1 : 以下、名... - 2012/03/27(火) 00:05:39.46 VM12fEun0 1/23


大きな透明な箱に閉じ込められた雪女。

雪女「くっ……こんなにあっさりと捕まってしまうなんて……!」

雪女「ここから出しなさいっ!」ガンガン

「無駄だよ、ボクが作ったその箱はいかなる妖力も受けつけない」

「もちろん純粋な腕力で壊せるほど脆くもない」

「つまり、君はそこから出られない」

雪女「私をどうするつもりなの!?」

「すぐに分かるさ」



元スレ
雪女「やめてぇっ……溶けるぅぅ……っ!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332774339/

4 : 以下、名... - 2012/03/27(火) 00:13:01.18 7AAKO1KM0 2/23


雪女が閉じ込められた箱を囲むように、設置されたストーブ5台。

「これはストーブといってね」

「人間にとっては暖を取るための機械だが、君にとってはどうだろう?」

男はストーブ5台のスイッチをつけた。

ブオオオ……

雪女「なんなの、この熱風は……」

雪女「あ、暑い……やめてぇっ!」


7 : 以下、名... - 2012/03/27(火) 00:19:01.34 7AAKO1KM0 3/23


雪女「か、体が……熱い……」

雪女「や、やめてぇ……!」

「やめないよ」

雪女「なぜこんなことをするの……!?」

雪女「私に何か恨みでもあるの……!?」

「ないよ」

「ボクの行動は、全てボクの好奇心によるものだ」


9 : 以下、名... - 2012/03/27(火) 00:25:01.43 7AAKO1KM0 4/23


雪女「はぁ……はぁ……」

雪女「お願い……なんでもするから……」

雪女「早くここから出してぇ……」

「う~む、思ったより変化がないな」

「よし、温度を上げよう」ピッ

雪女「!?」

雪女「いやっ、いやぁぁぁっ!」


12 : 以下、名... - 2012/03/27(火) 00:29:14.47 7AAKO1KM0 5/23


雪女「く、苦しい……はぁ、はぁ……」

雪女「ねぇ、お願い……私が悪かったのなら謝るわ」

雪女「だからもう、やめてぇっ!」

「キミはまったく悪くないし、やめるつもりもない」

「残念だけどね」

雪女「そ、そんなぁ……」


16 : 以下、名... - 2012/03/27(火) 00:34:51.60 7AAKO1KM0 6/23


「部屋の気温がだいぶ上がってきたね」

「ダメ押しにもう少しだけ温度を上げよう」ピッ

雪女「やめてぇっ……溶けるぅぅ……!」

雪女「私の体がぁっ……!」

雪女「い、いやぁぁぁっ……こんなの、こんなのやだぁ……」

「ようやく体が溶けてきたね」


18 : 以下、名... - 2012/03/27(火) 00:40:49.69 7AAKO1KM0 7/23


雪女「ひぃっ……か、体がぁぁぁ……」

「一度溶け始めると、早いものだね」

雪女「あ、あぁぁっ……こ、こんな……なんでぇ……」

雪女「いやぁ……あぁっ……」

雪女「た、助け……」

雪女「うぁ……」

「もう少しだな」


20 : 以下、名... - 2012/03/27(火) 00:43:34.20 7AAKO1KM0 8/23


チャプン…

一時間後、箱の中は水だけになった。

もちろんこの水は、元々は雪女だったものだ。

「完全に溶けたようだな」

「では、さっそく……」ガラガラ…

箱の下はタイヤがついており、男は箱を注意深く運んだ。


23 : 以下、名... - 2012/03/27(火) 00:49:06.62 7AAKO1KM0 9/23


男がやって来たのは浴室だった。

男は箱の中の水を注意深く浴槽に入れる。

一滴残らず入れる。

ストーブでだいぶ温めたため、雪女だった水はぬるかった。

(……本当は熱い湯の方が好きだけど)

(沸かさない方がいいだろうな)


28 : 以下、名... - 2012/03/27(火) 00:53:15.44 7AAKO1KM0 10/23


男は体を洗った。

頭のてっぺんからつま先まで、念入りに洗った。

そして普通の水で体を洗い流し、いざ浴槽へ。

「行くぞ……」チャプン

男は雪女だった水の中に入った。


29 : 以下、名... - 2012/03/27(火) 00:55:40.66 7AAKO1KM0 11/23


「うん……」

「悪くない……」チャプン

全身をくまなく、あの美しい雪女に抱き締められたような感覚が襲う。

「気持ちいい……」

「なんという気持ちよさだ」

男は水面を波立たせた。

「………」ジャブジャブ

まるであの雪女のような美しい波紋ができた。


31 : 以下、名... - 2012/03/27(火) 00:58:48.88 7AAKO1KM0 12/23


(ふぅ……)

(ようやく夢が叶った……)チャプ…

男は風呂が好きだった。

全国を巡り、あらゆる温泉に入った。

そんなある日、彼はある話を聞いた。

『雪女を溶かした水に入浴すると、とても気持ちいい』


43 : 以下、名... - 2012/03/27(火) 01:07:33.73 7AAKO1KM0 13/23


男は夢を叶えるため、妖怪を研究した。

雪女を探し求めた。

──そして苦心の末、雪山で雪女を捕えることに成功し、今に至る。

「この水が、雪女なんだよな」

(自分でやっておいてなんだが、とても信じられないよ)チャプチャプ

「ハハハ」チャプチャプ

男はしばし、水を弄ぶのを楽しんだ。


45 : 以下、名... - 2012/03/27(火) 01:10:21.30 7AAKO1KM0 14/23


「………」ブルッ

(体が冷えてきたな)

(そろそろ上がるか)ザバァ

男はなるべく雪女の水を減らさないよう、注意深く浴槽から上がった。

「さてと……」

「次の準備をするか」


49 : 以下、名... - 2012/03/27(火) 01:15:34.75 7AAKO1KM0 15/23


男は服を着ると、大量の氷を浴室にまぶした。

風呂場がどんどん冷えていく。

そして、しばらくすると──

「お久しぶり」

雪女「さっきはよくもやってくれたわね……!」

浴槽の水が雪女に戻った。


55 : 以下、名... - 2012/03/27(火) 01:22:08.57 7AAKO1KM0 16/23


「ボクは自分の夢のためにキミを汚した」

「キミを捕え、ストーブで溶かし、あげくその中に裸で入った」

「キミにとっては死にも勝る屈辱だったろう」

「もちろん、ただで済むとは思っていない」

「ボクの命一つでキミの怒りが収まるとはとても思えないけど──」

「殺すなり、凍らすなり、キミの好きにしてくれ」


59 : 以下、名... - 2012/03/27(火) 01:25:52.67 7AAKO1KM0 17/23


雪女「あれだけのことをしておいて、ずいぶん潔いじゃない」

「最初からこうすると心に決めていたからね」

雪女「つまり、アナタは私の思うがままってこと?」

「そうだ。好きにするといい」

雪女「ふふふ……それじゃあ……」

「………」

雪女「もう一回やって」

「えっ」


67 : 以下、名... - 2012/03/27(火) 01:30:27.14 7AAKO1KM0 18/23


「ゴメン、もう一回いってくれないか?」

雪女「だから、私を溶かしてもう一回さっきのやってよ」

「いやいやいやいや、意味が分からない」

「キミはあれだけの仕打ちを受けたんだぞ?」

雪女「えぇ、最高だったわ……」

「えっ」


72 : 以下、名... - 2012/03/27(火) 01:33:55.82 7AAKO1KM0 19/23


雪女「私はアナタによって溶かされて──」

雪女「体の全てが液体となった」

雪女「アナタはそんな私に全身を委ね、私を存分にかき回したのよ」

雪女「まさか、あんなにキモチいいなんて……思わなかった……」

雪女「ほら、さっきまでのことを思い出すだけで……」

雪女「あ、あァッ……!」ビクッ

雪女「ハァ……ハァ……」

「………!」


80 : 以下、名... - 2012/03/27(火) 01:40:23.25 7AAKO1KM0 20/23


「わ、悪いが……ボクはもうキミを溶かすつもりは……」

雪女「あら、逃げるの?」

雪女「うふふ……ダメよ。逃がさない」フワッ

「あ……あ……」

雪女「さっきまでの威勢はどうしたの?」

雪女「こんなに顔を真っ赤にして……」

雪女「うふふ……」


87 : 以下、名... - 2012/03/27(火) 01:47:22.03 7AAKO1KM0 21/23


雪女「それに……私に浸かってる最中……」

雪女「アナタ、ずっとおっきくしてたじゃない。ちゃんと知ってるんだから」

雪女「キモチよかったんでしょ? ……私の中」

「いや……あれは……」

雪女「あら、今もおっきいのね……どれどれ」スリスリ

「や、やめっ──!」

雪女「うふふ……」スリスリ

「あ、あ、あぁっ……!」ビュルッ

「ああぁっ!」ビュルルルッ

雪女「うふふ、いい声ね……」

「あ、あ、あ……」ビクッ ビクッ

雪女「あらあら汚れちゃった」

雪女「じゃあもう一回お風呂に入らないとね……」


89 : 以下、名... - 2012/03/27(火) 01:54:38.90 7AAKO1KM0 22/23


「い、いや、でも……」

雪女「今度は浸かりながら出してもいいのよ?」

雪女「アナタの分身だって、私の中を泳ぎ回りたいはずよ」

雪女「きっと私もさらなる快楽が得られると思うし……」

雪女「想像しただけでゾクゾクしちゃう」

雪女「ね?」

「ハァ……ハァ……ハァ……」

雪女「なんだったら人のカタチのまま相手してあげてもいいし……」

雪女「これからアナタと二人、楽しくなりそうね……」


92 : 以下、名... - 2012/03/27(火) 01:59:26.52 7AAKO1KM0 23/23


(捕まったのは……雪女じゃなかった)

(捕まったのは──)

(ボクだった……!)

(ボクはもう、身も心も彼女のモノ……)

(ミモココロモ、カノジョノモノ……)



                                   <おわり>


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