居住者は単身赴任や学生が多いのか、単身者向けの部屋が大半をしめる。エントランスはオートロックとセキュリティーはしっかりしているが、都内の“芸能人マンション”のように管理人が24時間常駐しているわけではない。新潟の中においても、いたって“普通”の住居だ。

 このマンションが「アイドル暴行事件」の舞台となったことは周辺の住民で知る人は、ほとんどいなかった──。

《先月、公演が終わり帰宅時に男2人に襲われました。暴行罪で逮捕されましたがもう釈放されてしまいました》

 1月9日、自身の公式ツイッターでこう訴えた(現在は削除)のは、AKB48の姉妹グループで、新潟県を拠点に活動するNGT48山口真帆(23才)。

 昨年12月8日午後9時頃、冒頭のマンションに帰宅した山口は、男性ファン2人から顔を押されるなどの暴行を受けた。2人は駆け付けた警察官に逮捕されたが、驚かされたのは山口のこんな告白だった。

《あるメンバーに公演の帰宅時間を教えられ、あるメンバーに家、部屋を教えられ、またあるメンバーは私の家に行けと犯人をそそのかしていました》(現在は削除)

 グループのメンバーが暴行の手引きをしたとの前代未聞の告発に世は騒然とした。


 (中略)


“内部犯行説”が囁かれるに至った背後には、「アイドルグループ特有の競争心がある」と芸能関係者は指摘する。

「そもそもNGT48や、博多を拠点とするHKT48のメンバーは事務所の用意したマンションを“寮”として住むことが多い。だからお互いの私生活がよくわかるんです。すると生活態度が真面目なグループと、夜遊びなどをするヤンチャグループが二極化します。真面目グループが運営側に“〇〇さんは不真面目だから、何とかしてほしい”と苦言を呈せば、ヤンチャグループは“わざわざ、チクるなんて”と不満に思い、両者の仲はギクシャクする。どちらかといえばヤンチャグループの方が愛嬌があって先輩メンバーや運営側からかわいがられやすく、真面目タイプが孤立しやすいかもしれない。山口さんもそういったことでナーバスになっていた面もあるようです」

◆火種になるのはメンバー間の「格差」

 AKB48のような多感な時期の女性が集うアイドルグループでは、メンバー同士の衝突が起きやすい。

「あるグループは人気上位の2人の仲が悪く、派閥でグループが二分化されたことがありました。研究生が“こんなに怖い場所だとは思わなかった”とブログでいじめを暴露して辞めたケースも。メンバーが、気に入らないメンバーの男性関係をマスコミにリークしたこともあったそうです」(前出・芸能関係者)

 メンバー間の「悪口」が飛び交うこともある。

「総選挙で上位に入った鼻の低いメンバーについて、“ブタ鼻”と陰口を叩いたり、年上のメンバーを“ババア”と言うのは当たり前。ネットで整形疑惑の出たメンバーが、陰で“サイボーグ”と呼ばれたこともありました」(前出・スポーツ紙記者)

 なかでも火種になるのは、メンバー間の「格差」だ。

「どうしても仕事のある子とない子の差が広がり、不平不満はたまります。あるグループはメンバーに仕事メールの一斉送信があるので、お互いの仕事が把握できて、“私も〇〇ちゃんに負けないように頑張ろう”とモチベーションにつながる一方、仕事がないメンバーはみんなの“さらし者”になる。そうした格差から僻みや妬みが生まれていくようです」(芸能ライター)

 それぞれの人気が“見える化”される握手会も鬼門だ。

「握手会では他のメンバーのファンがどれだけ並んでいるか一目でわかり、人気のバロメーターになります。“何であの子の列が私より長いの”“私より人気がないのに仕事があるのね”との嫉妬が募ったあまり、握手会でファンに“あの子は性格が悪いんだよ”“〇〇ちゃんは彼氏ができたみたい”などと、ニセ情報を流すメンバーもいたそうです」(前出・芸能ライター)

 競争心から素晴らしいパフォーマンスが生まれ、グループ全体のレベルが上がったが、その一方でいきすぎた行為が生まれてしまったようだ。

「運営は風紀の乱れを認め、今後、おかしくなった部分の改善を徹底するそうです」(前出・スポーツ紙記者)

 近くなりすぎたファンとの距離も改善の余地があるだろう。悲劇が起きる前に、周囲の大人がやるべきことは多い。

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