あやめ速報-SSまとめ-

千枝「それじゃあ、始めましょうか」

唯「まず、羊を解体しよっか♪」

ﾒｪｪ

菜々「いつの間に！？」

「というか、解体って……まさか」



唯「千枝ちゃん、そこのナタをお願い」

千枝「はい、じゃあ千枝が絶命させますね」

菜々「ちょ！」



ｷﾞｰｺｷﾞｰｺ

ﾒｪｪｪｪ！

小梅「わぁ……スプラッタだぁ……」

菜々「ひぃぃぃぃっ！！」

…………
……

千枝「というのは冗談で」

唯「ちゃんとお肉屋さんからブロックで買ってきてるから安心してねー☆」

菜々「さすがに羊を解体したことはありませんよ……」

小梅「え……羊以外なら……あるの？」

「に、人間とか……？」ﾜｸﾜｸ

菜々「そんなことやりません！」

「菜々が子どもの時、うちで飼っていた鶏とかですよ」

「まぁ、豚の丸焼きとかなら、やっていましたけどね……」



小梅「な、なんだ……残念……」ｼｭﾝ

菜々「小梅ちゃんは菜々に何を期待しているのでしょうか……」

唯「で、菜々さんはどれぐらい食べるカナ？」ｷｺｷｺ

千枝「千枝は少しだけしか食べられませんから、参考になりませんし……」

菜々「菜々もそんなに食べられませんよ」

唯「またまた～謙遜すんなって♪」ｷｺｷｺ

菜々「そんな縦だか横だかわからないぐらいおっきな、羊肉の塊はいりませんよ！」

「えっと、同じ17歳ですし、唯ちゃんが食べたいぐらいでいいですよ」





唯「じゃ、ゆい。頑張ってこの塊に挑戦すっか」ﾃﾞﾛｰﾝ

菜々「300gでお願いします！！」ﾋｯｼ

菜々「そういえば思い出しましたが……」

唯「何々？どったの？」

菜々「羊肉は脂身の部分からすごい臭みが出ますので……」

唯「大丈夫だって、にんにく醤油で漬け込むからさ♪」

千枝「千枝はすりおろしりんご醤油です！」

「あずきさんが教えてくれました！」

菜々「あと、煙りもすごいですから室内だと……」

千枝「晶葉さんから、煙りの出ないロースターを借りて……」

唯「外でBBQ風にって……」



菜々「……ジンギスカン鍋は使わないスタイルなんですね」

唯「んー、それって戦時下の国策モデルが戦後に野菜も食べられるようにって、改良されたヤツだよね？」

菜々「ゑ？！」

千枝「戦前のはただの網焼きみたいなのとか、今の形の淵にネギを乗せるスペースがないような形をしているって……」



ﾊﾞﾀﾝ

凪「今、凪を食べると」

唯「食べない、食べないから！」

凪「おっと、違いましたか。しかしこの凪、はーちゃんとのプレイではいつもk「なー！！」

「おっと、根も葉もない噂を巻き散らすとこでした。それでは」ｽﾁｬ



菜々「何だったんでしょうか……」

唯「さぁ……？」

千枝「あの……」

菜々「ん？あぁ、どっちの焼き方ですか？」

唯「菜々サンなら、若い頃に食べたことがあるかなって」

菜々「んー、菜々の若い頃はそもそも肉をあまり食べなかったですね」

「えっと……」

～～～～～～～～～～～～ぽやぽや

「こんにちはーっ」

菜々「はい、こんにちは」

「隣組の看板でーす！」

菜々「まぁ、偉いわね。ほら、落花生をお食べ」

「わーい、安部のかーちゃん優しいーっ！」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ



菜々「えっと……ガ島へ進軍か。あとは……あら、月曜日に鯨が配給されるんですね」

「久しぶりにお肉が食べられそうね」



ぽやぽや～～～～～～～～～～～～

菜々「って感じで、羊肉ってあまり身近じゃなかったから……」

「戦後にコンビーフでもない変なお肉がよく配給されたけどね」←スパム缶のことです

「えっと……あれはまだ魚肉ソーセージとか発売される前だったなぁ」ｼﾐｼﾞﾐ



唯（今、何気に「かーちゃん」なる単語が……）

千枝（ち、千枝は何も聞いてません！）

――そして

ｼﾞｭｰｼﾞｭｰ

唯「それじゃあ、お肉も焼けましたし、菜々さんのお誕生会を開きます！」

千枝「皆さん、グラスを手に」

「せーの」

『菜々さん、お誕生日おめでとう！』

菜々「はいっ、ありがとうございます！」



ﾔｹﾀｰ

ｼﾞﾝｷﾞｽｶﾝｳﾏｰ

菜々「ふふっ……みんなで一緒に火を囲んで、炊きだしみたいで懐かしいですね」

「……戦争で息子二人を。戦後、あの人がシベリアで亡くなった一報をもらったときはこうなるなんて思わなかったな……」

「ぐすっ……皆さん、ありがとうございます。菜々は今日も生きていけそうです」

――30分後



菜々「ちょっとぉ……ﾋｯｸ、ユッキちゃん一人で飲み過ぎですよぉ」

友紀「ひぇぇぇぇ……」

菜々「早苗ちゃんも、飲める年頃だからって、片っ端から飲ませようとしないの！」

早苗「ご、ごめんなさい！」ﾄﾞｹﾞｻﾞ

菜々「志乃ちゃんも、ワインばっかり飲んでないで、ほら！ピーマンを食べなさい！」

志乃「あ、はい！」ﾋﾞｸｯ

ﾜｰﾜｰ



唯「うっわー、出来上がってるよ」

千枝「ど、どうしましょう……」



千夏「心配いらないわよ」

唯「アレ？ちなったん？」

礼子「もう15分もすれば、いつも通りなら寝るはずよ」

千枝「れ、礼子さんっ」

千夏「さ、先に仮眠室を空けて菜々さんを入れる準備をしないと」

千枝「そ、そうですね！」

唯「ゆい、見てくる！」ﾋﾟｭｰ

礼子「それにしても……」

千夏「菜々さんが酔っ払うなんて、久々に見たわね」

礼子「えぇ……でも前と違って嬉しくて酔っ払ってるのよ」

千夏「話し方が前とまったく違いますからね」

礼子「さ、そろそろダウンするかもしれないわ」

千夏「クッションはあるかしら？」

――なお、それから12分後、菜々さんは倒れ仮眠室へ行き……そこでプロデューサーさんと一戦を交えたと聞きました

――ん？何でわかったかですか？明日、部屋の工事があるから、防弾プレートを外しているますので……あの……その

――丸聞こえなんですよね……





おしまい

おまけ



仁奈「食べられた羊の気持ちになるでごぜーます！」

薫「うわぁ……お腹に穴が開いててがあっちまで覗けまー！」

雪美「痛く……ない……？」

仁奈「大丈夫でごぜーます！」

舞「すごいね……どんな技術なんだろ」





晶葉「人間に生きたまま穴を開けるのは無理だが、開いて向こうまで見渡せるように見せるのは不可能でないのでね」

小梅「ゾンビじゃないんだ……残念……」





HAPPY BIRTHDAY ABE NANA