132: 名無しさん@おーぷん 21/07/13(火)09:46:36 ID:7V.b1.L1
数年前のことだけど、10年以上の付き合いの友人が会社の空気で潰されかけたことがあった。

当時は私も友人も23歳、友人は社会人一年目で私は院に進んでいた。
友人は営業部に配属された。
彼女はコミュ強というわけでもないが、聞き上手だし、昔から教師や先輩含め年上に可愛がられ、同期や後輩にも信頼されるタイプだったので、営業は悪くない選択だと思っていた。

入社から半年たったくらいに、
「久々に会って飲もう」
と私から誘った。
友人も快く
「じゃあ○日ね!」
と乗ってくれた。

当日、パッと見は大きな変化はなかった。
2~3kgくらい痩せたように見えたけど、元々平均より少しぽっちゃりしてたので、
(少し痩せたなー)
くらい。

しかし、なんだか雰囲気というか様子がおかしかった。




いわゆる大衆居酒屋だったからガヤガヤしていたし、酒を飲んでテンションが上がって大声を上げる(怒声ではない)おっさんもちらちらいた。
友人はおっさんの大きな声がするたびにビクッとしていたし、そのたびに数秒間体が硬直していた。
もちろん隣のおっさんたちは何も悪くないが、
おっさんたちが声を上げるほど友人の様子がおかしくなっていく。
終いに近くに座ったおっさん集団が、じゃれあい?みたいに
「おい!何やってんだよ!!」
と声を荒げたら、
すごい強張った顔のまま泣き出した。
シクシク…とかではなく、
強張った表情で目をかっぴらいたままボロボロ涙を流していた。

どうしようもなくなって、お会計を済ませて友人と一緒に店を出て友人の実家にタクシーで連れて行った。
(友人は一人暮らししていたけど、そっちの家を知らないので知ってる実家の方に連れて行った。)
友人母は能面のようになってる友人を見て
「えっ!?」
という顔をして、すぐに家の中に上げてくれた。
友人両親に
「一緒に飲んでいたが、かくかくしかじかで…」
と事情を話して帰った。

一か月くらいたった後、友人から
「あの時はごめんね、ありがとう」
と連絡があった。

以下は友人から聞いた話と、友人母から私の母が聞いた話を統合したもの。

職場の勤務体系自体はホワイトよりだった。
ただ営業部だけほかの部署とは別のエリアにあり、そのせいか何かを勘違いした営業部長陣によるパワハラ部署になっていたらしい。
営業統括部長がトップで、その下に部門別の三部長、以下その他という体制で、
統括部長および三部長のうち二人がパワハラ体質。
友人含む新卒はまだ被害に遭っていなかったが、
それこそ業務時間内に誰かを怒鳴りつける声が聞こえたり、罵倒が聞こえたり…。

冒頭にも書いたけど、友人は年上に可愛がられるタイプで、職場でも例に漏れなかった。
つまり彼女は、自分によくしてくれる上司や先輩が、部長陣に理不尽な罵倒をされるという状況を日常的に見ることになってしまった。
おっさんの理不尽な暴言を耳にするストレス、そしてそれが自分の慕う人に向けられるストレス。
それが彼女を蝕んでいた。
酒が入って感情のコントロールが緩い状態でおっさんたちの大声を聞いたことで、バグったような泣き方になってしまったらしい。

その後、親がメンタルクリニックに引きずっていった結果、
『鬱手前の適応障害』
と診断された。
「まだ投薬はしないが、さっさと元凶から引きはがさないと鬱になる。
診断書を書くから人事部とかに持っていってやめなさい。
もし何か言うようなら対応策の相談に乗る」

と医者直々に言われるレベルだった。

その後どんなことがあったかは不明だが、友人は会社を辞めて今は別の会社に勤めている。
辞めてから半年後に再度会ったときは、私のよく知る友人に戻っていた。
あの時のことが話に上ったとき、友人は
「自分はずっと人に恵まれていた。
あんな風にとんでもない理不尽な理由で罵倒する人間が、ごく普通の会社にいるなんて思いもしなかった」

と話していた。
(一応その会社は地元企業としては比較的大きめで真っ当な企業に見える。)

私も社会人になって数年経つが、やはり人の質は学生時代の方がよかったように思える。
社会に出るとなぜか急激に倫理観とか常識とかが狂った人間に出会うようになった。
これが現実だ、と言われればそれまでだけど嫌なものは嫌だな。



「助けて」が言えない
「助けて」が言えない