1 : 以下、名... - 2010/06/23(水) 21:43:51.44 ONAjuzDVQ 1/147

「今日一緒に寝ていい?」

「え?いいよー」



元スレ
憂「お姉ちゃん」唯「何?憂?」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1277297031/

3 : 以下、名... - 2010/06/23(水) 21:59:36.39 ONAjuzDVO 2/147

ベット

「ねえ憂」

「なぁに?」

「最近悩んでいることない?」

「え?どうして?」

「だって最近あんまり私と話さないし…」

「…」

「憂?」ギュッ

「お姉ちゃんが好きなの」


7 : 以下、名... - 2010/06/23(水) 22:05:44.36 ONAjuzDVO 3/147

「え?私も好きだよ?」

(なんだそんなことだったのか~)

「ありがとうお姉ちゃん」

「えへへ」

「…でもね」

「違うんだよ」ギュッ

「え?」

「私はお姉ちゃんが好きなの」

「どういう…」

「一人の女性として好き」


8 : 以下、名... - 2010/06/23(水) 22:12:49.65 ONAjuzDVO 4/147

「こんな考えおかしいと思った」

「…」

「でも無理なんだよ」

「もう我慢出来ないかも知れない」

「憂?」

「お姉ちゃん」ギュウウ

「うい、ちょっと離して…」

「…」ギュウ


15 : 以下、名... - 2010/06/23(水) 22:22:50.30 ONAjuzDVO 5/147

「ごめん私ういの事は…」

「今なら」

「二人きりだねお姉ちゃん」ギュッ

「え…」ゾク

「…」バッ

(!)

「憂!何してっ…腕がっ」グイグイ

「憂!どうして腕縛るの?」


19 : 以下、名... - 2010/06/23(水) 22:32:44.53 ONAjuzDVO 6/147

「お姉ちゃん…」

「やめて!胸さわらないで…んっ!?」

「んっ」

(どうして…うい…)

「ふふ…お姉ちゃん、綺麗だよ」

「とっても…」

「グスッ…やめてよぅ…憂ぃ」

「お姉ちゃん…ちゅっ」

「…」ポロポロ


22 : 以下、名... - 2010/06/23(水) 22:39:40.01 ONAjuzDVO 7/147

「お姉ちゃん…、いいよね?」スッ

「グスッ…憂ぃ、どうしてぇ」

「お姉ちゃん…大好き、愛してる。んっ」

「ん…」ポロポロ

(あ…ういの手が下着の中に入って…

―――――――――――
―――――――――
―――――――


26 : 以下、名... - 2010/06/23(水) 22:45:27.20 ONAjuzDVO 8/147



「お姉ちゃん」

「…」

「私下に行ってご飯作って来るから」

「…」

スタスタ
「それじゃあ」

「…」

「…」

「…め…ね」バタン

(…)


28 : 以下、名... - 2010/06/23(水) 22:52:52.96 ONAjuzDVO 9/147

―――――
(私…)

(ういに)

(…ははっ、涙もう出ないや)

(…)

(みんな…)

「私…」


トントン
『お姉ちゃん?ご飯出来たよ』

「…」

『それから学校にはこれからしばらく休むって連絡したから』


32 : 以下、名... - 2010/06/23(水) 22:57:31.09 ONAjuzDVO 10/147

『…ご飯下にあるから』

「…」

『…』

『じゃあ私学校行くね』

『お姉ちゃん…勝手にどこかに行かないでね?』

「…」

『じゃあ…行って来ます』


36 : 以下、名... - 2010/06/23(水) 23:15:35.52 ONAjuzDVO 11/147

―――2週間後―――

(私はあれから学校に行かなくなった。憂が退学届けを出したらしい。)

(たまにけいおん部のみんなが来てくれるけど病気ということで憂が通してくれない。)

(私は一日中部屋にいてパソコンやテレビで時間を潰す。炊事洗濯は全部憂がやってくれるからいいし、足りない物はパソコンで注文するから不自由はしていない)


38 : 以下、名... - 2010/06/23(水) 23:23:51.43 ONAjuzDVO 12/147

(憂とのエッチも苦痛じゃなくなった。でも何も感じない。体は反応しても心が反応しない。)

「私…ずっとこのままなのかな」

「…たまにはギー太でも弾いてみようかな」ガシッ

「~♪」


40 : 以下、名... - 2010/06/23(水) 23:31:36.16 ONAjuzDVO 13/147

その頃学校

(唯先輩が来なくなってもう2週間以上たつのか)

(憂に聞いても病気としか言わないし唯先輩には携帯通じないし…)

(…やっぱり何か変だ)

「…よし」

―――

「ねえ憂」

「何?梓ちゃん?」

「今日唯先輩の所に行ってもいい?」

「え?いいけどお姉ちゃん病気だから…」

「お願い!唯先輩と2人きりで話がしたいの!」


41 : 以下、名... - 2010/06/23(水) 23:38:35.81 ONAjuzDVO 14/147

「今じゃなきゃ駄目?お姉ちゃんの病気が少し落ち着いてから…」

「お願い!これで最後にするから!」

「…」

「憂!このとうり!」

「…分かったよ」

「え?本当?」

「うん。私今日買い物して帰る。2人きりで話すんだったら今日がいいでしょ?」

「うん!ありがとう憂!」


42 : 以下、名... - 2010/06/23(水) 23:44:52.00 ONAjuzDVO 15/147

―もどって自宅―

「~♪」

ピンポーン

(誰?今日は憂は買い物して帰るんじゃ…)

『唯先輩私です!梓です!開けて下さい』

「あずにゃん…?」

『憂に許可はとってあります。ちょっと話がしたいんです』

(憂がいいって言ったのかな)

「ち、ちょっと待って!」スタスタ ガチャ


44 : 以下、名... - 2010/06/23(水) 23:53:38.03 ONAjuzDVO 16/147

「唯先輩…」

「あずにゃん…」

「とりあえず私の部屋に…」

「はい」
――――――

「それで話したい事って何?」

「はい。…率直に聞きます。唯先輩、何か隠していませんか?」


48 : 以下、名... - 2010/06/24(木) 00:04:15.01 Es47s7P1O 17/147

「え?別に何も…」

「唯先輩!」

「…」

「…もしかして憂と何かありました?」

「!」

「やっぱり…」

「あ、あずにゃん!私は何も…」

「その顔を見れば分かります!…いったい何があったんですか?」


68 : 以下、名... - 2010/06/24(木) 06:45:03.34 Es47s7P1O 18/147

「…」

「唯先輩!話して下さい!私達なら唯先輩を救えます!」

「…」

「…先輩…」

ガチャ
『ただいま~』

「!」

『…』スタスタ

(上がってこない?キッチンかな)

「…」

「唯先輩、お願いします、話して下さい」

(…私…は)


86 : 以下、名... - 2010/06/24(木) 18:35:12.88 Es47s7P1O 19/147

「私は…」

―――――――
「…そんなことが」

「うん…、ぐすっ…」

「唯先輩…、もう大丈夫です。もう憂の好きにはさせませんから」ギュッ

「あずにゃぁん…」ポロポロ

「唯先輩、もう一度聞きます。こんな生活は嫌ですか?」

「うん…またみんなと演奏したいよ…」

「…分かりました」


90 : 以下、名... - 2010/06/24(木) 18:42:16.74 Es47s7P1O 20/147

「それじゃあ一刻も早くここから抜け出しましょう」グイッ

「え?あずにゃん?」
スタスタ


――キッチン――

「憂」

「あ、梓ちゃん。どうしたの?よければ今日一緒にご飯食べ」

「唯先輩を苦しめるのはもう止めようよ」

「え…」


93 : 以下、名... - 2010/06/24(木) 18:59:38.92 Es47s7P1O 21/147

「唯先輩から話は聞いたから」

「!」

「…どういう」

「…」カチッ

『話してください!唯先輩!』
『私…は…ういに…』

「!」

『…いきなり抱きついてきて…』
『私は嫌だったのに…』

「……めて…っ!」


94 : 以下、名... - 2010/06/24(木) 19:05:57.70 Es47s7P1O 22/147

『もう一度聞きます。こんな生活は嫌ですか?』『うん』

「やめてよ!」

「…」カチ

「さあ、これで言い逃れは出来ないよ憂」

「…違う」

「…何が?」

「…お姉ちゃんがこんな事言うはずないよ!」

「お姉ちゃんは私が好きだもん!いっぱい好きって言ってくれたもん!」


97 : 以下、名... - 2010/06/24(木) 19:16:47.46 Es47s7P1O 23/147

「…じゃあ聞いてみる?」グイッ

スッ
「…」

「お姉ちゃん…」

「この声はお姉ちゃんじゃないよね?きっと誰か他の人が…」

「…」

「ねえ…お姉ちゃん…」スッ

「!」サッ

「お姉ちゃん、どうして」


116 : 以下、名... - 2010/06/24(木) 22:31:44.03 Es47s7P1O 24/147

「…」

「…お姉ちゃ」

「もう止めなよ、憂」

「唯先輩はしばらく私の家に泊まるから」

「え…?」

「ですよね、唯先輩?」

「」コクリ

(!)

「嘘だよねお姉ちゃんっ?」


118 : 以下、名... - 2010/06/24(木) 22:40:46.62 Es47s7P1O 25/147

「じゃあそういう訳だから。行きましょう唯先輩」グイッ

「うん…」スタスタ

「お姉ちゃん!?待って!行かないでっ!」ギュッ

「!」

「いやぁぁあああ!」ドンッ

「っ!」

「はあ…はあ…」

「…」ガチャ

「お姉ちゃんっ!……お願い、何にもしないから!だからっ!」

「…」
バタン


「…一人にしないで…、うっ…ぐすっ…」


125 : 以下、名... - 2010/06/24(木) 22:46:49.94 Es47s7P1O 26/147

―――――
「…ねえあずにゃん」

「はい」

「うい…また元にもどってくれるかな」

「唯先輩は憂が元にもどったら一緒に暮らすつもりですか?」

「うん。何があったとしてもたった一人の妹だしね」

「…」

「…」

「…唯先輩は、優しすぎます」


126 : 以下、名... - 2010/06/24(木) 22:52:18.29 Es47s7P1O 27/147

「えへへ、ありがとう」

「…」

「ねえ、あずにゃん」

「はい」

(これでいいんだよね?)

「ううん、何でもないよ」

「はあ…」


149 : 日本おめでとう - 2010/06/25(金) 05:59:20.31 YH3v/VVqO 28/147

―――2週間後―――
ガチャ
「ただいま~」

シーン

(私が家に帰ってきてから1週間か~)

(憂とはあれから全然口を聞いてないし…)

(というか明らかに避けられている)

「憂…今日もまだ帰って来てない…」

「こんな時間まで何してるんだろ」


152 : 以下、名... - 2010/06/25(金) 06:19:32.74 YH3v/VVqO 29/147

―――その頃学校―――

ドカッ
「ぐうっ…」

女1「あ~、マジ最高だわ」

女2「だよね~。容姿端麗、頭脳明晰な憂がまさかレズだったとは…ねっ!」
ドスッ

「っ!」

女1「しかも姉ととか…。この姉妹危なくね?ww」
ドカッ

「…」ギリッ

女2「何その目?反抗的な態度とるんじゃねぇよ!」
ガッ
ドカッ


―――――――
―――――
―――


155 : 以下、名... - 2010/06/25(金) 06:53:06.29 YH3v/VVqO 30/147


女1「はあ…はあ…」

女2「…今日はこんなもんでいいんじゃない?」

女1「だね…。」

「…」

女1「分かってると思うけど誰にも言うなよ」

女2「そうそう。あんたはまだしも姉はどんな目で見られるんだろうねぇ?」

「…」


179 : 以下、名... - 2010/06/25(金) 19:04:43.33 YH3v/VVqO 31/147

女1「はあ…はあ…」

女2「…今日はこんなもんでいいんじゃない?」

女1「だね…。」

「…」

女1「分かっていると思うけど誰にも言うなよ」

女2「まあそんなことしたら姉や親がどんな目で見られるか分かっているでしょ」

「…分かってるよ」


182 : 以下、名... - 2010/06/25(金) 19:11:07.70 YH3v/VVqO 32/147

女1「じゃあいいけど。また明日ね、憂」

女2「明日は女3と4の日でしょw」

女1「そうだっけwwストレス解消出来ないじゃんw」

女2「まあまあwとりあえず帰ろうw」

女1「そうだね。じゃあね~」

女2「じゃあ」

ガラガラ


「…」


183 : 書きため?してないけど何か? - 2010/06/25(金) 19:18:36.61 YH3v/VVqO 33/147

――自宅――

ガチャ
「…」

スタスタ

ガチャ

「…」

(憂またすぐに部屋に入っちゃったよ)

(話したいけどあずにゃんにあんまり憂に関わるなって言われているし…)

「防護用のスプレーもっていけば大丈夫だよね?」


185 : 以下、名... - 2010/06/25(金) 19:23:05.15 YH3v/VVqO 34/147

「…よし」

――

トントン

『う、うい?』

「…何」

『今日遅かったね。何してたの?』

「…別に何でもないよ」

(お姉ちゃん…部屋には入ってきてくれないんだね)
スッ


188 : 以下、名... - 2010/06/25(金) 19:30:16.95 YH3v/VVqO 35/147

『そう、それならいいんだけ』
ガチャ

「!」サッ

「…お姉ちゃん。そのスプレー…」

「あっ!な、何でもないよっ!蚊がいたから…」

「…」

「…そう。蚊は嫌だもんね。心配してくれてありがとう。でも何でもないよ」バタン

「あ、うい…』


189 : 以下、名... - 2010/06/25(金) 19:36:22.04 YH3v/VVqO 36/147

「…」

(さっきのスプレー…)

(お姉ちゃんにとって私はそういう対象なんだね…)

「…」

「ははっ、分かっていたとはいえちょっと苦しいな」ボソッ

「…ご飯作らなきゃ」


192 : 以下、名... - 2010/06/25(金) 19:49:16.69 YH3v/VVqO 37/147

―――唯の部屋―――
「うーん…バレてないよね?」

「大丈夫だよ。憂も蚊用のスプレーだと思っていたみたいだし」

「…」

トントン

『お姉ちゃん、ご飯出来たよ』

「分かった~、今いく~」

『…私先に下行ってるから』トテトテ

スタスタ


ガチャガチャ
「…あ、部屋鍵しめてたんだった」

ガチャン

「さ~てご飯ご飯」


205 : 代わりの書き手募集中 - 2010/06/25(金) 20:46:01.19 YH3v/VVqO 38/147

――次の日、学校――

ガラッ

「…」

スタスタ

(昨日は筆記用具忘れちゃったからな…)ゴソゴソ

「っ!」ズキッ

ツー

(…画鋲)


206 : 以下、名... - 2010/06/25(金) 20:53:12.95 YH3v/VVqO 39/147

クラスメート「…」

「…」

ガラガラ

先生「よし始めるぞー」

ガヤガヤ

(多分教科書にも…)パラ


『シネ』『レズ女』『近寄るな』『帰れ』


(…やっぱり)


208 : 以下、名... - 2010/06/25(金) 21:08:12.60 YH3v/VVqO 40/147

(まあ…全部私が悪かったんだから文句は言えないけどね)

(…そう、全部私が悪いんだ)

――――――
――――
―――

放課後

女3「やあ憂」

女4「ちゃんと待っててくれるんだ。えらいね」

「…」

女3「じゃあ早速だけど…手、縛らせてよ」


210 : 以下、名... - 2010/06/25(金) 21:13:46.81 YH3v/VVqO 41/147

「…」

「そんなことしなくても逃げないよ」

女3「何?反抗する気?」

「…分かったよ」

女4「そうそう、素直が一番だよ、憂」
スッ
ギュッ

「…」

「…で、今日は何分くらいかかるの?」

女3「ははっ、そんなこと心配しなくていいよ」


213 : 以下、名... - 2010/06/25(金) 21:19:56.80 YH3v/VVqO 42/147

女4「そうそう。今日は憂を蹴るとかそういうことしないから」

「…どういうこと?」

女3「憂…、憂って女の私から見ても綺麗だよね」

女4「そうそう、綺麗だよ。汚しちゃいたいくらいに」

「…!」ゾクッ

女3「ふふふ…前回は女1と2がいたけど今日はいないからね」


216 : 以下、名... - 2010/06/25(金) 21:24:40.40 YH3v/VVqO 43/147

女4「ふふふ」

ジリジリ

「い、いゃっ…!」ガクガク

女4「おっと。大きな声出したらお姉ちゃんがどうなるかわからないよ?」

「!」

女3「ふふふ…、いっぱい楽しもうね、憂。明日は休みだから時間はたっぷりあるし」

「っ…」


217 : 書き手募集中 - 2010/06/25(金) 21:34:20.54 YH3v/VVqO 44/147

女3「それじゃあ…」
ドンッ

ドサッ
「っ!」

「い、いやだ…」ガクガク

女4「ふふふ…、いいねその顔。強気の憂からは想像出来ないよ」

女3「じゃあ…いただくよ、憂」

ガバッ

ビリッ!

(いゃぁぁあああ!)


225 : 以下、名... - 2010/06/25(金) 21:46:56.88 YH3v/VVqO 45/147

―――――――
―――――
―――

「…」

女3「ふぅ……、最高だったよ、憂」

女4「ちょ、3w。あんた男かww」

女3「4だってあんなに激しくしておいて人の事言えないでしょww」

女4「そうかwまあいいけど。…憂大丈夫かな」
女3「大丈夫でしょ」

女4「そっか。もう憂が使えなくなるんじゃないかと心配したわ」


231 : 以下、名... - 2010/06/25(金) 21:52:42.63 YH3v/VVqO 46/147

女3「道具扱いかよwまあ私もそう思ってたけど」

女4「ふふふ、じゃあ私達は帰ろうか」

女3「うん、そうだね」
女3「じゃあね憂。また今度」

女4「楽しみにしているから」

ガラガラ


「……」


236 : 以下、名... - 2010/06/25(金) 22:04:57.57 YH3v/VVqO 47/147

「……」

「うっ…ぐすっ」ジワァ

(お姉ちゃんも…こんな気持ちだったのかな…)

「ごめんね、お姉ちゃん…」ポロポロ

―――――――
―――――
――――


237 : 以下、名... - 2010/06/25(金) 22:07:34.32 YH3v/VVqO 48/147

――平沢家――

ガチャ

「…」

スタスタ

コンコン
「お姉ちゃん…いる」

『う、うい?どうしたの?』

「…お姉ちゃん、ちょっと入るよ」

ガチャ

「え…」

(鍵かけるの忘れてた…)


241 : 以下、名... - 2010/06/25(金) 22:16:10.15 YH3v/VVqO 49/147

「…」

「…どうしたの?憂」ジリ

「…お姉ちゃん…」
ギュッ

「え…」ドクン

「やだ…離して…」グイッ

「お姉ちゃんまっ」

「いやだ…離してよっ!」ジタバタ

「違うの!何かするつもりじゃないの!暫くこのままでいさせ」

「やだぁあああ!」

プシュー!

「ううっ…!」フラッ

ドカッ

「…っ!」


242 : 以下、名... - 2010/06/25(金) 22:21:06.63 YH3v/VVqO 50/147

(あっ、タンスの角に頭を…)

「ううっ…」

「あっ…」

「うっ…ごめんねお姉ちゃん…。もう出るよ…」フラフラ

「う、憂」

「ごめんねお姉ちゃん、ごめんなさい…」
フラフラ

ガチャ
バタン

「うい…」


246 : 眠い - 2010/06/25(金) 22:37:40.51 YH3v/VVqO 51/147

――憂の部屋――

「っ!」フラフラ

ドサッ

「…」

(…あーあ)

(…お姉ちゃんだけが支えだったんだけどなあ)ズキッ

「…」

「お姉ちゃん…」ポロポロ


249 : 以下、名... - 2010/06/25(金) 22:46:24.58 YH3v/VVqO 52/147

――唯――

「…」

(憂…すっごく悲しそうな目してた)

「何で私はあんなこと…」

「…」

「…だってあんな電話もらったら…」

――
―――
――――

数時間前

ヴー、ヴー…

「あれ?あずにゃんからだ」


252 : 眠い - 2010/06/25(金) 22:54:13.10 YH3v/VVqO 53/147

「もしもし?」

『あ、唯先輩。ちょっといいですか?相談したい事があって…』

「?…なぁに?」

『えぇ…実は憂が…憂の視線怖いんです』

「え?どういうこと?」

『はい。あの時の…唯先輩を襲った時の目にそっくりで…』

「まさか…そんな…」

『今日は特に変です。唯先輩…気をつけてください。いきなり抱き付いたりしてくるかもしれません』


325 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 09:25:36.83 VB/BuYui0 54/147

「うん……、わかったよあずにゃん。憂とは話したいけど、まだ様子を見てみるよ……」

『そうしてくださいです。いざという時はスプレーを使ってくださいね』

「……でも、それは憂が可哀相だよ……」

「何言ってるですか!唯先輩の身に何かあってからじゃ遅いんですよ!!またあんな事されたいんですか!!?』

「そ、そういう訳じゃ……」

『唯先輩は優しすぎるです。憂の目は本気でしたよ……もし先輩の身にまた何かあったら私……グスッ』

「わ、わかったよあずにゃん。だから泣かないで……」

『すみませんです。唯先輩はやっぱり優しいですね……じゃあ、くれぐれも気を付けてくださいね?』

「うん……ありがと。あずにゃんも気を付けてね……」ガチャン

――――――
――――
―――


326 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 09:29:16.05 VB/BuYui0 55/147

(はぁ……やっぱりあずにゃんの言ってた事は本当だったのかな……)

(でも、憂も何か言いたそうだったな……なのにスプレーなんかかけちゃって……)

(…やっちゃったな……そうだ、明日あずにゃんに会ってもう一回話してみよう。みんなにも会って本当に憂が変なのか聞いてみ……)

コンコン

「ッッ!!!」


327 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 09:33:36.44 VB/BuYui0 56/147

「お姉ちゃん……ご飯できたよ。あと、さっきは急に抱きついたりしてごめんね…?」

「……」

「……お部屋……入ってもいい?」

「!!」カチッ、ガチャン

「……お姉ちゃん……何もしないから…グスッ…話がしたいだけだから、お願いお姉ちゃん……」ポロポロ

「……ごめんね」

「……お姉ちゃん……開けてよ…グスッ……話を聞いてほしいの……抱き締めてほしいの……お姉ちゃぁん!」ボロボロ

「ひっ」



329 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 09:37:10.86 VB/BuYui0 57/147

ピポパピ…プルルル…プルルル…ガチャ

『どうしました?唯先輩?』

「あ、あずにゃん!?憂が、憂がおかしいの!!」

『え?』

「違うの!お姉ちゃん…グスッ…話を聞いてほしいの!何もしない!!……何もしないからぁ……」ガチャガチャ

「ひっ!来ないで!!どっか行ってよ!!!」バンッ!

「っ……お姉ちゃん……グスッ……私……私は」

「いいからどっか行ってよ!!あずにゃん助けて!!」

「っ!!」ダダッ



330 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 09:43:05.86 VB/BuYui0 58/147

―――憂の部屋―――

ガチャ

フラフラッ……ドサッ

(やっぱり駄目……か。覚悟はしてたけど……やっぱり寂しいな)ズキッ

(お姉ちゃん……そうだよね、私あんなひどい事したんだもん……自分がやられて、慰めてもらおうなんて虫が良すぎるよね……)

(仲直りしたかったな……ううん、せめて面と向かって謝りたかったな……)

(望めるなら……もう一回……抱きしめて欲しかったな)ポロポロ

(憂は自慢の妹だよなんて言って、頭撫でてもらって……)ポロポロ

(なーんて、そんなの無理だよね……もう、疲れちゃった……)

(これ以上お姉ちゃんを傷付けたくないよ……梓ちゃんならお姉ちゃんを傷付けずに守ってくれるかな?)

(夢の中なら、お姉ちゃんと仲直りできるかな……?目が覚めない眠りなら……ずっとお姉ちゃんと一緒にいられるかな?)

「うっ……ヒック……お姉ちゃん……ごめんね……ごめんね……」ポロポロ


332 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 09:46:39.29 VB/BuYui0 59/147

―――唯の部屋―――

『唯先輩……落ち着きましたか?』

「うん……ごめんね、あずにゃん」

『いえ。やっぱり憂は手を出してきたですか……』

「……」

『唯先輩、そこは危ないかもしれないです。私の家に来た方がいいんじゃないですか?』

「え?……今日は……いいよ。ご飯も用意してあるし……」

『……わかったです。くれぐれも気を付けるですよ?』

「うん……じゃあねあずにゃん…」

『はいです!また明日です!』

「憂……どうして……」ガチャッ

『ツー…ツー……チッ』




335 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 09:52:08.48 VB/BuYui0 60/147

グゥー

「お腹減ったな……晩御飯食べよ。スプレーを持ってと……」

トントントントントン

「はぁ……おっ、今日の晩御飯は……オムライスだぁー!」

「私、ケチャップで字を書くの大好きなんだよね!」

「えへへ、何て書こうかn……」

「!!!!!!!!!!!!」


お姉ちゃん、ごめんなさい


「え……?これ……え……?」




336 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 09:56:41.03 VB/BuYui0 61/147

―――
――――
――――――

『違うの!何かするつもりじゃないの!暫くこのままでいさせ』

『いやあぁぁああ!!』

(あ…あぁ…)


『……お姉ちゃん……開けてよ…グスッ……話を聞いてほしいの……抱き締めてほしいの……お姉ちゃぁん!』

『あ、あずにゃん!?憂が、憂がおかしいの!!』

(う……うぅ…う)


『違うの!お姉ちゃん…グスッ…話を聞いてほしいの!何もしない!!……何もしないからぁ……』ガチャガチャ

『ひっ!来ないで!!どっか行ってよ!!!』バンッ!

(そんな……憂は本当に…ただ…私に……)

――――――
――――
―――


337 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 10:02:42.62 VB/BuYui0 62/147

(それなのに……私……私……)

「っ!!」ダダッ

ドタドタドタドタ

コンコン

「憂……入っていい?」

………

「憂、私も憂とお話がしたいの……駄目……かな?」

………

「ひどいことしちゃったよね……私も……許して……なんて……言えないよね……」グスッ

………オ……ネェ…チャン?

「憂?……入るね?」



338 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 10:05:07.64 VB/BuYui0 63/147

「!!!!!!!」

「……」

「えっ…?嘘っ……何で……憂ぃぃ、嘘だよね?」

「オネェチャン……ゴメンネ…ゴメ…ン…ネ……モウ……ニドトシナイ……カラ……ユ……ル…シテ」ポロポロ

「やだっ……やだよ憂!あ…救急車呼ばないと!」

「……」

「やだっ……やだよ!憂……やだよおおぉぉおぉ!!」

「憂いいいいぃぃぃぃい!!」



341 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 10:07:34.36 VB/BuYui0 64/147

―――病院――――

「せ、先生!憂は!憂は大丈夫なんですか!?」

医師「……まだ……予断を許さない状況です……覚悟だけはしておいてください……」

「そんな……っ!!」ダッ

看護師「あ!ちょっと平沢さん!」

「憂!!やだよ!!!私まだ謝ってないよ!!!」

看護師「落ち着いて!落ち着いてください!!」

「死んだりなんかしたら絶対許さないから!!一生……一生許さないから!!!」

医師「妹さんは絶対安静なんだ!静かにしなさい!!」

「離して!離してy」スパーン!

医師「妹さんはっ!今闘っているんだ!今だけじゃない!!この状態に追い込まれるまで色んな事と闘ってきたんだ!」



342 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 10:12:16.47 VB/BuYui0 65/147

「っ……でも!!」

医師「君も……闘いなさい。妹さんは絶対安静なんだ。叫びたい気持ちもわかる、でも今は黙って無事を願うのが君の闘いだ、そうだろ?」

「……でも……でもぉ」

医師「何、安心しなさい。私は名医だからね。妹さんの命は今は私が守ってあげよう。そのかわり、無事退院したあとは君が守るんだ。わかったね?」

「……無理だよ……」

医師「……えっ?」

「だって!憂は私のせいでこんなになったんだもん!!私が……私が駄目なお姉ちゃんだから……」

「お料理もできないし、洗濯もできないし……勉強もスポーツも……朝だって起きれないし……」

「妹の……!憂の気持にも気づいてあげれなくて!!!!ひどいこといっぱい言って!!ひどい事…いっぱいして……」ポロポロ



344 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 10:15:02.94 VB/BuYui0 66/147

医師「……君の妹さんだがね、手術中ずっと「お姉ちゃん」って言ってたよ。麻酔で眠っている時の夢にまで見るほど君の事が好きなんだろうね」

「……グスッ」

医師「どんなにひどい事したと思ってても、妹さんにしてみれば君は大好きなお姉ちゃんなんだ。」

「う…ん……」

医師「……自分が嫌いなら、自分と闘いなさい。お姉ちゃんには意地があるんだろう?」

「……私、頑張ります。駄目なお姉ちゃんだけど頑張ります。だから……憂の事、よろしくお願いします」

医師「うん、何たって私は名医だからね。君の妹さんは治してみせるよ。さ、今日はもう遅いから家に帰りなさい。」




345 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 10:18:49.27 VB/BuYui0 67/147

―――憂の部屋―――

「憂……私って駄目なお姉ちゃんだよね……私って最低だよね……グスッ」

「うん?……机の上に紙がある……なになに?」

   「お姉ちゃんへ」

「私に……?なんだろ……見てもいい……かな?」


347 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 10:21:58.53 VB/BuYui0 68/147

――――お姉ちゃんへ――――

私とお姉ちゃんは小さい時から一緒だったよね?覚えてるかな?

幼稚園に一緒に通ってた時、私がお姉ちゃんと一緒じゃなきゃ嫌だってご飯の時ぐずった事があったよね?
その時お姉ちゃんは嫌な顔一つせずに私のところに来てくれて一緒にご飯を食べてくれた

小学生の時、お姉ちゃんが卒業しちゃって私が寂しがってたら、お姉ちゃんは毎日私と一緒に手を繋いで登校してくれたよね
朝も少しゆっくりできるようになったのに「憂のためなら早起きなんてよゆーだよー」って笑ってくれた
とっても嬉しかったよ

中学生の時、私が家事をやり始めた頃、私はよく失敗してたよね
でもお姉ちゃんはどんな物作っても「憂のならなんでも美味しいよ」って言ってくれた
私が頑張れたのはお姉ちゃんのおかげだよ

お姉ちゃんが高校生になって軽音部に入って、とっても忙しそうだったよね
ギターも天才だとか言われてたけど、家で誰よりも練習してたの私は知ってる
お姉ちゃんのギターの音を聞くのが私の毎日の楽しみでもあったんだよ?知ってたかな?

お姉ちゃんはいっつもニコニコして色んな話をしてくれたよね
軽音部の人の話とか、学校であった事とか……
少し寂しかったけど、お姉ちゃんの話なら何でもおもしろかった


348 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 10:25:49.63 VB/BuYui0 69/147

いつごろからだったかな……お姉ちゃんの話を聞いても素直に楽しいって思えなくなったのは
今までは二人だけの話題で話せてたのにって、ご飯の時は二人だけの時間だったのにって……
正直軽音部の皆さんには嫉妬してた

お姉ちゃんが誰かに取られちゃいそうで、私のお姉ちゃんじゃ無くなっちゃいそうで怖かった
不安だった、寂しかった
だから……ううん、こんなの言い訳だよね
私もどれだけお姉ちゃんが傷ついたかわかったから……謝っても許してもらえない位の事したってわかったから……

私はもう、お姉ちゃんのそばにはいられないよ……
でも、大丈夫。お姉ちゃんはやればできるって知ってるから
それに梓ちゃんもいるしね?
梓ちゃんならきっとお姉ちゃんの事傷付けたりなんてしないよ

最後に
お姉ちゃんのこと、傷付けちゃってごめんなさい
お姉ちゃんのこと好きになっちゃってごめんなさい
今もまだお姉ちゃんの事が好きでごめんなさい
お姉ちゃん、こんな妹でごめんなさい
大好きだよ
                             ―――憂―――

「……」ポロポロ



352 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 10:31:54.48 VB/BuYui0 70/147

―――
――――
――――――

――小学生――

―浴室―

シャー

「んー、なかなか今日の心霊特集は怖かったかな?」

「お姉ちゃーん……一緒にお風呂入っていい……?」

「ん?憂?いいよー、おいでおいで」

「うん///ありがとお姉ちゃん」

「あははっ、怖い番組見てお風呂に入れなくなるなんて憂はかわいーねー」

「だって……怖いんだもん……」




354 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 10:34:53.20 VB/BuYui0 71/147

「ごめんごめん。今日はお姉ちゃんが体とか洗ってあげるから許して?」

「うん!」

「髪さらさらだねー、いいなー」ワシャワシャ

「えへへ、ありがと///……あ、お姉ちゃん……今日一緒に寝ていい?」

「ん、憂は甘えんぼさんだなー。うりうりー」こちょこちょ

「ん…あはは、くすぐったいよお姉ちゃーん!!」

(結局あの後ずっと一緒にお風呂に入って、一緒に寝てたんだっけ……)



365 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 11:05:21.01 VB/BuYui0 72/147


――中学生――

「よ……っと。」ポーン

「おぉー!すごいね憂!!天才だよ!!!」

「えっ///そうかな?///ホットケーキすぐできるから待っててね!」

「うん!楽しみだなー」

「お姉ちゃんもいっぱいお手伝いしてくれたもんね!」

「えへへ///」

「お姉ちゃんもやってみる?案外簡単だよー?」

「おおー!やるやる!!」

「かるーく上にポーンって感じであげるんだよ」

「んっと…そいや!!」ポン

  ベシャッ

「……」



368 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 11:08:45.82 VB/BuYui0 73/147

――――――――――
「グスッ……せっかく憂が作ってくれてたのに……ごめんね……」

「お姉ちゃん!大丈夫だよ!!ほらほら、出来てるのが冷めないうちにたべようよ!」

「うん……」

「パクッ……ん、お姉ちゃんが作ってくれた生地とっても美味しいよ。ほら、あーんしてお姉ちゃん、あーん。」

「あーん……パクッ。美味い!!」

「良かったね、お姉ちゃん。」

「うん!憂の焼き方もとっても上手だよ!!」

「ふふっ。あ、お姉ちゃん……」

「なーに?」ムグムグ

「私にもあーんして欲しいな///なんて……」

「お安い御用だよ!!ほら、あーん」

(そうだ、憂は甘えんぼさんなのに、私ったら……)グスッ



369 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 11:11:17.93 VB/BuYui0 74/147

――高校生――

「それでねー、りっちゃんてばねー」

「その時みおちゃんがねー」

「あ……今日はお姉ちゃんの好きなカレーだよ……?もういらないの……?」

「今日はムギちゃんのお菓子沢山たべたからお腹減ってないんだー!むぎちゃんのお菓子はいっつもおいしくてー……」

「……そっか、良かったねお姉ちゃん!ムギさんにちゃんと感謝しなきゃ駄目だよ?」

「うん!あ、私ギターの練習するから先お風呂入っててね!ごちそーさまでしたー!」

「……うん、頑張ってね!」

(私……高校になって上手くやってるって教えたくて……ううん、言い訳だね。最低だなー、私)ポロポロ

――――――
――――
―――


371 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 11:13:58.76 VB/BuYui0 75/147

(私……憂……このまま……お別れなんて……絶対嫌だよぉ)

(憂……ごめんね。大事な人がいなくなるのって本当に怖いんだね。私、今初めて憂の気持がわかったよ……)

「うっ…ひっく……うぐっ……」ボロボロ

プルルルル……プルルルル…

「……ん?……あずにゃんからだ」ズズッ

ピッ

「……どうしたの?」

『唯先輩……泣いてたんですか?』

「えっ?う、うん少しね」

『……憂ですか?』

「えっ……?あっ……ちがっ」

『隠さなくてもいいです。明日憂と話をするです。唯先輩は何も気にしなくていいです。』

「あずにゃん!ちがっ…ブツン」ツーツー

(このままじゃ、憂とあずにゃんは仲良くできないよ……憂、あずにゃんに嫌われたらきっと悲しむよね)

(でも……どうしよう……憂は……グスッ……あの状態だし……どうしよおおおぉぉぉお)ポロポロ



373 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 11:17:49.80 VB/BuYui0 76/147

――3日後――

(結局3日も引き伸ばしてしまった……私ってだめだめだなぁ……)

ヴー…ヴー

「憂の携帯に着信……?純ちゃんからだ……出なきゃ変だよね……」

「もしもし?」

『ういー?3日もさぼって何やってんの?風邪でもひいた?』

「う、ううん!大丈夫だよ!!明日は行けそうだよ!!」

『おおー、本当に?待ってるよん』

「う、うん」(ああああああ!!どうしよう!!!どうしよおおおおお!!!)

『憂……私は憂の味方だからね?いつでも頼っていいんだよ?』

「え……?う、うん」

『じゃね!楽しみにしてるよ!!』

(純ちゃん……あんなに心配してくれるなんていい子だなぁ)



375 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 11:22:45.63 VB/BuYui0 77/147

ヴー…ヴー

「また?……あずにゃんからだ」

「もしもし?」

『憂?何やってるの?早く学校来なよ』

「う、うん。ごめんねあず……さちゃん」

『明日は絶対来てくれなきゃ、い や だ よ ?』

「うん、明日は……行くよ。」

『ふふっ、楽しみにしてるね?ふふふ』

「うん、じゃ明日学校でね」

(……よし。私が憂に変装して誤解を解こう。それで、憂が帰ってきたらもう一度話しをして謝ろう……それで……)

(変わるんだ、私。立派な憂のお姉ちゃんになってやるんだ。それで……それで……zzz)スピー



378 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 11:25:06.49 VB/BuYui0 78/147

――次の日――

「うん、完璧!どっからどう見ても憂にしか見えないよ!」

「おっぱいにはちょっと物詰めたけど……さて、今日は放課後にあずにゃんとお話だったね」

「憂の代わりに授業受けるのもなあ……でも去年やったんだし、わかるよね?よし、お見舞いに行ってから行こう。ちょうどいい時間になるはず」



383 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 11:31:55.60 VB/BuYui0 79/147

――病院――

「そうですか……憂はまだ起きないですか……グスッ」

医師「うん、でも多分大丈夫だよ」

「名医だから……ですか?」

医師「ああ、この僕に任せたまえ。ところで、君は制服を着てどこに行くんだい?」

「妹の代わりに学校に行くんです。憂の友達が心配してるみたいで……」

医師「なるほど、あまり褒められる事じゃあないが、常識破りは大好きなんだ」

「えへへ、じゃ、行ってきまーす」タッタッタッタッタ




385 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 11:37:34.27 VB/BuYui0 80/147

医師「……いいお姉さんじゃないか。君は幸せ者だな」

「…………私は嫌われてますから……お姉ちゃんを……傷つけて……嫌われ……グスッ」

医師「君の代わりに学校に行くって言ってたんだぞ?嫌いな人間のためにそこまでするもんかな?」

「っ!!ガバッ!今の、どういう意味で…つっ!!!ゲホッゲホッ!!!」

医師「おい!まだ絶対安静なんだ!動いちゃ駄目だ!」


――――――――――――――――――――――――――――――

(そんな……お姉ちゃん……駄目だよ……駄目……ダ…メ…)シューシュー




386 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 11:40:48.05 VB/BuYui0 81/147

――――学校――――

「久しぶりだなあ……りっちゃんやみおちゃん、ムギちゃんは元気かなあ……」

「と、だめだめ今日は憂としてきてるんだから」

「えーっと、憂の靴箱はっと……あったあった、これだね」

「……え?……靴が無いよ?」

(どういう事?憂が間違えて持って帰ってたのかな?そうに違いないよ。
  あーあ、今日は靴下で生活するのか。自分の持ってくれば良かったなー)


387 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 11:43:18.65 VB/BuYui0 82/147

――――教室――――

「みんな、おはよう!」

    シーン

(あ、あれぇ?おかしいな……皆聞こえなかったのかな……もう一回……)

「みんな、おはy」

「憂!おはよ!!」

「憂、おはよう」

「あ、純ちゃん。梓ちゃん、おはよう」

「授業始まっちゃうよ?早く席着かないと」

「あ、う、うん。っ!!」



389 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 11:47:20.17 VB/BuYui0 83/147

(!!何で机に菊の花が……?それに、この写真……縁取りしてあって……遺影みたい……)

(憂……大丈夫だよね?死んだりしないよね……?ううん、それよりも……何で?)グスッ

「う……うぅ……」ギュ

「憂……大丈夫だから……ね?」

「うん……ありがと純ちゃん……」

クスクス、クスクスクスクス ヒソヒソ

教師「えー、それでは教科書の128ページを……」

(憂のノート……しっかりとってあげなきゃ……)



391 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 11:50:01.59 VB/BuYui0 84/147

「!!!!」

『死ね』『近寄るな』『レズ女』『キモイ』

(何で……?憂は、頭もよくて、可愛くて……皆の人気者のはずじゃあ……)

ヒューーン……ポコン!!

(痛っ!今度は何……?紙屑……?何か書いてある)

カサッ 『死ね』『ゴミはゴミ箱へ』『金曜日は燃えるゴミ』

(……憂……辛かったんだね……?あの日も、辛くて私に甘えようとしたんだね……?)

(それなのに……私ったら……ごめんね……ごめんね、憂いぃぃぃ)ポロポロ

ナイテルヨ…クスクス…キモッ ケラケラ アレ?ナカナカアタンナイナー
 
(憂……)

「……」クスッ


403 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 11:55:54.56 VB/BuYui0 85/147

(やっと学校終わったよ……憂……こんなの毎日されてたのかな・・・…早く帰って晩御飯作らなきゃ……あ、でもあずにゃんと話すのが先かな……)

「あ、いたいた。憂ー!今日は用事ができちゃったから話はまた今度しよ?」

「あ、うん。わかったよあずさちゃん。じゃあね」

「でも、ちょっと女3が話があるらしいから、ここで待っててってさ。大事な話だから帰っちゃだ め だ よ ?じゃあね、憂。また明日」クスッ

「うん、また明日!」(あずにゃんと純ちゃんは味方みたい……憂……お姉ちゃんが何とかしてあげるから……)



409 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 11:59:35.98 VB/BuYui0 86/147

――――――――――――――――

(はぁ……結局憂の事助けてあげられなかったな……)

(憂……元気無かったな……いつもなら絶対泣いたりしなかったのに……唯先輩は学校辞めちゃうし……)

(ん……?あれ……梓?)

「そうそうwwそれであの日憂のやつ、唯先輩に泣きついたらしくてさーwww」

(……え?嘘でしょ?梓ってば何言ってんの?)

「え?結局勘違いされて撃沈したみたいだよwwwwwうけるよねwwwwww憂がおかしいの!!っていう電話かかってきてさーwww

 ていうか女4から聞いたよwwww女3相当激しくしたんだって?wwww」

(嘘、嘘でしょ?女3と女4って憂を虐めてる中心人物じゃん……)

「今日はもう壊しちゃってもいいんじゃない?え?女1と女2?今日はいないよ?うん、やっちゃえやっちゃえwwww」

(女1と女2も憂を虐めてる……って憂が危ないんじゃないかな!?でも、私一人じゃ……うーん、うーん……)

「あははwww今校門のところにいるよwwww早く捕まえてあげてね?うん、じゃあねー」ピッ

「さて……と、唯先輩に電話でもかけよっかな。邪魔者が消えて、もう少しで私だけのものになるよね。私だけの唯先輩……ふふっ、楽しみだなぁ……」ニヤニヤ

(あわわわわわわ、やばいよやばいよやばいよ、でも助けてくれそうな人って……あっ、いるじゃん)ピコーン

(憂……絶対助けてあげるからね!)ダッ
――――――――――――――――


410 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 12:01:53.58 VB/BuYui0 87/147

ヴー…ヴー…

(あ、あずにゃんからだ……うーん、でも出ないと怪しいよね……)

「もしもし?あずにゃん?」

『あ、唯先輩ですか?今日憂が学校に来てて……』

「う、うん。今日は行ったみたいだね……」

『はいです。それでですね……』

「そ、それよりあずにゃん!最近憂の様子はどうなの?学校で元気なかったりしない?」

『いえ?別に普通ですが?まあ視線は怖いですけど、それだけですね。どうかしましたか?』

「……そ、そっか。うん、何でもないよ。じゃあ、切るね?」

『あ、唯先輩。……何かあったら私を頼ってくださいね?』

「…うん、わかったよ。じゃまたね」ピッ

(……あずにゃん……嘘ついてる。何で?憂の事嫌いになったのかな……?)



414 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 12:05:08.88 VB/BuYui0 88/147

女3「あ、いたいた。憂ー!」

「!!なに?」

女3「なに?じゃないでしょ?ちょっとついてきなさいよ」

「……あんまり長くなるようなら、ちょっと今日はパスしたいんだけど……」(晩御飯つくらないと……)

女3「……は?なにふざけたこと言ってんの?いいから来いよ」ギュゥ

「あっ……、痛い痛い!やだっ!!離してったら!」ジタバタ

女3「抵抗するならもっと痛くしちゃうよ?」グイッ

「痛たたたた!離して!離してったら!」


417 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 12:08:34.60 VB/BuYui0 89/147

――――空き教室―――――

ドサッ

「あうっ!」

女3「全く、いらない手間かけさせないでよね……」

女4「それにしてもいっつも無関心なふりしてるのに今日はどうしちゃったの?授業中泣いたりしちゃってさ?」

女3「あははっ、そういえばさあ、こいつこの前帰った後、愛しのお姉ちゃんに泣きついたらしいよ?」

女4「へー、それでどうだったの?」

女3「駄目だったらしいよ?レイプした相手に泣きつくなんてばっかじゃねーの?って話だよね」

(何で……この娘達……憂が私にしたこと、私が憂にしたこと……知ってるの……?何で……?何で?なんで?)

女3「ま、どーでもいいけどね。ほらっ、さっさと手、出せよ」

「え……何で……?」

女3「は?お前が暴れないようにだろうが。この前したことも忘れちゃった?」

女4「今日はとことんやっていいんだっけ?前回はBまでだったから超楽しみなんだけど」ニヤニヤ

女3「らしいね。あー、楽しみだなぁ。どうやって鳴かせちゃおっかなあ」

女4「だからおっさんかってwwってあれ?こいつなんで手出してないの?」


421 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 12:13:16.92 VB/BuYui0 90/147

(まさか……嘘だよね……憂が……こんなやつらに……?……あっ……)

―――
――――
――――――

私もどれだけお姉ちゃんが傷ついたかわかったから……謝っても許してもらえない位の事したってわかったから……

――――――
――――
―――

女4「憂は頭いいと思ってたんだけどなー。4日前の事も忘れるなんて実はお馬鹿さんなのかな?」

(4日前……憂が……自殺しようとした日だ。ごめんね……憂……こんな事されて……っ!!)
―――
――――
――――――
『違うの!何かするつもりじゃないの!暫くこのままでいさせ』

『……お姉ちゃん……開けてよ…グスッ……話を聞いてほしいの……抱き締めてほしいの……お姉ちゃぁん!』
――――――
――――
―――



424 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 12:16:53.82 VB/BuYui0 91/147

(違う……私のせいだ……私が…)

「うっ…ううう…あああああああ」ポロポロポロポロ

女3「は?私達まだ何にもしてないんだけど?もう壊れちゃった??」

女4「もうめんどくせー、いいじゃん、服剥いじゃえば逃げられないよ」

女3「ま、それもそっか。はいはい、脱ぎ脱ぎしましょうねー」

「やっ!!いやっ!!!やめてっ!!!誰か助けて!!!」バタバタ

女3「あーもう、うるせー。あれ取って」

女4「はいはい。これかな?猿轡なんてあいつもいい趣味だよね」

「やだっ!!助けて!!助けてよ、うモガッ」

女3「これでいくら叫んでも大丈夫だよ?ふふふっ、今日は好きなだけイッていいからね?やめてあげないから」クスクス

「ムー!!ムー!!ンムー!!」(みおちゃん……ムギちゃん……りっちゃん……あずにゃん……助けてよ…憂いぃぃぃ)ポロポロ



425 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 12:19:54.52 VB/BuYui0 92/147

バーン!!

女3女4「!!!」

「ちょっと!!あんた達何やってんのよ!!」

女3「何だ、誰かと思ったら純じゃない。どう?あんたもやらない?」

「は?何言って……」

女3「あんた、いっつも憂にべったりだったじゃない。唯先輩にべったりだったこの子をやれるチャンスなんて、もう無いと思うけど?」

「……」

女3「どうすんの?こんなチャンスもう無いと思うよ?なんならこの子の処女は純にあげても……」



429 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 12:25:29.04 VB/BuYui0 93/147

「……んな」

女3「は?なんて?やりたいって?」クスクス

「ふざけんな!!憂は道具や玩具なんかじゃないんだよ!!憂がどれだけ唯先輩の事好きだったか知ってるの!!?
  お前達みたいに遊びでやったんじゃないんだよ!!どれだけ苦しんでたか……どんなに辛そうな顔してたか……そんな事もわかんないの……!?」

女3「は?なんだ純、あんたもレズだったんだね。キモッ……女4、行こっ、テンション下がっちゃった」

女4「そだね、あーキモッ。じゃーねー純♪」ドゴッ

「あうっ!」

女3「きゃはは、次は純がターゲットかなー?女1と2にも教えてあげよっか」



431 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 12:29:37.59 VB/BuYui0 94/147

「おい、待てよお前ら」

女3・4「は?」

「ちょっと詳しく聞かせろよ」

(澪ちゃん……)

「そーそー、可愛い後輩が虐められてるとこ見たんじゃ、先輩として見過ごす訳には行かないね」

(りっちゃん……)

「ちょっと部室に行かない?紅茶くらいなら出してあげるわよ……?」

(ムギちゃん……)

「みなさん……」

(純ちゃん……)



438 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 12:35:57.64 VB/BuYui0 95/147

―――部室――――

「……なるほど、ね。2人とももう帰っていいぞ」

「ああ。そうだな。でも今後1回でも誰かを虐めてみろ。倍返しにしてやるからな?」

女3・4「はい、わかりました。すいませんでした」

「……」

女3「じゃーね、レズ純ちゃん」

「っ!!!」

「おい…」

女3・4「失礼しましたー」

「気にすることないって、どうせ何もできないよ」

「いえ……私は、別に……」

「ごめんなさい……ちょっとお手洗にいってくるわ」



446 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 12:42:25.68 VB/BuYui0 96/147

女3「はぁ、まじなんなのあいつら?うっざいなー」

女4「だよね。何様のつもりなんだろ?」

「あ、ちょっとあなた達」

女3「は?なんですか?」

「もし、これから先軽音部のメンバーやその友達を虐めるような事したら、ただじゃおかないわよ……?」

女4「は?だからしないって……」

「足りないの、そんな言葉じゃ。」ピッピッピッポチ

ザザザザザザッッ

黒服「…………」

「覚えておいてね?こっちはあなた達の顔、学校、名前、住所、その他諸々を握ってるってこと。金は命より重いのよ?」ニコッ

女3・4「コクコクコクコク」


452 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 12:45:56.16 VB/BuYui0 97/147

―――部室――――

「たっだいまー♪」

「ムギ、遅かったな。大きい方だったのか?」ニヒヒ

「こらっ馬鹿律!!」ゴンッ

「いってぇ!」

「あらあら……今紅茶を淹れるから2人とも落ち着いて?」

(軽音部……楽しそうだな。でも、何か皆さん寂しそうだな……)



455 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 12:49:11.32 VB/BuYui0 98/147

「はい、りっちゃん」

「いつもありがとなー?ムギ」

「はい、澪ちゃん」

「美味しそうだな、アールグレイか?」

「そうよ♪前に飲んでみたいって言ってたでしょ?」

「覚えててくれたのか、ありがとな」

「はい、純ちゃん。かっこよかったわよ?」

「あ……ありがとうございます」

「はい、憂ちゃん。大変だったわね?温かいものでも飲んで落ち着いて?」

「ありがと…ムギちゃん…グスッ」ポロポロ

「え?」

「あ……」



457 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 12:51:21.74 VB/BuYui0 99/147

「なるほどなー、憂ちゃんがなー……」

「で、憂ちゃんは大丈夫なのか?」

「ううん……まだ起きて…グスッ……起きてないんだって」ポロポロ

「憂ちゃんが入院してる桜ケ丘病院は名医揃いって評判だし、きっと大丈夫よ」

「うん、そう……かな?」

「憂もですけど、唯先輩もですよ。大丈夫なんですか?色々と……」

「私は……憂にされた事は……許せないよ……」


460 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 12:58:27.66 VB/BuYui0 100/147

「……そう……ですか」

「でも、それ以上にあいつらが憂にしてた事は許せないし……
  自分が一番許せないよ……私が……グスッ……一番近くにいたのに……一番近くで一番ひどい事してた自分が……」ポロポロ

「ヒック……私、謝りたいよ……お別れなんてしたくないよ……もう大丈夫だよって言って……抱き締めてあげたいよ……憂いぃぃぃ」ポロポロ

「唯先輩……」

「唯……」


463 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 13:02:32.27 VB/BuYui0 101/147

「…………」

「……ん?どうした、澪。大きいのが出そうなのか?」

「殴られたいのか?律。いや、よく考えたらおかしいよなーって思って。」

「何が?」

「唯はさ、その……憂ちゃんに襲われた日から学校には来てないだろ?」

「そうね、急に病気で退学するって、聞いた時はびっくりしちゃったわ」

「だったら……誰がばらしたって言うんだ?私達は、恥ずかしいけど憂ちゃんが虐められてたのも知らなかったし……」

「なるほどなー……唯、なんか心当たりは無いのか?」


465 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 13:05:01.00 VB/BuYui0 102/147

「えっ……無い……よ?私はずっと……ほら……家にいたから……」

「そうかー……憂ちゃんが誰かに喋っちゃったのかな……」

「本当に心当たりは無いんですか?唯先輩……?」

「ほんとに……ほんとに無いよ?……あ、晩御飯作らないといけないから私そろそろ帰るね?」

「そっか、唯は今自炊してるのか。少しは上手くなったかー?」

「ん。私は憂のお姉ちゃんだからね。頑張って立派なお姉ちゃんになるんだ。今までの駄目駄目な私じゃないんだよ?そしたら……きっと憂も……」



470 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 13:16:30.96 VB/BuYui0 103/147

「だめだめだなんて……憂はいっつも言ってましたよ?お姉ちゃんは本当に優しいんだって。

  お姉ちゃんがいたから、お姉ちゃんがいるから頑張れるんだって。」

「そっか……純ちゃん……今日はありがとね。これからもずっと憂の味方でいてあげてね?」

「任せてください!唯先輩も、頑張ってくださいね?」

「うん……頑張ってみるよ」

「じゃあね、みんな!今日は会えて嬉しかったよ!!」

「今度飯食いに行くから、よろしく頼むな」

「いつでも来てね?お菓子を用意してるから」

「お前達……食べ物の事ばっかだな……唯!また一緒にバンドしような!」

「うん!またね、みんな!!」





473 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 13:27:03.43 VB/BuYui0 104/147

―――帰り道―――

(私がいたから……私がいるから……憂は私がいたから傷ついちゃったのかな?私がいるから憂を傷つけちゃうのかな?)

―――
――――
――――――

私が頑張れたのはお姉ちゃんのおかげだよ

――――――
――――
―――

(私も憂がいれば頑張れるのかな?憂は頑張ってる私を見て喜んでくれるのかな?)

(立派なお姉ちゃんになれば許してもらえるのかな?私がどれだけ謝ったら憂に届くかな?)

(………)
―――
――――
――――――

医師『妹さんはっ!今闘っているんだ!今だけじゃない!!この状態に追い込まれるまで色んな事と闘ってきたんだ!』

――――――
――――
―――

(憂はいったいどれだけの物を背負ってたんだろ……しっかり者だなんて言われて……私が荷物をおろせる場所にならなきゃいけなかったのに……)


482 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 13:42:08.84 VB/BuYui0 105/147

(私は闘ってきたのかな?憂とも向き合わずに、あずにゃんの好意に甘えて……結果として憂を追い込んで……)

(私は逃げてばっかりだ、憂は勇気を出して私に話がしたいって言ったんだろうな……今にならないと気付かないなんて……それを踏みにじるなんて……)

(………)

―――
――――
――――――

『ふざけんな!!憂は道具や玩具なんかじゃないんだよ!!憂がどれだけ唯先輩の事好きだったか知ってるの!!?
  お前達みたいに遊びでやったんじゃないんだよ!!どれだけ苦しんでたか……そんな事もわかんないの……!?』

――――――
――――
―――

(純ちゃん……とってもかっこよかったな。憂のために怒ってくれたんだよね……あんなに真剣に……)

(………)

―――
――――
――――――

『本当に心当たりは無いんですか?唯先輩……?』

――――――
――――
―――


485 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 13:52:29.54 VB/BuYui0 106/147

(…………)

―――
――――
――――――

『唯先輩!話して下さい!私達なら唯先輩を救えます!』

――――――
――――
―――

(うぅ……でも……でも)

―――
――――
――――――

女3『あははっ、そういえばさあ、こいつこの前帰った後、愛しのお姉ちゃんに泣きついたらしいよ?』

女4『へー、それでどうだったの?』

女3『駄目だったらしいよ?レイプした相手に泣きつくなんてばっかじゃねーの?って話だよね』


――――――
――――
―――

(何であの子達は知ってたの?憂が……言う訳ない……)


487 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 14:01:11.81 VB/BuYui0 107/147

(……あずにゃん…………)

―――
――――
――――――

『お姉ちゃん!?待って!行かないでっ!』
『…そう。蚊は嫌だもんね。心配してくれてありがとう。でも何でもないよ』
『違うの!お姉ちゃん…グスッ…話を聞いてほしいの!何もしない!!……何もしないからぁ……』
『オネェチャン……ゴメンネ…ゴメ…ン…ネ……モウ……ニドトシナイ……カラ……ユ……ル…シテ』

――――――
――――
―――

(憂……今まで守ってあげなくてごめんね?傷つけてばかりでごめんね?……私闘うから……)



491 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 14:10:47.16 VB/BuYui0 108/147

―――
――――
――――――

『任せてください!唯先輩も、頑張ってくださいね?』

――――――
――――
―――

(憂はずっと一人で闘ってきたんだよね?でも、それは違うんだよ……治ったら教えてあげよう、きっと喜ぶはずだから)

(純ちゃん……私も憂の味方だから……頑張るよ)

(よし!……もう逃げない!絶対に……絶対に……)




495 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 14:26:33.07 GVHQhz+n0 109/147


(いまごろ憂はどうなってるかな?…ふふっ、きっとお嫁に行けないような体になってるんだろうな)

(頼みの唯先輩は、憂を怖がってるし……まさかあんなに上手くいくなんてね)

(そもそも私の唯先輩を汚したんだ……それくらいの制裁はあってしかるべきだよね?)

(あ、そろそろ唯先輩に二回目の電話をかけよう……前回でだいぶ参ってるみたいだし今回はもっと大げさに言っても大丈夫そうかな)

(もう少しで私のものになる……私だけ……私だけの唯先輩を手に入れたい……そのためなら何だってしてやる)



532 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 16:21:19.73 GVHQhz+n0 110/147

プルプルプルプル ガチャ

『……もしもし?どうしたのあずにゃん?』

「はい、実は今日帰り際に電話した時学校での憂に何か変わったことは無いかって聞かれたじゃないですか?」

『……うん』

「憂の目がいよいよやばくなってきたです。一緒に喋ってたんですけど、今日あたりまた唯先輩を襲うんじゃないかと心配で……」

『……うん、気をつけるよ』

「唯先輩……聞いてます?大事な話なんですよ?」

『うん、聞いてるから、大丈夫だよ』

「とにかく気をつけるべきです!なんなら今からでもうちに……」

『大丈夫、鍵は閉めとくから。じゃあね、あずにゃん……』

「?はいです、気を付けてください」



538 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 16:24:53.88 GVHQhz+n0 111/147

ヴー…ヴー

「憂から着信?……何だろ」

ピッ

「どうしたの?憂?」

「あ……梓ちゃん?あのね?ちょっと大事な話があるんだけど……明日の放課後会えないかな?」

「放課後?別にいいけど……何時にどこで会う?」

「そうだなあ……11時に校庭でいいかな?お姉ちゃんの昼御飯とか作らなきゃいけないから……時間はそんなにとらないよ」

「……まだ唯先輩のお世話してるんだ……」

「え?」

「……なんでもないよ。わかった11時に校庭だね。じゃ、忙しいから切るね」

「うん、ごめんね。バイバイ」

(憂から話したいことがあるなんて珍しいな……ま……どうせ唯先輩の事でしょ)

(もう何をやっても無駄なのになー、ふふふっ)




541 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 16:28:13.06 GVHQhz+n0 112/147

―――平沢家―――

(……よし)

「私、闘うよ。りっちゃん、みおちゃん、ムギちゃん、純ちゃん、うい……私に力を貸してね?」

 カサッ

(これ……憂からの手紙……何回見ても……泣いちゃうなあ)グスッ

(私の気持ち……私の……伝えたいこと……)

「憂の携帯……そうだ、純ちゃんに電話しとこうかな……」


545 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 16:34:06.44 GVHQhz+n0 113/147

プルプルプルプル ガチャリ

『どうしたの憂?何かあった?』

「純ちゃん私だよ、唯。」

『あー、そういえばそうですね、すみませんでした。で、何かあったんですか?』

「ん、憂の病室を教えておこうと思ってさ。憂は東棟の324号室だから、良ければお見舞いに行ってあげて?」

『わっかりました!唯先輩も明日一緒に行きません?私は朝行きますけど」

「そだね、明日は学校も休みだし二人で行こうか」

『ですね、じゃあ10時に病院前集合で!』

「……うん。そうだね」

『じゃあ、私はもう寝ますね!』

「ん、今日はありがとね?とってもかっこよかったよ」

『照れますね///また明日会いましょう』

「うん、また明日ね」

(私も……寝よう。どんな結果になっても後悔なんてないよ。私が選んだ道だから……)

(zzz)



547 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 16:37:49.55 GVHQhz+n0 114/147

――――――――――――――――――

「んー……今何時だろ……げ、10時まであとちょっとしかないじゃん……」

プルルルルル プルルルルル 

(純ちゃんからだ、怒ってるかな……?)



548 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 16:41:07.69 GVHQhz+n0 115/147

ピッ

「もしもし……?」

『唯先輩ですか?今どこにいるんですか?』

「ごめんね純ちゃん、さっき起きたところなんだ」

『もう、唯先輩らしいっていえばらしいですけど……』

「あはは……で、私を起こしてくれるために電話くれたの?」

『あ、そうでした、実はですね、憂が目を覚ましてるんですよ!』

「えっ……?ほんとに?」

『はい!嘘なんかじゃないです!是非早くきてください!』

「う、うん!わかったよ!!私急いで行くよ!!」

『了解です!憂にも伝えときますね!』

「うん!ありがとう純ちゃん!!」ピッ

(憂が生きてた!憂に謝れる……ごめんねって言って抱き締めて……そうだ虐めも無くなったって教えてあげなきゃ!)

「えへへ……グスッ……へへ」ポロポロ

(行ってきます!!)


554 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 16:43:51.32 GVHQhz+n0 116/147

―――病室―――

「……え?唯先輩に会いたくないってどういう事なの?憂……」

「……そのまんまの意味だよ?私お姉ちゃんには会いたくない」

「何で……?唯先輩、憂のために必死に頑張ってたんだよ?ねえ……何で?」

「…………」


557 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 16:47:45.74 GVHQhz+n0 117/147

ドタドタドタ

ガラガラ

「憂!目が覚めたの!?」

「っ!!」バッ

「憂……」

「憂……?どうしたの?まだどこか痛いの?ねえ、憂……顔、見せてよ……」

「……って」

「……え?どうしたの憂……?」



560 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 16:49:54.78 GVHQhz+n0 118/147

「帰ってよ!!お姉ちゃん!!!お姉ちゃんの顔なんて見たくない!!出てって!!!早く!!!」

「……憂……なんで……?お姉ちゃんとお話しようよ……お話したいよ……」ポロポロ

「私は……したくないの!!帰って!!いいから早く帰ってよ!!おねがいだから……!!」

「……そっか。でもね、憂?私はもう逃げないって決めたの。あの時、私はすっごく後悔した。憂が家からいなくなって初めて気付いた。」

「いいから帰って!!早く帰ってよ!!出てってよ!!」

「私、憂がくれた手紙の返事を持ってきてるんだ。私の顔が見たくないなら見なくてもいい……でもこの手紙だけは読んで欲しいな……」

「うるさい!!黙れ!!帰って!!!帰れ!!!」

「ここに置いとくから……憂……またね?」ポロポロ

「あ……」



566 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 16:53:15.88 GVHQhz+n0 119/147

バタン

(……)ハアハア

「憂……何で?唯先輩、本当に頑張ってたんだよ?憂……唯先輩が可哀相すぎるよ……」

「……いいの、別に。私が選んだ事だから……。」

「憂……」

「そんな事より純ちゃん……、純ちゃんって私の事好きなの……?」

「え?///あ、いや!!別にその///……あの……」

「どっちなの?好き?嫌い?はっきりしてほしいな」

「…………好き……だよ?///」

「そっか……ねえ、純ちゃん?私たち付き合わない……?」

「……え?」

「私はいいから、あとは純ちゃんが決めるだけだよ?」

「憂……」



573 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 16:55:35.90 GVHQhz+n0 120/147

―――通学路―――

(憂……なんで、あんな事……もう仲直りできないのかな……?顔も見たくないって……)グスッ

(っ!!!だめだめ!どんな結果になっても受け入れるって決めたじゃん私!そうだよ……私にあずにゃんがいたみたいに憂には純ちゃんがいるから大丈夫だよ……)

(でも……何でかな、覚悟はできてたはずなのに……心が痛いよ……憂……)ズキッ

(そっか……私、憂の事……大好きなんだ……気付いたのが早ければ、もっと別の結末になってたかな?)ズキズキ

(だめだめ!まだ私の闘いはこれからが本番なんだから……)

(あずにゃん……あずにゃんは、憂にひどい事してないよね……?)

(私、信じてるよ……?あずにゃん……)



581 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 16:58:08.15 GVHQhz+n0 121/147

―――校庭―――

「あ、梓ちゃん、ごめんね?待たせちゃった?」

「別に待ってないけど?で、今日は何の用なの?」

「うん、お姉ちゃんの事で話があるんだけど……」

(やっぱり……)

「梓ちゃんはお姉ちゃんの事……好き?」

「それはまあ好きだけど。それが何?どうかした?」

「それは……恋愛感情なの?お姉ちゃんに抱いてるのは恋愛感情なの?」



590 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 17:09:01.91 GVHQhz+n0 122/147

「私は好きなの……同性でも、家族でも……あの人が好きなの……」

「憂の言う恋愛感情っていうのは、嫌がる人を無理やり押し倒すことなの?」

「……それは……」

「安心していいよ。唯先輩は私が責任を持ってお世話するから」

「……待ってよ、最後に一つだけ聞いていい?」

「何?」

「私がレズだって……お姉ちゃんにひどい事したってばらしたのは梓ちゃん?」

「……」

「私は言ってないし、お姉ちゃんは学校には行ってないはず」

「私が悪いって言うのはわかってる……でもそれだけは教えてほしいの」

(お願いあずにゃん……あずにゃんは違うよね?)

「……そうだよ?」

(……そっか……)

「そのおかげで、唯先輩の気持が理解できたでしょ?」

「そっか……やっぱりそうだったんだね。あずにゃん?」


601 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 17:17:31.11 GVHQhz+n0 123/147

「え……?今何て……」

「憂はね?私があずにゃんに助けを求めた日に、入院してるの」

「そんな……嘘……じゃあ、あの日の憂は唯先輩……?」

「うん、とっても怖かったよ?でもね、私は別に怒ってないよ?」

「憂を入院するまで追い込んだのは私だしね……私はけじめをつけたくてここに来たの」

「そんな…そんな……嘘……嘘ですよね?」

「あずにゃんの事は嫌いにはならないよ?でも、今までみたいな付き合いをするのは無理かな」

「なんでですか!憂に無理矢理やられてたのを助けたのは私ですよ!!!???」

「私は唯先輩の事を大事にします!!憂なんかより100倍も1000倍も!!!!」

「唯先輩の事を一番愛しているのは私のはずです!!!」


606 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 17:20:49.16 GVHQhz+n0 124/147

「うん……でもね?気付いたんだ。私が世界で一番愛してるのは、憂だって」

「近すぎて気付かなかったのかな?それとも眩しすぎて見ようとしなかったのかな?」

「憂が遠くに行って、初めて見つけれたよ……」グスッ

「じゃあね、梓ちゃん。また学校で……」

「…………」


618 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 17:31:43.12 GVHQhz+n0 125/147

(梓ちゃん……か……)

「あーあ……絶対勝てると思ってたのになー」

「憂……大丈夫かな?なーんて言えた義理じゃないけどね……」

「……憧れの先輩と友達、両方無くしちゃったな」


624 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 17:40:43.01 GVHQhz+n0 126/147

―――病室―――

「憂……」

「純ちゃん?どうするの?」

(私……私は……憂の事が好きなんだよね?……でも憂の顔……)

「まあ、時間はあるんだし、ゆっくり決めてね?期待してもいいよね?純ちゃん」

「私……私は、憂と付き合いたい……」

「本当に?これからよろしくね?」


628 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 17:43:30.52 GVHQhz+n0 127/147

「でも!憂が唯先輩の手紙を読んで、しっかり唯先輩と向き合ってからじゃないと嫌」

「……え?」

「憂、鏡見た方がいいよ?とっても悲しそうな顔してる……」

「いいよ、別に。私の思いは変わらないよ?」

「だったら、手紙くらい読みなよ。唯先輩がその手紙どんな気持ちで書いたか考えてる?」

「……」

「読めない理由があるの?なら私が音読してあげようか?」



656 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 19:54:01.23 GVHQhz+n0 128/147

「何で、そんなに手紙にこだわるの?純ちゃんは私と付き合いたくないの?」

「付き合いたいよ?でも私が付き合いたいのは自暴自棄になってる憂じゃないから」

「なんで!?そんな……自暴自棄だなんて……そんな事ないよ」

「だったら……手紙読んでよ……手紙読んだ後で憂が出した答えを聞かせてよ……」

「……」

「読まないの……?そっか、じゃあ私が読んであげるね?」

「ちょ……」




659 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 20:00:52.02 GVHQhz+n0 129/147

「憂へ」

「憂、こんな駄目なお姉ちゃんに手紙なんて書いてくれてありがとう。」

「憂の手紙に書いてあった事は全部覚えてるよ?」

  幼稚園の時一緒にご飯食べたことも、泥だらけになってお母さんに怒られたことも

  小学生の時、一緒に登下校したり、自転車で遠くまで出かけてみたりしたこと
  
  中学生の時、憂のお手伝いをしようとしてお皿を割っちゃったことや、その破片で指を切って憂がオロオロしてたのも覚えてるよ。

  憂はしっかり者だって言われるけど、本当は甘えんぼさんだよね?



660 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 20:08:57.17 GVHQhz+n0 130/147

高校生になって、新しい事始めて、私は新しい環境でもしっかりやっていけてるお姉ちゃんを演じたかったんだ。

  自分の事ばっかりで憂に構ってあげれなくて……憂が寂しがってる事にも気付けなくて……ほんとお姉ちゃん失格だよね
 
  でも、私は憂の事大好きだよ?私は料理もできないし頭も良くない、スポーツだって特別できるわけでもない。

  憂はそんな私の事、好きだって言ってくれてたよね?今は振り向いてくれなくても、私は憂のお姉ちゃんになれるよう頑張るから。

「やめて……やめてよ……」



664 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 20:22:07.53 GVHQhz+n0 131/147

「いつか、憂の事なら全部わかるようになるから……料理も勉強もできるようになるから……
  
  だからその日まで私の傍にいてください。大好きだよ    ―――唯―――

「嘘……嘘だよこんなの……だって……私……お姉ちゃんに嫌われて……傷付けて……」ポロポロ

「……憂、もっと自分を大切にしなよ……私は大丈夫だからさ……」

「違う……違うよ、純ちゃん……私、ほんとに純ちゃんの事……」

「うーい?私なら気にしなくていいんだよ?ほらほら、バシーンって言っちゃってよ」


669 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 20:33:52.26 GVHQhz+n0 132/147

「やだよ……私、純ちゃんにまで嫌われたくないよ……傷付けたくないよ……」

「ふふっ……憂も唯先輩とおんなじ位優しいね?でもね、今はその優しさが一番傷付くかなー……」

「……純ちゃん……ごめんね……私、最低だよね……」

「ん?言ったでしょ?……私は大丈夫だって」

「……純ちゃん……」

「ん……私はもう大丈夫だよ!憂こそ唯先輩と話せるの?」

「わかんない……でも、頑張ってみるよ……」  



671 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 20:43:47.31 GVHQhz+n0 133/147

「おっ、いいね!その調子だよ!じゃ、私はちょっと唯先輩探してくるね?」

「え?……探すって……」

「携帯の番号知ってるし、何とかなるよ!」

「……うん、お願いします」

「お願いされたよ!任せといて!じゃあね、憂。頑張ってね!」




673 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 20:45:59.95 GVHQhz+n0 134/147

―――道路―――

(とりあえず唯先輩に電話してみよう……)

プルルルルル プルルルルル ガチャ

『……純ちゃん?どうしたの?』

「あっ、いえ、憂が唯先輩と話したいそうなので一回病院に戻って来てもらえますか?」

『憂が……?でも……』

「唯先輩、憂は本気ですよ?唯先輩の手紙を読んで憂なりに出した答えなんです」

『……うん』

「それじゃあ、病院に来てくださいね?憂が待ってるんで。」

『……うん、ありがと。純ちゃん』

「いえいえー、それではー」ピッ  


677 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 20:52:41.70 GVHQhz+n0 135/147

(これで……これで良かったんだよね?……ちょっと惜しい事したかな?なーんて……)

(私は、憂も唯先輩も好きだから……二人が幸せなのが一番だよね……)

(頑張ってね、憂。私がしてあげれるのは……ここまで…だよ?……頑張って憂)ポロポロ

「う……ひっく……グスッ」ポロポロ




679 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 20:59:34.07 GVHQhz+n0 136/147

(憂が待ってるかぁ……でも……)

―――
――――
――――――

『帰ってよ!!お姉ちゃん!!!お姉ちゃんの顔なんて見たくない!!出てって!!!早く!!!』
『うるさい!!黙れ!!帰って!!!帰れ!!!』

――――――
――――
―――

(……うーん……憂、本当に会ってくれるかな……?)

(悩んでたらもう夕方だよ……絶対会いにいくべきだよね……)

(……よし、憂の所に行こう……逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ!)


685 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 21:07:40.16 GVHQhz+n0 137/147

―――病院―――

――病室――

(お姉ちゃん来てくれるかな……?)

(結果はどうであれ、あとで純ちゃんにいっぱいお礼言わないと……)

コンッコンッ

「ビクッ!」バッ

「憂、起きてる……?」

「……うん」

「あのさ、中入ってもいい?駄目ならここで話すけど……」

「……いいよ?」



689 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 21:13:23.70 GVHQhz+n0 138/147

ガラッ

「ん、ありがと……」

「………」

「ねえ、憂。できれば顔、見せてくれると嬉しいな……?」

「……」

「まあ、出したくなったら出してくれればいいよ。……それでね、憂。私の手紙、読んでくれた?」

「……うん」

「そっか、ありがと。……どうだった?私の気持ちを素直に書いてみたんだけど……」

「……」

「憂……私、駄目なお姉ちゃんだよ。でも、憂の傍にいたいの……憂と一緒にいたいの……」ポロポロ


691 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 21:22:58.41 GVHQhz+n0 139/147

「な…で」

「……え?」

「なんでお姉ちゃんが謝るの!?」

「うい……?」

「最初にひどい事したのは私なんだよ!?お姉ちゃん傷付けたのは私なんだよ!?」

「……」

「私のわがままでお姉ちゃんに嫌な思いさせたんだよ!?お姉ちゃんは悪くないのに何で謝るの!?」

「憂……違うよ……私が……」

「違わない!!何で私に優しくするの?ねえ?なんでなの!?」


692 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 21:26:40.73 GVHQhz+n0 140/147

「憂は大事な……」

「私に優しくしないで!……優しくされると……また甘えちゃうよ……」

「優しくされると……また好きになっちゃうよ…・・!!」

「また、お姉ちゃん傷付けて……嫌われちゃうよ……!!」

「もう嫌なの!!大好きな人を傷付けるのはもう……嫌なの……!!」


699 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 21:41:19.45 GVHQhz+n0 141/147

「出てってよ!!私がまた好きになっちゃう前に出てってよ!!!」

「……」

「私のお姉ちゃんってだけで虐められるかもしれないんだよ?そんなんなら、私はお姉ちゃんなんていらない!!」


「早く出て行ってよ!またお姉ちゃん傷付けるかもしれないんだよ!?早く……出てってったら!!……うっ……グスッ」ポロポロ

「……憂……顔、出して?」

「……」

「……お姉ちゃん命令だよ?顔出して」


702 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 21:50:37.99 GVHQhz+n0 142/147

「憂?泣いてるの?泣いちゃやだよ……憂にはいつも笑っててほしいよ……」なでなで

「やめてよ……お姉ちゃん……触ん……ないでよ……」ポロポロ

「いいこいいこ、私の事は傷付けてもいいから、私は嫌いになったりしないから……」ギュ

「だから、傍にいてよ……一緒にいようよ……」ギュー

「おねえ……ちゃ……ずるいよ……こんなの…!!ずるいよ!……ずるい…よ」ポロポロポロ





711 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 22:02:42.98 GVHQhz+n0 143/147

「暖かいよ……憂……大好きだよ?世界で一番……」

「おねえちゃ……お姉ちゃん……うあ……うあああああああぁぁぁぁぁああぁぁん!!」ギュー

――――――――――――――――――

「憂?じゃあ、私帰るね?」

「うん……お姉ちゃん……ありがと」

「えへへへ、早く退院して、また二人で暮らそうね?」

「うん!楽しみだね!!」

「うん!じゃあ、また明日ね!」

「ん、お姉ちゃん、寝る時はお腹冷やしちゃだめだよ?」

「わかってるよー、じゃあね、おやすみ!」

「おやすみー」


724 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 22:18:52.64 GVHQhz+n0 144/147

―――――二日後―――――

「憂ー、お見舞いに来たよ!今日は皆も来てくれたよ!!」

「おっす憂ちゃん!久しぶりだなー!!」

「こら律!唯!病院では静かにしろって!!」

「これ、お見舞いに皆でフルーツ買ってきたの。よかったら食べてね?」

「あー!私が皮剥いてあげるよ!食べさせるのも私の係ね!!」

「お、お姉ちゃん静かにしないと怒られちゃうよ?」

「いやー、それにしてもよく学校に戻ってきたなー唯!りっちゃんは嬉しいよ!!」

「そうだな、病気の場合は休学にできるっていうのがあって良かったな!」

「ムギちゃんが診断書とかいろいろ用意してくれなかったら無理だったよ。ありがとね、ムギちゃん?」

「さわちゃん先生も頑張ったらしいからなぁ……ま、何にしても良かったよ!」

アハハハハハハハハハ


729 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 22:29:32.42 GVHQhz+n0 145/147

―――――屋上―――――

(唯先輩も復学したし、憂もそろそろ退院らしいし、これからもっと楽しくなるかな?)

「って、あれ?梓じゃん何やってんの?」

「純?何か用?」

「うわっ、突っかかんないでよ。何してんのかなって」

「別に?なんとなく昼寝できそうだなって」

「ふーん、まいいけど。あ、言っとくけど、次憂に何かしたら許さないよ?」

「もうする意味ないって。振られちゃったしね」

「へー、ま、元気出しなよ」

「お互い様でしょ?」

「うわっ、痛いところを……私はまだチャンスがあるの」

「頑張ってね」


733 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 22:41:17.26 GVHQhz+n0 146/147

―――――退院の日―――――

医師「それじゃあ平沢憂さん、君は今日で退院だね。」

「はい、お世話になりました。」

医師「ん?珍しいね。今日はお姉さんは来てないのかい?」

「あ、はい。お姉ちゃんは家でいっぱい料理を作っておいてくれるって言ってました。」

医師「なるほど、気を付けて帰るんだよ?」

「はい!本当にお世話になりました!!」タッタッタッタ



735 : 以下、名... - 2010/06/26(土) 22:43:32.96 GVHQhz+n0 147/147

―――――平沢家―――――

「ふんふんふふーん♪」カチャカチャ

(今日は憂の退院の日、腕によりをかけて作っちゃおう。喜んでくれるかな……?喜んでくれるよね!)

ガチャ

「ただいまー!お姉ちゃーん!!」

「おっかえりー!今ご飯運ぶから待っててね!」

「うん!お姉ちゃんの手料理楽しみだなぁ」

「ふふふ、一品目はこれだよー」

「わー、オムライスだ!おいしそー!」

「へへへ、実はケチャップで書く文字はもう決めてあるんだ」


うい、だいすき!!


<終了>


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