉川「あの子はお前がいつも何をしてるかわからないって、すごく不安がってたからな。風紀委員の仕事なら、あの子に話してやることが出来るじゃん?」
一方通行「……………」
芳川「ふふ、子供に誇れるお仕事ってステキね。お父さん」クス
一方通行「誰がお父さンだ」ギロ
芳川「あら、いいじゃないの。…自分の体験からよ?私には子供はいないけれど、自分が何の研究をしているか、友達にも誰にも話すことは出来なかったもの」
一方通行「…………」
黄泉川「なぁ、一方通行。これからお前には、打ち止めだけじゃなくお前自身にも誇れる人生を、歩んで行ってほしいんだよ」
回想終了
一方通行(どォ考えても口車に乗せられたとしか思えねェ……この俺が…)ハァ
打ち止め「初春のお姉ちゃん!久しぶり!ってミサカはミサカは再会を喜んでみたり!」
初春「あの時のアホ毛ちゃんだよね!無事で良かった~。……あと、一方通行さんも」
一方通行「あァ?」ギロリ
初春「覚えてませんか?私、あなたに助けてもらったじゃないですか」
初春(うォあああ!目赤いィいいいかわいい!!睨まれちゃった睨まれちゃいましたフヒヒ)
一方通行「あァ、あのアホに殺されそうになってた…」
初春「はい。その節はありがとうございました」ペコリ
一方通行「…別にィ。元々アイツの狙いは俺だったンだからな」
初春「いいえ。命の恩人であることには変わりないですから」ニコ
初春(『別にィ』いただきましたァあああ!!たまらん、マジたまんねぇなこれマジでかわいすぎ実はいい人すぎだろあくせられーたん!!!)
一方通行「……オマエはこのガキを助けてくれたンだろ。…こっちこそ、世話ンなったな」
初春「風紀委員として当然のことをしたまでですよ」
初春(ちょ……!!!!何この気まずそうな顔、かんわいィいいいい!!!!!あああああよかった、風紀委員やっててよかったァああああ!!!)
打ち止め「初春お姉ちゃん、ありがとう!ってミサカはミサカは自分でも改めて御礼してみる!」
初春「どういたしまして!…えっと、アホ毛ちゃんは、一方通行さんの…?」チラ
打ち止め「妻です!ってミサカはミサカはあいたぁ!?って突然のチョップに涙目…」ウル
一方通行「俺はコイツの…まァ、保護者みたいなもンだ」
初春「なるほどですねー」ウンウン
初春(幼女と戯れるあくせられーたんかわいィいいい!!!この凶悪な顔が幼女を見る時はちょっと緩んでんのがたまらん!たまらんかわいさです!!!)
黒子「……そろそろこちらにもわかるようにお話していただけません?まだ形ばかりの自己紹介を終えたばかりではありませんの」ハァ
一方通行「別に話すこたねェよ。俺が第一位でこの支部に配属されたことは話しただろ」
黒子「(ムッ)態度の悪い殿方ですこと。そもそも部外者は立ち入り禁止ですの。打ち止めさん…でしたか?変わったお名前ですの」
一方通行「(イラッ)オマエに名前のこと言われたくねェな。白なんだか黒なんだかわかんねェ名前しやがって」
黒子「まぁああ!何て言い草ですの!?」
一方通行「だいたい名前なら俺だって似たよォなモンだろ。何で先にこのガキを槍玉に挙げやがる。風紀委員ってのは弱いものイジメが趣味なンですかァ?」
黒子「べ、別にお名前をけなしたつもりはありませんの!!」
打ち止め(ミサカは気にしてないけど、ミサカを庇ってくれるこの人が嬉しいから黙ってよう! ってミサカはミサカは感激を噛み締めてみたり)
初春「まぁまぁ白井さん。そこまで頑なにならなくても…。部外者だって言うんなら、佐天さんだって入っちゃうじゃありませんか」
初春(幼女けなされてキレるあくせられーたんマジ天使)ハァハァ
佐天「え!?私!?」
固法「まぁそうね。……感心しないことだけど、ここじゃ実質部外者立ち入り禁止って形骸化しちゃってるし…」ハァ
佐天「あ、あははは……」
固法「そんな小さな子を一人で帰すわけにも行かないしね。今日のところは特例にするわ」
打ち止め「ありがとう、固法お姉ちゃん!ってミサカはミサカは全力でお礼してみる!」ニコー
固法(う、かわいい……)キュン
固法「いいのよ。でも、大人しくしていてね?」ナデ
打ち止め「うん!ってミサカはミサカは元気よく頷いてみたり!」
一方通行「…………」
固法「その銃に掛けた手、戻してくれない?一方通行くん。私は風紀委員よ。何の罪もない女の子に危害を加えたりしないわ」
一方通行「…透視能力か」
固法「そう。でも、能力がなくても気付くわよ。どこで何をして来たのか知らないけど、その殺気……。場所を選ばずに出すのは控えて欲しいわね」
一方通行「チッ……」
固法「あなたがこの子を大事に思ってるのは、この短い間でもよくわかったわ。でも、あなたが本気でここで風紀委員を続けるつもりならば、私達のことも信じてちょうだい」
一方通行「オマエらを?何の保証もないのに?」
固法「それはこれから私達のことを見ていてとしか言えないわね」
一方通行「……断れねェ義理があって顔を出しただけだ。続けるつもりはねェよ」
固法「冷やかしなら帰ってもらえないかしら。風紀委員はチームプレイなの。無駄にかき回されても迷惑だわ」キッ
一方通行「………」
佐天(うう、ピリピリしてるなぁ……)
黒子(さすが固法先輩…。第一位相手にも全く臆したところがございませんの)
初春(幼女に触られてキレそうになるあくせられーたん!子供にちょっかい出された母猫みたいかわぃいい!!!あーかわいいなぁ、毎日コレとか完全に天国です!天国来い!)
初春「待ってくださいよ一方通行さん、固法先輩。まだ今日は初日なんですから、すぐに結論を出さなくてもいいんじゃないですか?」
固法「……そうね。警備員からの紹介状には、『少し厄介そうに見えるけど根はいいヤツだからよろしくじゃん』なんて書いてあったし…。少し熱くなりすぎてしまったわ。ごめんなさい」フゥ
一方通行「黄泉川の野郎……」
打ち止め「ヨミカワはあなたを心配してるんだよ?固法お姉ちゃんもいい人だと思う!ってミサカはミサカは、でもミサカのこと心配してくれて嬉しいなって喜んでみたり」ギュッ
一方通行「くっつくな鬱陶しィ」
初春「仲良しですね~」ウフフ
初春(幼女にまとわりつかれるあくせられーたん!!はぁはぁ!かわいいいい!!)
黒子「はぁ……そもそも打ち止めさんはどうしてこの方についていらしたんですの?風紀委員の支部は遊び場ではありませんのよ」
打ち止め「え?どうせこの人のことだから、色々と気を使って貰っても『鬱陶しい』とか『余計な世話だ』とかキリッて切捨てちゃうに決まってるから!ミサカはフォロー係だよ!」
黒子「」ブフォッ
佐天「」プッ
固法「」クッ…
初春「」ブルブル
初春(かンわいィいいいい!!幼女にフォローされる最強かんわいいいィいいい!!!)
打ち止め「この人は短気で喧嘩っ早いし態度もチンピラみたいだけど、すごく優しいし、カッコイイの!ってミサカはミサカは渾身のフォローを試みたり!」キリッ
一方通行「フォローのつもりかそれは」ビシッ
打ち止め「あいたぁ!?ってミサカはミサカは頭を押さえてみる…」
一方通行(珍しくぶらさがって離れねェと思ったら、そンなこと考えてやがったのかコイツは)ハァ
初春「私は元々信頼していましたよ?命の恩人ですし」
初春(かわいすぎるしなJK。マジかわいすぎんだろ何でこんな細いの?ウサギちゃんなの?これでいて最強とかなんたる第一位ですか、萌え具合も第一位フゥハハハハ!!)ハァハァ
黒子「(クスクス)まぁ、打ち止めさんがいらしたことで、この方の粗暴さがマイルドになったことは間違いありませんわね」
佐天「こんな小さい子に慕われてるんだったら、見た目より怖くないんですよねーきっと」
固法「打ち止めちゃんの目論見は成功ってところね」クス
打ち止め「(パァッ)えへへ…!よかった!ってミサカはミサカは、この人のことよろしくお願いします!って勢いよく頭を下げてみたり!」ペコーン
一方通行「オイ聞いてたのか今の、割と散々な言われようだぞオイ」
打ち止め「それはあなたの態度が問題なの!初対面の人に凄んだらダメって前から言ってるでしょ!?めっ!ってミサカはミサカは叱り付けてみたり!」メッ
一方通行「いい度胸だなクソガキィ」ムニーー
打ち止め「いひゃーい!ほっへはほはははいへーー!!っへひひゃははひひゃはは」
固法「はぁ…こうやって見てたら微笑ましいんだけど」
黒子「そうですわね。第一位といえば、色々と血生臭い噂があると聞き及びますが…」
佐天「そうなんですか?とてもそんな風には見えませんよ」
初春「本当に仲良しなんですねー」ウフフ
初春(幼女に叱られて頬っぺたむにむにするあくせられーたん!!やべェよォおおおおおお)
黒子「打ち止めさんに免じてここは黒子が引いて差し上げますわ。…ごめんなさい。わたくし、打ち止めさんのお名前を悪く言ったつもりはありませんでしたのよ」
一方通行「………」
黒子「しかし、ですの。打ち止めさんの言う通り、あなたの態度にも問題があるのではなくて? その粗暴な言葉遣いなど、スキルアウト並ですわよ」
一方通行「言葉遣いねェ。オマエこそ、その人を小バカにしたような言葉遣いどうにかなンねェのかよ?」
黒子「んな!?こ、この黒子の淑女としてカンペキな言葉遣いのどこが!?」キー
一方通行「そォいうの、慇懃無礼って言うンじゃないですかァ?」フン
黒子「やっぱり失礼な方ですの!く、黒子が慇懃無礼ならあなたはただの無礼者ですの!!」
打ち止め「待ってあなた!ミサカのために争わないで!」キャッ
一方通行「誰がオマエのためだァ!」ビシッ
打ち止め「きゃう!ってミサカはミサカは」
黒子「打ち止めさん…。そうですわね、改めて黒子に謝罪をさせてくださいまし」
打ち止め「え?ミサカは全然気にしてなーいよ!ってミサカはミサカは黒子お姉ちゃんに笑いかけてみたり!」ニコー
黒子「(キュン)か、かわいらしいですの……。って、ん?んんん…?」マジマジ
打ち止め「ん?ってミサカはミサカは首を傾げてみる」??
黒子「先ほどから第一位様のことに気を取られていて気付きませんでしたが…あなたのそのかわいらしいお顔……」
打ち止め「えっ!?か、かわいいなんてそんな!ってミサカはミサカは照れちゃうのだ」テレ
黒子「お、お姉様そっくりですのォおおおお!!!!」カッ
一方通行「!」ピク
打ち止め「!!」
黒子「そ、それにご自分のことを、御坂と…もしや打ち止めさんは御坂美琴お姉様のご家族ですの!?」
打ち止め「え!?えーと、えーとねぇ…」チラ
一方通行(オリジナルの関係者か…。チッ、そういやコイツ、常盤台の制服着てやがる)
一方通行(うかつだったなァ…。一般人を消すワケにも行かねェし…ちっと『説得』でもすっか?)
打ち止め「ちょっとあなた!何物騒なこと考えてるの!?ってミサカはミサカはメッ!てしてみる!」
一方通行「オマエ…何勝手に人の脳内ジョーク盗み見してンだよ」
打ち止め「ジョークだと…?ってミサカはミサカは結構考えてることが顔に出るあなたのジョークセンスのなさに驚きを隠せない…」ブルブル
一方通行「あァ?その頬っぺたどこまで伸びるか確かめてほしいィ?」ムニィー
打ち止め「いひゃーい!ほんほにあなははー!」
黒子「あ、あのぉ~……無視なさらないでいただけます?」
初春(あくせられーたんハァハァ)
ビビビ ビビビ
固法「!」
黒子「!緊急入電!?初春!!」
初春「はい!…警備員からの緊急要請です!『第七学区の五菱銀行に強盗ニ名!人質を取り、銀行内に立てこもっている状況。なお、犯人は駆動鎧を装備!付近の風紀委員は至急、周辺住民の避難誘導に協力されたし!』」
固法「駆動鎧ですって…!?単なる銀行強盗が何故!」
初春「最近多いですよね。学園都市の最新兵器をその辺のスキルアウトが持ち出して…ってタイプの事件…」
黒子「…五菱銀行……」キッ
固法「!!白井さん、ダメよ!駆動鎧なんて私達学生の歯が立つ相手ではないわ!警備員もあくまで避難誘導に協力してほしいって言ってるだけでしょう!?」
黒子「でも、人質を取っていると…!わたくしの空間移動が助けになれるに違いありませんの!」
固法「白井さん!!あなたは何も学んでいないの!?」
黒子「無理はしません。約束いたしますわ、固法先輩」シュンッ
固法「あっ!~~~っ、もう……!!!」
一方通行「…………」
打ち止め「急に緊迫した雰囲気ね…ってミサカはミサカは空気を読んでヒソヒソしてみる…」ヒソヒソ
固法「一方通行くん!」キッ
一方通行「……」チラ
固法「新人研修よ。白井さんに付いて、風紀委員の仕事を見学していらっしゃい!」
一方通行「はァ?何言ってンだオマエ」
固法「言ったでしょう?新人研修よ。あなたは適性試験は免除されたようだけれど、新人は新人。風紀委員には皆研修が課せられているの。先輩の風紀委員について、仕事の厳しさと内容を理解する義務があるわ」
一方通行「研修ゥ…?この俺が?」
固法「あなたが学園都市第一位の能力者であったとしても、新人であることに変わりはないわ。新人の義務をこなしてもらうわよ」
一方通行「……俺はアイツが危なくなっても、助けたりしてやるほど親切じゃないぜェ?」
固法「あら、誰も助けろなんて言ってないわよ。新人研修中は大人しく見学するのが当然だもの」
一方通行「………」
固法「………」
一方通行「……チッ」
固法「さあ、早く行きなさい。一方通行くん。……初春さん、白井さんの現在位置は?」
初春「はい!第七学区五菱銀行まであと1600メートル!」
一方通行「はァ…。マジで見学するだけだぞ、俺は」スクッ
打ち止め「あれ、ホントに行くの?ってミサカはミサカはやけに素直なあなたを不思議そうに見上げてみたり!」
一方通行「うっせェクソガキ。おら、行くぞ」
打ち止め「はーい!ってミサカはミサカは喜んであなたに抱き上げられてみたり!」
固法「ちょ、ちょっと!打ち止めちゃんを連れて行く気!?」
一方通行「あァ?こンなとこにコイツを置いて行くわけねェだろ」ガラガラ
打ち止め「きゃっ!ミサカ愛されてる!ってミサカはミサカは窓を開けるあなたの意図を察して力一杯しがみついてみる!」ギュー
固法「だからもうちょっと私達を信用してって…!」
一方通行「無理だわ」
ダンッ
バシューーーン!!!
打ち止め「きゃっほぉーーーー!!ってミサカはミサカは風を感じるぅううーー!」
一方通行「黙ってろクソガキィ!」
シューーーン……
固法「」ポカーン
佐天「すごい速さで飛んでっちゃいましたねぇ…。さすがレベル5!」キラキラ
初春「そういえば前も飛んでましたよ。さすが第一位ですねぇ」
初春(ただでさえ天使のあくせられーたんがホントに飛んでっちゃってマジ天使)
「ねぇねぇ、あなたが固法お姉ちゃんに素直に従ったのって、なんとなくヨミカワに似てるから? ってミサカはミサカはズバリ図星を突いてみたり!」
猛スピードで空を飛ぶことにもスッカリ慣れた打ち止めが、耳元でハシャいだ声を上げる。
「うっせェ。黙ってろ」
一方通行は言下に切り捨てるが、腕の中の少女は少しも大人しくはならない。
「やっぱり図星だね!ってミサカはミサカはしたり顔で頷いてみる。……あの大きなお胸とか、そっくりだよねぇ」
「誰が胸の話してンだ、アホか。雰囲気だ、雰囲気」
「だよねぇ?雰囲気、なんとなく似てるよね!ってミサカはミサカは会心の笑みを浮かべてみる!」
「あーもォ、ホントにうぜェなァオマエは」
浅い溜息をついた辺りで、第七学区五菱銀行付近に到達した。
適当なビルの上に着地し、座り込んでさっさと高みの見物を決め込む。
「警備員はまだ来てねェか。何をトロトロしてるンだか」
第七学区の大通り。現時点では付近住民の避難が大方完了したのか、本来は賑やかな放課後の時間帯に、広い通りは閑散としている。
幅二十メートルほどの五菱銀行の店舗には全面にシャッターが降りていて、中の様子を伺うことは出来ない。
「…お。出て来た」
突如、激しい騒音と共にニ体の駆動鎧が通りに躍り出た。中から力技で突き破られたらしきシャッターとガラスの破片が、勢い良くばら撒かれる。
「あンだけぶっ壊したのにまだあンのかよ…。どンだけ造ったンだあのアホは」
第三次世界大戦を経て、その後の様々な諍いを越え、学園都市の黒幕は消え去った。
だが、例えば冷戦終結後にロシアから周辺諸国へ数々の兵器が流出したように、必要とされなくなった学園都市の新兵器が、今まで入手することなど不可能だったような輩の手に渡っている。
『大口スポンサー』が消えたことにより、研究資金が打ち切られた果ての次善の策。日々の食い扶持を稼ぐための苦肉の策。
何にせよささいなくだらない理由で、わずかな金と殺傷能力の高い兵器が交換された。
いくら警備員や風紀委員がやっとのことで兵器を回収しても、後から後から湧いて来るのだ。
皮肉なことに、黒幕の存在した頃よりも、今現在の方が警備員・風紀委員の出動回数は増えていた。
『チッ…!調子に乗るんじゃねぇぞ、風紀委員のクソガキがぁ!』
『ぶッ殺してやる!!』
外部スピーカーと通した、篭もった叫び声が響き渡る。
「おやめなさい!すぐに警備員が来ます、逃げられるはずがありませんわ!」
『は、常套句だねぇ風紀委員のお嬢ちゃんよぉ!』
黒子は、顔が見えなくても想像出来るような粗野な声音に、眉を顰めた。
人型の鋼鉄の塊のうち一体は、腕に金が詰まったジュラルミンケースと高校生らしき少女を抱えている。顔色を失ってぐったりした彼女に意識があるのかは、窺い知れない。
(不意を突いて一人は解放できましたが…。ここからが勝負ですの)
銀行内に突入した際には、それぞれが一人ずつの人質を抱えていた。裏口から入り、状況を把握して一人は空間移動により助け出したが、犯人は予想以上に短気だった。
黒子の計画では、建物内で身を隠しながら人質を助け、警備員の到着を待つ予定だったのに、早々に通りに飛び出されてしまったのだ。
道幅約二十メートル。直線の通りの見晴らしは良く、遮蔽物もあまりない。相手は防弾処理をしているはずのシャッターを、紙のように引き裂く駆動鎧二体。
だが、だからと言って逃げてしまっては、人質がどうなるか。
『オイ、こいつは俺にやらせろ。粋がったガキに現実を思い知らせてやる』
『あァ…?しょうがねぇなぁ、さっさとしろよ』
人質を抱えた方の駆動鎧が下がり、もう一体が進み出る。
『死ね!!!』
ストレートな罵声と共に、腕と一体化した機関銃が黒子に向けられた。
「やるしか、ありませんわね…!」
固法にも宣言した通り、一人で駆動鎧二体を無力化させようなどというつもりはない。ただ、人質だけは助ける。
あの気高い電撃姫に半歩でも近づくため。風紀委員としての誇りのため。絶対にだ。
(一体だけが相手なら、チャンスは必ずありますの!)
銃口が火を吹くより先に、黒子は犯人の背後に転移した。
スカートを捲くり上げ、太腿に仕込んである鉄針を数本纏めて飛ばす。
『クソが!チョロチョロ動きやがってぇえ!!』
だが犯人の動きには何の変化もない。ダダダダダ、という連続した破裂音を響かせながら、腕を黒子の方向に向けなおす。
(クッ、これくらいのダメージでは…!)
生身の身体に当たれば効果抜群の鉄針だが、神経など通っていない兵器相手では相性が悪い。
自らの能力の限界値は、飛距離が最大81.5m、質量が130.7kg。
駆動鎧の重さは見たところ1トン近いので、能力で引っぺがすことは難しいだろう。第一、動き回っている相手に能力を行使するのは危険な賭けだ。
殺してしまうわけにはいかないから頭部や胴体部は避けなければならず、的として小さい手足は絶えず動いており、中々攻撃が当たらない。
「それなら!」
黒子は銃弾に当たらないよう連続して転移を繰り返しながら、アスファルトに落ちていた三十センチ四方ほどのシャッターの破片に触れた。
『グッ…!?』
火花を吹き続けていた銃身に、破片が突き刺さる。それでも連射を続けたのか、耳障りな異音と共に銃身が破裂した。
『ぐァ!?く、ッソがぁ…!!』
「点でダメなら面で攻めろ、ですの。あなた方の暴挙の成果、利用させてもらいますわよ!」
思わず動きを止めた駆動鎧に、間髪入れず、適当な大きさの瓦礫や破片を叩き込む。両腕の機関銃を無力化させ、黒子は微かに笑みを浮かべた。
相手が動いているため目測はズレたが、相手の武器を潰したのは大きい。
(行けるかも…!)
遠くからパトカーの音も聞こえてきた。警備員が到着するのはすぐだろう。
勝算が出て来た、と更に攻撃を重ねるため、演算を始めた瞬間だった。
パン、と。
あまりに軽い音で、数秒は何が起こったかわからなかった。
「ぐ……っ!?」
突如火花が散るように、右肩で激痛が弾ける。
考えるよりも先に大きく横に跳べば、半瞬前まで立っていたアスファルトが弾け飛んだ。
『時間切れ~。そろそろ殺して逃げようぜ。なっさけねぇなーお前。ンなガキ一人によぉ』
『うるせぇ!!』
今の今まで沈黙していたもう一体に攻撃されたのだと理解し、黒子は自らの迂闊さに歯噛みした。あんなクズの言うことを間に受けて意識から外すなど、どうかしている。
(これはマズイことになりましたの)
空間移動にはかなりの集中力を要する。痛みで意識が阻害されれば、能力の発動が不可能になってしまうという、致命的な弱点を有していた。
『あ~イッライラするわ。…ま、いっか。テレポート系って怪我すると能力使えなくなるって話聞いたことあるし』
「く……」
黒子の額に、じわりと嫌な汗が滲む。
『お、マジで?へぇ…なぁ、お前今から死ぬけど、どんな気分?』
駆動鎧が二体、恐怖を煽るようにゆっくり近付く。黒子の頭部にピタリと合わさった銃口の照準は外れない。
今まで黒子と戦っていた駆動鎧の方が、破壊された銃身をグルグル回した。
『お前がこれ壊しちまったからさぁ、殴り殺しで決定な?カワイソーに、結構カワイイのに』
『何お前、ロリコン?こんなガキ』
『うるせぇよ。あ、そうだー。お前がそこで大人しく殺されるんなら…この人質の命は助けてやってもいいぜ』
「!?」
黒子は息を呑んだ。
『お前みたいなクソうぜータイプは、こういうのが一番効くからな。逃げる途中で警備員の盾にするつもりだったんだけどよ、気が変わったわ』
「クズが……!」
『はいはいクズですよー。で、どうする?もう一回くらいならテレポート出来るんじゃね?別に逃げたって構わないぜぇ、コイツが死ぬだけだからな』
ぎゃははは、と神経を引っ掻くような笑い声が響き渡る。
確かに、あと一回なら可能だろう。ただし、それが限界。何より、それを見抜かれていることが悔しかった。
パトカーの音は近付いている。あと数分も掛からないだろう。
『はい、制限時間十秒な。いいぜぇ?逃げたってさぁ』
黒子は、クズの遊び道具にされている自らを自覚し、忸怩たる思いに唇を噛み締める。彼らの目的に気付いたからだ。
『正義の風紀委員がカワイソーな人質を見捨てたって、だーれにも言い降らしたりしないってぇ』
粘ついた声音には、人ひとりのプライドを粉々にしてやりたいという、下卑た欲望が溢れている。
「………」
黒子は、ギリ、と奥歯を噛み締めた。
『はい10、9、8、7……ほらほら、どぉするのー?』
銃口に意識を向けたまま、瞬きもせず人質と駆動鎧二体を見据える。玉になった汗が、頬を伝って顎から滴り落ちた。
『6、5、…おら、いい加減本性出せって。どうせお前も、自分の身が一番かわいいだろ?それが普通だよ、誰も彼も……俺達と何にも変わらねぇ』
浅ましい威嚇と微かな諦観を滲ませた声を耳にして、黒子は、眦に力を入れた。
「……寝言は寝てから言ってほしいものですわね」
自らの誇りを、手元に返して握り締める。
「あなた方がどうしてそこまで落ちたかは、存じ上げません。あなた方の見てきたものを否定するつもりもありません。けれど、わたくしは決して、守るべき人を見捨てない。絶対に」
誇りとは、黒子にとって身体を支える筋肉のようなもの。毎日毎日鍛え上げ、強くなっていくもの。
少しでも怠ればすぐに衰えてしまう、けれど日々の積み重ねが必ず強固にしてくれるもの。
「絶対に、逃げない」
今この瞬間の選択が、目指す少女の側へ至る資格を形作ると、信じている。
「わたくしは、風紀委員なのですから!!!!」
『ほざけクソガキぃいいいいい!!!!』
逆上したように雄たけびを上げ、銃身を壊した方の駆動鎧が、大きく腕を振り上げた。
(今…っ!)
進み出た駆動鎧が、銃口と黒子を結んでいた直線を遮る。狙い通りのタイミングで、黒子は地を蹴った。
ギリギリのところで鋼鉄の腕をかわし、その後ろへと大きく踏み出す。
人質を抱えた、もう一体の駆動鎧の方へと。
『な…っ!?』
驚愕の声が響いた時には、すでに人質の腕に触れていた。
「言っておりませんでしたが、わたくし体術も得意ですのよ」
会心の笑みを閃かせ、人質の少女を力の限り正確に飛ばす。狙ったのは銀行ビルの屋上だ。
手応えはあった。計画は成功した。
『ふざけんじゃねぇぞぉおおお!!!』
目の奥に独特の鈍い痛み。予想通り、能力はもう使えない。
眼前に不吉な黒光りの銃口。迫り来るもう一体の駆動鎧。
ぞわり、と凍るような戦慄が走り抜ける。
「目と耳、塞いでろ。いいな?打ち止め」
「うん、ってミサカはミサカは言う通りにしてみる」
黒子は目を閉じなかった。絶対に諦めない。一発で死なない可能性もあり、そうすればチャンスが生まれる。
だが、目の前が真っ白に染まった時には、何が起こったのかわからなかった。
「まァ、見物料だ」
全く緊迫感というもののない、場違いでダルそうな声音。
「はぁ…?」
「雑用は後輩に任せろってことだよ、センパイ」
犯人と同じような口調。それなのに印象があまりに異なるのは、自分と同じ誇りを芯にしているからなのではないか。
そんな風な、自分も同じ場違いな思いに至ったときには、既に全てが終わっていた。
PM 5:46 風紀委員活動第一七七支部
黒子「あッ、つゥ~…!初春!もう少し丁寧にしてくださいまし!」
初春「丁寧にしたって消毒は染みるものです!まったくもう…!反省してくださいよ!?掠っただけだから良かったものの…」ハァ
固法「白井さん、始末書だからね」
黒子「ぐっ…!!!またですの…」
固法「そう、またよ!いい加減反省なさい!一方通行くんが助けてくれなかったら、どうなってたと思ってるの!?」
黒子「そ、それは……」シュン
黒子「あ、あの…第一位さま。先ほどは…」
一方通行「別にィ…。ま、後始末みたいなもンだ。気にすンなよ、センパイ」
黒子「その…先輩呼びはやめてくださらない?バカにしているようにしか聞こえませんの」
一方通行「え、パンダって呼んだ方がいいかァ?」キョトン
黒子「どぉ~してそこでパンダが出て来るんですのぉ!?」キー
佐天「……あれぇ、なんだか急に仲良くなってない?なんか雰囲気が…」
初春「そうですねー」
初春(ちょ!!きょとん顔いただきましたァ!!何これ何これ、目丸くしてんのかわいすぎるだろぉおおお!!!白井さんGJ!!)
打ち止め「この人は黒子お姉ちゃんのこと気に入ったみたいだよ!ってミサカはミサカはみんなの疑問を解消してみたり!」
黒子「えっ…?(キョトン)」
打ち止め「さっき、ずっと見てたの!ってミサカはミサカは、きっとこの人は黒子お姉ちゃんを助けてくれるって信じてたことを明かしてみたり!」
一方通行「余計なこと言ってンなクソガキ」ビシッ
打ち止め「あいたぁ!?」
黒子「…あっ、そういえば打ち止めさん!先ほどのお話ですが!!」
打ち止め「うっ…!ってミサカはミサカは正直うまく誤魔化せたと思ってたり…」
一方通行「……。超電磁砲はオマエにとって何なンだ?」
黒子「御坂美琴お姉様は、わたくしの敬愛する方です。お姉様を害するものを、わたくしは許しません」キッ
一方通行「ふゥン…。わかった。コイツのことは、超電磁砲には言うな」
黒子「何故?」
一方通行「アイツにとって、何の益にもならないことだから」
黒子「それはあなたが決めることではないのでは?」
一方通行「ま、そりゃそうだが…。逆に、オマエがアイツに言わないことで、何の不利益も生じない」
黒子「…それは本当ですの?」
一方通行「誓って」
黒子「誓うとは…何に?」
一方通行「……コイツに」ポン
打ち止め「ふぇ?ってミサカはミサカは、突然頭をポンポンされてビックリしてみたり」
黒子「………」
一方通行「………」
黒子「…わかりましたわ。あなたの言葉を信じましょう」
打ち止め「(パァッ)ありがとう、黒子お姉ちゃん!この人のことを信じてくれて!ってミサカはミサカは無愛想なこの人の代わりにお礼を言ってみる!」
黒子「(キュン)か、かわいいですの…」
黒子「(ハッ)い、いえ、お礼を言われるようなことではありませんのよ。…第一位さま」
一方通行「あ?」
黒子「だから、あなたもわたくし達のことを信じてくださいまし」
一方通行「なンだと?」
黒子「わたくしが信じるから、あなたもわたくし達のことを信じてください。あなたは後輩なのでしょう?先輩の言うことは聞き入れるものですわ」
一方通行「調子乗ンなよこの三下がァ…」
黒子「さ、三下!?言うにことかいてこの黒子を三下ですって!?」
固法「はいはい、落ち着いて白井さん。…で、どうするの?一方通行くん。風紀委員を続けるのかどうか、結論は出たのかしら?」
一方通行「…ま、しばらくは付き合ってやるよ」フン
打ち止め「やったー!ってミサカはミサカは喜んでみたり!」
一方通行なンでオマエが喜ぶンだよ…」ハァ
打ち止め「だって、お姉ちゃん達みんな優しいし、ミサカ大好きだもん!ってミサカはミサカはちょっと照れてみたり」エヘヘ
固法・黒子・佐天「」キュン
初春(天使ですか?幼女もいいものだ)キュン
打ち止め「それに…えへへ、あなただって、風紀委員のお仕事ならミサカにお話してくれるでしょ?ってミサカはミサカは、実はそれが一番嬉しかったり!」ニコ
一方通行「イチイチ話すか、めンどくせェ」ハァ
打ち止め「えええー!?ってミサカはミサカは不満の声を大にしてあげてみるぅー!」
一方通行「うっせェバーカ。ガキ」
打ち止め「むぅううう!ってミサカはミサカは!」
固法「ここも賑やかになるわねぇ…」ハァ
黒子「そうですわねぇ」クス
佐天「なんだかレベル5に親しみを持てそうです」クスクス
初春(賑やかなのはいいことじゃないですかぁ)
初春「天使と天使がじゃれあってマジ世界に光あれ」
固法「えっ」
黒子「えっ」
佐天「えっ」
そんなこんなで、一方通行さんは風紀委員になるようです。
764 : VIPに... - 2011/07/23 15:03:14.76 RHiatKv10 19/19以上です。ちょっと長かったかな…すまん、スレ立てるほどでもなくて。
あ、あと初春が腐女子ってとこも注意書きに書いといた方がよかったか?色々すんません。
一方さんは風紀委員の中だったら黒子のことを一番気に入りそうだと思いました。