男「本当は俺のことが好きなんだろ?あんなDQNは女に釣り合わないよ!」
枕「・・・」
男「どうだ!俺のテクニックは!ん?びしょびしょにしてやるぜ!」
男「クチュクチュ」枕さわさわ
枕「・・・」
男「ちっくしょぉおお!!!」
その夜、宣言通りに枕はびしょびしょになった
元スレ
男「女、好きだ!」ちゅっ 枕「・・・」
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1244464178/
チュンチュン・・・
男(ん、朝かー・・・)
男(枕に話しかけてから寝るのは何日になるだろうか)
男(女・・・『喧嘩なんかキライ』って言ってたじゃないか)
女『ウチの彼氏喧嘩ちょー強いかんね』
男「嫉妬!いや、シット!くそったれ!捨て犬の気分さ」
男「あー地球爆発しねぇかな。もしくは俺のテクで女寝とるとかwwwフヒヒ」
母「男ー!お母さん仕事行くから、今日はちゃんと学校いくのよー!」
男「えーまだお腹痛いんだよ・・・」
母「嘘おっしゃい!昨日はすき焼きたらふく食べてたでしょ!」
男「わかったわかった。うるせーなぁ」ボソッ
母「なんか言った!?」
男「なんも言ってないよ!行ってらっしゃい!」
男「早く行けよババア」ボソッ
こうしてまた男の憂鬱な学校生活が始まった
男「しょうがない、行くか。学校!」
男(男くんどうしたの?一週間も学校休んで。心配したんだよ?)ニヤニヤ
男(悪るかった、機関のやつらに捕まってさぁ、俺としたことが・・・)ニヤニヤ
男(でも良かった無事で!私男くんが死んじゃったら・・・)ニヤニヤ
幼女「ほらママ、かいぶつがニヤニヤしてるよ!」ブルブル
親「駄目よ見ちゃ、食べられちゃうわよ」ウフフ
男(久しぶりの教室・・・緊張するぜ。ここは元気に明るくっと)
男「おっはよー!いやぁ~機関にさ、き、機関に・・・・」
シーーーーン。
クラスメイトA「生きてたんだ・・・」ボソッ
クラスメイトB「しー!聞こえるって」クスクス
クラスメイトC「いいじゃん別に」ケタケタ
男「カァァァ////・・・・」ガタン!着席
男(はぁ、やっぱ休めばよかった)
女が休んでいたのが唯一の救いだった
キーンコーンカーンコーン
男「寝たふりしてる間に放課後かー」
回りを取り囲むように下げられた机、そして黒板には「一人で掃除やっとけ!寝てた罰だ!担任」
男「ちぇー、じゃあ起こせよ」
男「まあいっか、やろやろ。女(枕)待っててくれよな!」
掃除が終わり、取り損ねた昼食を一人、教室で食べていた男に、ふと女の事がよぎった
女、男の家の隣に住んでいた少女。
まあ、正確には隣の隣の隣の隣のとなr…つかギリギリ同学区に住んでた少女。
彼女は天使だった。少なくとも男にとっては。
彼女は優しく、賢く、なにより……可愛いかった。
苛められ、一人ぼっちだった男に唯一友と呼べる人、それが女だった。
女と男は毎日、日が暮れるまで遊んだ。
ごめん、正確には時々。なにせ彼女は人気者だったからね!
女にはクラスメイトの一男子だったろう。
でも男にとっては唯一の友達で、社会との繋がりだった。
ある日、二人きりでブランコに乗った。
多分色々話しただろうけど、覚えてるのはお互いの家族の話。
女は父子家庭で、男は母子家庭だった
それからは何故か急に仲良くなった。家庭環境が似ていたからかもしれない。
でもそんな事はどうでもいい。女と遊べる、それだけで世界が華やいだ。
今思えば一目惚れだったのかな。
男「ふぅ。腹もふくれたし、帰るかな!おっと!今日は週刊少年跳躍の発売じゃねぇか!」
男「・・・・・・戻りたい、やり直したい」ポロポロ
男「あほらし、帰ろ帰ろ」スタスタ
「アン…ダメだよ…見られたらまずいって~もうヤーダー」
「いいじゃんオマエもやる気マンマンじゃん、ほらしゃぶれ」
男(ふおぉぉぉ!学校で淫行!?俺直行!)
男(隣かッ!俺の耳はごまかせねぇぜ!え?機関共)ソロソロ
その光景は多分、生涯男の脳裏に焼き付いて離れないと思う。
どうやって帰ったか覚えてない。只々、女(枕)にすがって泣いた
チュンチュン…
男(朝か…もうどうでもいいや…)
男(女……DQNと…)
男「…………うっぷ」
ダダダガチャッ!ゲロゲロ
男「ふぃーくっせー息。」
男「ほんと、くっせ」フキフキ
その日は寝た。今は女(枕)、いや、『枕』だけが男の味方だった
枕は拒絶しない、男を。
男(まあ枕だし)
枕は見つめる、泣きじゃくる男を。
男(目ないけど)
枕は拭い去る、男の涙を。
男(染み込むだけなんだが)
枕は枕は枕は枕は枕枕枕枕m・・・・・
チュンチュン…
男(夢、か。枕ねぇ、そりゃ枕が超絶可愛い女の子になったら…フヒヒ)
男(起きたくねぇなあー枕たん今行くよ夢の世界へ)
スッ
男(なんかあったけー。ふかふかするし)ウトウト…
クンクン
男(なんだろ、良い匂い。それにさっきからおでこに柔らかい感触が…)
男(待てよ?この安らぎは枕たん?ボキの願いが通じたってこどでふか?)
「ほら、起きなよ。お昼、食べないの?」
男(ああ・・・枕たん。健気で家庭的。)
男「ふぉぉおおお!枕たん枕たーん!!」ガバァッ!ニャー!
母「は?だ、大丈夫?頭」
男「かかか、母ちゃん!?俺の枕たんは?ふかふかおっぱいの!」キョロキョロ
マロ(猫)「ウニャ?」スリスリ
男「枕たん。夢か、そうだよな。柔らかくて温かいのは、おっぱいじゃなくてマロだったのか。」
男「じゃあ一昨日の女とDQNも夢なんじゃ…!そうだよ!あの日女は学校休んでたろ?」
男「よかったぁ…俺、俺」ポロポロ
母「本当に大丈夫?」
男「ああ!もう平気だ!夢だ!夢だった!ヒャッホーイ」
男は知らない。あの日は夢ではなく現実だということを。
男はあの日、朝から放課後まで寝ていたから。 女は遅刻しただけだった
男「行ってきまーす!」
男(ああ、こんなに学校が待ち遠しいなんて・・・)
男(告白しよう、今日、ここで!DQNから女を救うんだ!)
ガラガラ!ピシャン!
男「女!好きだ!付き合ってくれ!」
DQN「はぁ?」
女 「はぁ?」
クラスメイト「はぁ?」
男(やっちゃったし…)ガクブル
DQN「女がなんだって?あぁ?」
男「あ、いや、その違くて」ブルブル
DQN「女を好きだとかぬかしてなかったか?」
男「ぬかしてないですぅ!ぬかしてないですぅ!
男「すき屋!すき屋の牛丼を女さんに奢りたいなぁ…なんて」エヘヘ
今の男には『痛み>女』なので当然保身にかかった
DQN「ん、そっか…じゃあ」
男「ありがとうございます」ペコペコ
男(ふぃー。低脳で助かったぜ!ま、俺が本気だしゃあお前は塵ものこらないがな!)
DQN「皆分奢るんだな?おーい!こいつが牛丼奢ってくれるってよ!」
男「はぁ?…いゃ、何でデスカ?そもそもですね、私、母子家庭でございまして、金銭的よゆ…」
DQN「逃がさねぇぞ」
昼休み・便所
男「はぁクラス全員?二万位するだろ、二万なんてねぇよ…マジで」
男「母ちゃんに頼むか?後でバイトしてって…」
男「ダメだ、今だって家計は火の車、それに母ちゃんには心配かけたくねぇ…」
どうしようどうしよう…今日逃げても明日、明後日またDQNが来る。どうしようどうしよう…
男「こうなったら…現実逃避ッッ!!!」
男「なんてな…土下座でもすっか。どうせプライドなんて元からねえし」
放課後
男「DQNさん、どうしてもお金が工面できません。今あるお金、3000円だけで勘弁していただけないでしょうか?」ペコペコ
DQN「親から盗ってこい」
男「それだけは!親だけは裏切りたくありません!」ドゲザ
DQN「知らねぇよ!じゃ殴らせろ」ビーシバーシ、シゲキヲクダサイ、ビーシバーシ、カンジターイ!
男「うぅ…」グッタリ
男「はぁはぁ…終わった、か?」ボロ
男「17000円儲けたぜー……うぅ」ポロポロ
男は泣いた。金を取られたからでも、殴られたからでもない。
本当に女が別人になっていたから。
殴られている人間を嘲り、自ら暴力をふるい、言葉で痛めつける。
もう男の知ってる女はいない。それが悔しかった
男「ただいま」
母「どうしの?その傷!誰にやられたの?」
男「転んだ」
母「何があったのよ?そんなの転んでできる傷じゃないでしょ!」
男「じゃ、落ちた」
母「ふざけないで!病院行こ?ね?」
男「いい。寝てれば治る。おやすみ」
男「最近は涙もろいな…はぁ、あ!ため息も…」
男「後で母ちゃんにフォローいれとくか」
男「枕たん…女、変わってた。別人。なんか涙も出ねぇや…」
男「違うよ!浮気じゃないよ!好きなのは枕たんだけさ!」ちゅっ
マロ「…」じー
男「何見てんだよ!しっしっ!お子ちゃまはさっさと寝な!」
マロ「…」フンッ
男「あ!今笑ったな!マロ、飯抜き!」
チュンチュン…
男「今日も枕は枕のままですか。枕たんの恥ずかしがり!」
男「おーいてて、全身が軋むぜ、でもなんか吹っ切れたし、今日も学校行こうかなぁ」
ガラガラ!
男「おっはよー!いゃあ機関のやつらにさ…」
シーーーーーン。
クラスメイトA「うっそ!アイツ来たよ?」ヒソヒソ
クラスメイトB「でも傷だらけ。うける」クスクス
クラスメイトC「キモイよね」ケタケタ
男(うるせぇなぁ…もうお前らに何て言われようがどうでも…)
クラスメイトD「そおかな?前より良くなったと思うけど」ヒソヒソ
クラスメイトE「確かに、見直したかも」ヒソヒソ
男(マジすか?うっひょぉおお!俺の時代きたでしょ!フヒヒw)ニタニタ
クラスメイトD(前言撤回)
クラスメイトE(前言撤回)
その日の授業は寝なかった。それにDQNはDQNだけどネチネチはしてなかった。
もしかしたら不気味がってただけかも。
とにかく絡まれずに一日を終え、ひとまず胸をなでおろした。
男(なんだか気分がいいな。昨日の今日ででさすがに絶好調とはいかないけど)
男(だけどここ数日で一番だ。
女を諦めたからかもしれないな。)
今日は泣かなくてすみそうだ
男(かっぱえびせん買ってかえるかな。母ちゃん好きだよな)
『母「かっぱえびせんは正義」キリッ』
男(ふふふ、喜ぶかなぁ母ちゃん)
男「あ!いけね!財布忘れてきた!」
男「財布、あったけど空っぽじゃん。情けねぇ」
男「ま、小遣いで買っても嬉しくねえよな。バイト、はじめるかぁ!」
ウゥーカーンカーンウゥー
男「火事かぁ?この帰宅ラッシュに?迷惑なやつ!」プププ
自宅アパート付近
男(なんかやばくね?家の方じゃん…まさかな)
男「家じゃん!母ちゃん!」ダダダ
母「男!こっちこっち!」ネコ抱き
男「良かった!大丈夫?どうしたの?」
母「うん、斜め下の部屋でタバコの不始末よ。ほんとにもう!」
男「良かったぁ……ってあ!枕たん!」
母「ちょっと何よ!どこ行くの!?」
男「枕!」
母「待ちなさい!枕って何よ!あの枕?」グイッ
男「そうだよ!あの枕だよ!助けなきゃ!」
母「意味わかんない!枕ならまた買いなさいよ!」
男「ダメなんだよ!あの枕じゃないと!枕たんがいないと…!」
火の海
男「枕たん枕たん…」ゲホゲホ
男「あ!枕たん!良かったぁー!枕たんもう離さないよ!」ちゅっ
男「さぁ行こう!脱出だ!」
ガラガラガラ!
男「う、うわぁ!」
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――――――――
―――――
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?「起きて。起きて下さい。」ナデナデ
男「ん?ここは?君は?」
?「枕です。あなたの。男さんの枕です。」ニコリ
男「枕…?そうだ!枕たんを助けにアパートに…って枕たん?本当に?」
枕たん「はい。本当に男さんの枕ですよ。」コクリ
男「枕たん…俺、死んだの?」
枕たん「いいえ。死んでません」フルフル
男「死んでない?…じゃあここは?」
枕たん「神様がほんの少し時間をくれました。」
男「時間?…時間って何の?」
枕たん「お別れを言う時間です。」ウルウル
男「は?お別れ?やだよ!ずっと会いたかった!ずっとお話ししてみたかったんだ!やっと会えたのに!」
枕たん「私もです。もっとあなたに安らぎをあげたかった。もっと話しを聞きたかったです」ポロポロ
枕たん「でもお別れです。あなたに愛されて、あなたの枕に生まれて良かったです。」
枕たん「ありがとうございました。さようなら。」ちゅっ
男「枕たん?枕たん!枕たーーん!」
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――――――――
―――――
――
男「ん…?」パチリ
母「先生!息子が息子が目を覚ました!」
母「よかった…!本当に良かった」
男「うん?母ちゃん?はっ!枕!枕たんは?」
母「枕?ああそうだ、あんた枕に助けられたのよ。」
男「枕たんに?」
母「あんたが持ってた枕が倒れた柱から頭を守ったの。ついでに煙からもね。」
男「枕たん……」ポロポロ
男「枕たん…。礼を言わなきゃならいのは俺のほうだよ。」
男「枕たん、ありがとう。また俺の枕に生まれて来てくれ」ボロボロマクラぎゅっ
数日後
男(枕たん…俺は枕たんのおかげで今もこうして生きてるぜ!)
男(バイトも始めた、勉強だって……まあそれなりに。友達も出来た!ちゃ、ちゃんと人間の!)
男(枕たん…ありがとう。また会おう!)
end
111 : 以下、名... - 2009/06/09(火) 02:49:36.27 MjvLKGHiO 36/36支援・保守して下さった皆様、大変ありがとうございました。
皆様思う所がございますでしょうが、そこは脳内補完でお願いいたします。
誠にありがとうございました。